

21世紀の幕明け。依然、低迷する経済環境の中で、グローバル化の波は日本企業にも押し寄せていた。その中で、五十鈴はミッション・ステートメントを「鋼板流通サービスで社会に貢献するビジョナリーカンパニー五十鈴グループ」と改定し、自社らしい経営を貫き、これからの時代の「必要な存在」になるためのあらたな挑戦に踏みだした。

その一環として、従来のコイルセンター事業から「鋼板流通サービス事業への転換」を果たすことを宣言し、サービス業(サービスセンター)としての自分たちの価値や可能性を問い直し、中期を見据えた挑戦がはじまった。
あわせて小集団活動も、内部の変革を対象とし、単年度の活動で組織としての一体感を高める「OD(会開発)活動」から、マーケットの変化や将来ありたい姿を基準に、中期スパンで戦略を実現する「IOC(五十鈴組織変革)活動」へと転換することになった。これにより大きく自分たちの考え方・活動の転換を求められることになる。
- 2001(平成13)年
- 創立50周年記念事業挙行 ミッション・ステートメント改定
- 2002(平成14)年
- IOC(五十鈴組織変革)活動スタート

試行錯誤を重ね、徐々に転換が図られつつあった2003年。会の若き管理者が集まり、五十鈴の理念・社訓の意味や価値を問う「理念創造ワークショップ」が発足した。「自会の仕事」としてではなく、「グループの経営」に多くの社員が参画する7つの「協創プロジェクト」である。

「五十鈴ファンを増やす工場案内・接客」「世界に通用する人財の早期輩出」「労災事故【0】の職場創り」など、若手からベテラン、営業・事務・生産、あらゆるメンバーが五十鈴グループの進化を皆で考える。ここから自然発生的に会社を超えた「協創」が繰り広げられることとなる。
また、五十鈴グループでは、コンプライアンスの重要性が叫ばれる時代の要請に応えるため、単にルールを守るという表面上の活動ではなく、創業者精神でもある組織としての「エチケット・マナー」「王道を行く」の言葉の実践として、自社らしい内部統制やコンプライアンスを検討し、整備した。
- 2003(平成15)年
- 五十鈴ビジネスサポート・五十鈴マネジメントサービス設立
- 2004(平成16)年
- コンプライアンス経営導入 理念創造ワークショップ発足
- 2005(平成17)年
- 協創プロジェクト発足

五十鈴の目指すグループ経営の基盤が整ってきた時期。「協創」の形も「お客さまとの価値づくりの協創」へと進化が求められるようになる。そのためにはお客さまに一番近い各社(拠点)の経営を独自性ある内容へ変えていく必要があった。

2006年に「拠点OCプラン」をスタート、2007年1月には、2001年から構想してきた基幹システム「ATOM」が稼働。お客さまの価値向上を推進していくインフラが整った。そして、一人ひとりの人財の価値を高めていく「IVC(五十鈴人財価値創造)活動」がスタートした。さらに2009年には、これまでの組織づくり(IOC)と人づくり(IVC)が作用し合うあらたな仕組みとして、五十鈴オリジナルの「HRM(ヒューマン・リソース・マネジメント)」がスタートした。
さらに2006年から、五十鈴グループのノウハウを活かした海外コイルセンターへのソリューション展開などのあらたな動きも生まれ、ビジョン・戦略を具現化していくために組織の価値、一人ひとりの価値がさらなる大きな価値へと連鎖していく経営の仕組みが形になったのである。
- 2006(平成18)年
- 拠点OCプランスタート 株主事業投資先への五十鈴ソリューションの提供
- 2007(平成19)年
- 基幹システムATOM稼動 IVC(五十鈴人財価値創造)活動スタート
- 2008(平成20)年
- 長期経営目標策定プロジェクト発足 IVC新教育体系スタート HRMプロジェクト発足
海外コイルセンターへのソリューション展開スタート
- 2009(平成21)年
- NS九州スチールサービス営業稼働 アイ・ウィリング設立