単管パイプの処分方法|買取相場、レンタル品と自社所有品の違い

不要になった単管パイプ(足場用鋼管)を処分する際、まず確認すべきはそのパイプが自社の資産かどうかです。建設現場で使用される仮設資材はリース会社からの借用品であることが多く、その場合は処分ではなく返却が前提になります。 自社所有品であれば、産業廃棄物として処分する前に買取の可否を確認する価値があります。単管パイプには中古仮設資材としての再流通市場があり、鉄スクラップとして引き渡すより有利な条件になることがあるためです。一方、スクラップ材料としてみると、単管パイプは薄肉で長尺、かつ中空という条件から必ずしも好条件ではありません。

本記事では、単管パイプの廃棄物としての位置づけ、所有形態別の対応、返却・中古買取・スクラップ売却・廃棄という4つのルートの使い分け、費用と買取額を左右する要因、処分の手順を整理します。

五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」は、単管パイプを含む建設・仮設資材の廃棄から、金属スクラップとしての回収、国内製鉄所等への還流までを支援します。産業廃棄物としての適正処理と有価物としての回収を組み合わせ、処分費用の抑制と資源循環の両立を図ります。資材置き場の整理や現場の資材入れ替えに伴う処分ルートを検討している場合は、お気軽にご相談ください。

目次

1.単管パイプを処分する際の前提

単管パイプの処分は、廃棄物区分の確認と、所有形態の確認から始まります。

(1)単管パイプは産業廃棄物(金属くず)に該当する

事業活動に伴って排出された単管パイプは、廃棄物処理法施行令第2条第2号に定める産業廃棄物の「金属くず」に該当します。

単管パイプは、JIS G 3444に規定される一般構造用炭素鋼鋼管を素材とした鋼製の資材です。金属くずは排出する業種が指定されていないため、建設現場、資材置き場、工場、農業施設のいずれから排出された場合も同じ扱いになります。自治体の粗大ごみとして出すことはできません。

なお、買取が成立して有価物として取引される場合は、廃棄物には該当しません。買取額より運搬・処理費用が上回る逆有償の状態であれば、産業廃棄物として委託手続きが必要です。

排出事業者責任の詳細やマニフェストの運用、有価物と廃棄物の線引きについては、「スチール棚・オフィスラックの廃棄処分|産業廃棄物の要件、実務フロー」で詳しく解説しています。

(2)レンタル品と自社所有品で対応が分かれる

処分方法を検討する前に確認すべきなのが、そのパイプの所有形態です。

建設現場で使用される足場材や仮設資材は、リース会社・レンタル会社から借用しているケースが多くあります。所有権が自社にない資材を独自に処分することはできず、この場合の対応は返却になります。

判断材料は、資材の調達記録とリース契約の内容です。現場ごとに調達経路が異なる場合や、長期間資材置き場に滞留している場合は、購入品と借用品が混在していることがあります。パイプ自体に所有者を示す刻印や塗装、識別テープが付されていることもあるため、現物の確認とあわせて記録を照合してください。

所有形態が確定しないまま処分を進めると、返却すべき資材を廃棄してしまうリスクがあります。滞留資材の整理では、まず所有形態による仕分けを行うことが出発点になります。

仮設工業会の経年仮設機材管理基準適用工場は、制度開始時の1979年末に指定工場7、登録工場6でした。2015年末には指定工場448、登録工場31となっています。指定工場はリース・レンタル会社または修理会社、登録工場は建設会社の機材センターです。借用品と自社所有品では管理主体が異なるため、処分前の所有者確認と調達記録の照合が必要だと分かります。なお、数値は同制度の適用工場に限られ、国内全体の保有比率を示すものではありません。

(3)クランプ・ジョイント等の付属部品は分けて扱う

単管パイプの処分では、本体と付属部品を分けて整理します。

現場から発生するのは、パイプ本体だけではありません。直交クランプ、自在クランプ、ジョイント(ボンジョイント)、ベース金具、ブラケット、単管ホルダーなどの金具類が伴います。これらは鋼製や鋳鉄製で、ボルト・ナットを含む構造です。

付属部品も金属くずには変わりありませんが、取引上は本体と別品目として扱われるのが一般的です。買取事業者の実績を見ても、単管パイプ、直交クランプ、自在クランプ、ジョイントはそれぞれ別品目として掲載されています。

そのため、パイプに金具を付けたまま引き渡すのではなく、分離して品目別にまとめることが条件を整えるうえで有効です。クランプ類は数量が多くなりやすいため、本数・個数を把握したうえで見積もりを依頼してください。

(4)足場用途に使える規格品かどうかが再流通の可否を左右する

中古資材としての価値を判断するうえで重要なのが、そのパイプが足場用途に使える規格品かどうかです。

単管パイプは外径48.6mmで統一されていますが、肉厚には標準の2.4mmと軽量タイプの1.8mmの2種類が流通しています。外径が同じためクランプなどの金具は共通で使えますが、強度は異なります。

足場や一定規模の仮囲いなど、人が乗る仮設構造物に使用する資材については、労働安全衛生法上の規格に適合していることが求められます。外見からは肉厚の違いを判別しにくいため、再流通を前提とする買取では、この点が査定条件に含まれます。

処分対象を整理する際は、購入時の仕様書や納品書、パイプに付された表示から、肉厚と規格適合の有無を確認しておいてください。判別できない場合は、その旨を業者に伝えたうえで査定を依頼します。

厚生労働省の集計では、令和元~3年の建設業における墜落・転落死亡災害315件のうち、足場関連は56件(17.5%)でした。内訳は通常作業中39件、組立・解体中17件です。足場材は再使用できるかどうかを価格だけで判断せず、肉厚、規格表示、曲がりや腐食を確認する必要があることを補強するデータです。ただし、この56件は足場関連災害全体であり、単管パイプの規格不適合や劣化だけを原因とする件数ではありません。

2.単管パイプの処分ルートの選択肢

単管パイプの処分ルートは、所有形態と状態によって4つに分かれます。

選択肢概要主なメリット留意事項
返却(リース品)リース会社へ返却する処分費が発生しない破損・変形があると弁償や原状回復費が生じる場合がある
中古買取中古仮設資材の買取事業者へ売却するスクラップより有利な条件になり得る規格適合、状態、本数がまとまることが条件
スクラップ売却金属スクラップ業者へ売却する状態を問わず引き取られやすい薄肉・長尺・中空のため条件は必ずしも良くない
廃棄(産業廃棄物処理)許可業者へ処分を委託する状態を問わず処分が完結する処理費が発生。委託契約とマニフェストの管理が必要

確認の順序は、返却、中古買取、スクラップ売却、廃棄です。前の段階で成立しなければ次を検討する流れになります。

(1)返却:リース会社への返却対応

借用品については、リース会社への返却が原則です。

所有権が自社にない以上、処分の判断権限も自社にはありません。現場終了時や資材整理のタイミングで、調達元へ引き取りを依頼します。

確認しておきたいのが、返却時の状態に関する条件です。破損、著しい変形、曲がり、欠品があると、弁償や原状回復の費用が生じる場合があります。契約内容によって扱いが異なるため、返却前に条件を確認し、状態を記録しておくと後のトラブルを避けられます。

長期間現場に滞留していた借用品は、腐食や変形が進んでいることがあります。返却の遅延自体が費用に影響する契約もあるため、使用予定がなくなった時点で早めに手続きを進めてください。

(2)中古買取:仮設資材としての再流通

自社所有品で状態がよいものは、中古仮設資材として買取される可能性があります。

単管パイプは規格が統一されており、クランプ等の金具との互換性が確保されているため、中古資材としての需要が安定している部類です。買取事業者のなかには、鉄くずとして仕入れられるものを修理・整備して製品として再流通させる事業を展開しているところもあり、スクラップ価格を上回る条件が提示されるケースがあります。事業者によっては、状態のよくない足場材でもスクラップの1.5倍以上で取引した実績を公表しています。

この差が生まれる理由は、鋼管という形状そのものではなく、素材ではなく製品として評価されている点にあります。同じ重量の鋼材でも、再び足場資材として使えるものは素材価格とは別の基準で値付けされるということです。

査定を有利にするには、規格の統一性が鍵になります。長さがそろっている、曲がりや潰れが少ない、著しい腐食がない、本数がまとまっているといった条件が整うほど、製品として再流通させやすくなります。廃棄前提で見積もる前に、中古買取の可否を確認する手順を挟んでください

(3)スクラップ売却:金属資源としての回収

中古資材としての条件を満たさないパイプは、金属スクラップとして売却の対象になります。

鋼製である以上、素材としての鉄の価値は残ります。ただし、単管パイプはスクラップ材料としては必ずしも好条件ではありません。理由は形状にあります。

肉厚は標準品で2.4mm、軽量タイプで1.8mmと薄く、鉄スクラップの主要規格であるH2(厚さ3mm以上6mm未満、幅500mm以下、長さ1,200mm以下)の厚さ基準を下回ります。長さも4m材が主流で、H2の長さ基準を大きく超えるため、切断などの二次加工が前提になります。加えて中空構造のため嵩張り、重量あたりの積載効率が低くなります。

鉄スクラップの検収規格や、買取価格を左右する品質基準については、「産業廃棄物の鉄くずとは?マニフェストや買取時の注意点、リサイクル」で解説しています。

環境省の令和5年度実績では、産業廃棄物の再生利用率は金属くずが95.4%であり、産業廃棄物全体のなかでも高い水準にあります。単管パイプは鋼製であるため、中古資材として再流通させる場合も、スクラップとして素材に戻す場合も、再資源化のルートに乗せられる資材です。なお、この数値は全国の金属くず全体の実績であり、個別案件の資源化率や買取可否を示すものではありません。実際の条件は、状態、数量、規格の統一性、搬出条件、鉄スクラップ市況によって変わります。

(4)廃棄:産業廃棄物処理業者への委託

買取が成立しないパイプは、産業廃棄物として処分します。

該当するのは、腐食が進んで強度が確保できないもの、大きく曲がったり潰れたりしているもの、コンクリートやモルタルが固着しているもの、他の建設廃材と混在して分別が困難なものです。

委託にあたっては、産業廃棄物収集運搬業許可と処分業許可を持つ業者と書面で契約を締結し、品目に金属くずを明記したうえでマニフェストを交付します。全量を廃棄前提で見積もると、買取可能な分まで処分費の対象になるため、状態別の仕分けを先に行ってください。

3.単管パイプの買取・処分費用を左右する要因

単管パイプの買取額と処分費用は、数量、状態、搬出条件によって変動します。

(1)本数・長さ・重量の把握

見積もりの前提になるのが、数量の把握です。

単管パイプの重量は、外径48.6mmの標準品(肉厚2.4mm)で1mあたり約2.73kg、軽量タイプ(肉厚1.8mm)で約2.08kgです。長さに比例するため、標準品であれば「2.73×長さ(m)」で概算できます。

たとえば標準品の4m材は1本あたり約10.9kg、100本で約1.1トンになります。2m材であれば1本あたり約5.5kgです。本数と長さがわかれば、おおよその重量が算出できるため、見積もり依頼時にはこの情報を整理して伝えてください。

長さの内訳も重要です。0.5mから6mまで各種の定尺があり、長さがそろっているほど中古資材としての扱いがしやすくなります。長さ別に本数を集計した一覧を用意すると、査定が進めやすくなります。

(2)状態と規格の統一性

買取額を大きく左右するのが、個々のパイプの状態です。

中古資材としての査定では、曲がり、潰れ、著しい錆や腐食、端部の変形、めっきの剥離といった要素が確認されます。多少の錆や汚れがあっても再流通の対象になることはありますが、構造的な変形があるものは対象から外れます。

あわせて、前章で触れた肉厚と規格適合の情報が査定条件に関わります。標準品と軽量タイプが混在している場合は、可能な範囲で分けておくと条件が整理されます。

クランプ類については、ボルト・ナットの欠品、ねじの損傷、開閉部の固着が確認項目になります。数量がまとまるほど品目として扱いやすくなるため、種類別に分けて数量を把握してください。

(3)買取不可・減額となるケース

以下に該当する場合、買取が難しくなるか、減額の対象になります。

  • コンクリートやモルタルが固着しているもの
  • 著しい腐食で肉厚が保てていないもの
  • 大きく曲がっている、潰れているもの
  • 他の建設廃材や異種金属と混在しているもの
  • 塗料や樹脂被覆が広範囲に付着しているもの

このうち、混在の解消と付着物の除去は排出側の準備で改善できる項目です。単管パイプだけをまとめ、クランプ類を分け、明らかに条件を満たさないものを別にしておくだけでも、見積もり条件は変わります。

買取不可となる材の判断基準は、鉄スクラップ全般の受入基準と共通する部分が多くなります。詳細は113の記事で整理しています。

(4)産業廃棄物として処分する場合の費用の考え方

産業廃棄物として処分する場合の費用は、収集運搬費と処分費で構成されます。

金額を左右するのは、数量(重量)、保管場所から処理拠点までの距離、搬出条件、そして仕分けの状態です。分別されていない混合廃棄物としての排出は、金属くず単体より処分単価が高くなります。

単管パイプ固有の要素が、嵩張りによる運搬効率です。中空で長尺の資材は、重量のわりに積載スペースを取ります。切断や結束によって積載効率を上げられる場合もあるため、搬出方法について業者と相談する余地があります。

見積もりでは、収集運搬費と処分費の内訳、買取分の相殺条件が分けて記載されているかを確認してください。

4.単管パイプを処分する手順

ここでは、仕分けから搬出、書類の確認までの流れを整理します。

(1)所有形態と状態で仕分ける

最初に行うのが、所有形態と状態による仕分けです。

まずリース品と自社所有品を分けます。次に自社所有品について、中古資材として再流通できる状態のもの、スクラップとしての売却が現実的なもの、廃棄が妥当なものに分類します。あわせてクランプ類などの付属部品を種類別に分けます。

この段階で、長さ別・肉厚別の本数、クランプ類の種類と個数、状態の概要を一覧化してください。この一覧が、以降のすべての手続きの基礎資料になります。保管状況がわかる写真を添えておくと、見積もり精度が上がります。

国土交通省関東地方整備局の資料では、関東の建設廃棄物全体の再資源化・縮減率は1995年度の68.8%から、2000年度81.6%、2005年度91.0%を経て、2018年度に97.9%へ上昇しています。所有形態と状態で分け、返却・中古買取・スクラップ・廃棄の行き先を整理することは、高い再資源化水準を支える前提です。なお、これは関東の建設廃棄物全体の値であり、単管パイプや金属くず単独の資源化率ではありません。

(2)リース品の返却手続きを行う

借用品については、調達元のリース会社に連絡し、引き取りを依頼します。

返却前に、契約上の返却条件、破損・欠品時の取り扱い、引き取り可能な日程を確認してください。本数と状態を記録し、可能であれば写真を残しておくと、返却後の認識相違を避けられます。

複数のリース会社から調達している場合は、調達元ごとに仕分けたうえで手続きを進めます。所有者が判別できない資材が残った場合は、自己判断で処分せず、取引のあるリース会社に照会してください。

(3)買取業者・処理業者へ見積もりを依頼する

仕分けが済んだら、区分ごとに見積もりを依頼します。

中古資材としての買取は仮設資材の買取事業者へ、スクラップ売却は金属スクラップ業者へ、廃棄は産業廃棄物処理業者へ依頼するのが基本です。ただし、これらを一括で扱える事業者もあります。

提示する情報は、長さ別の本数、肉厚と規格適合の有無、状態の概要、クランプ類の種類と数量、保管場所と搬出経路です。産業廃棄物として委託する分については、許可証の写しを取得し、有効期限、許可区域、許可品目(金属くず)を照合してください。

見積書では、買取額、処分費、収集運搬費が項目ごとに分けて記載されているかを確認します。買取と処分を相殺した正味額のみの提示では、複数社の比較ができません。

(4)搬出と書類の確認・保管を行う

搬出時は、仕分けた区分どおりに引き渡されているかを確認します。

長尺の資材は結束して積み込むため、荷崩れ防止と積載効率の両面から、束ごとの本数と長さをそろえておくと作業が円滑です。搬出経路の幅や車両の進入可否も、事前に確認しておく項目になります。

産業廃棄物として委託した分については、マニフェストを交付し、運搬終了・処分終了・最終処分終了の各段階の返送を確認します。紙マニフェストの返送期限は交付日から90日以内、最終処分終了については180日以内で、保存期間は5年間です。委託契約書は契約終了後5年間の保存が必要になります。

有価物として売却した分は、計量伝票や売買記録が確認資料になります。返却分、売却分、処分分の内訳を記録しておくと、資材管理の記録としても機能します。

JWセンターの統計では、電子マニフェストの年間登録件数は1998年度の8,041件から2023年度の40,617,335件へ増加し、同年度の電子化率は81.2%です。処分を委託する単管パイプについても、運搬・処分・最終処分の終了確認と記録保管を一連で管理する重要性を示しています。なお、電子化率は年間のマニフェスト総数を5,000万件として算出した値であり、単管パイプ案件や特定業種だけの利用率ではありません。

5.単管パイプの買取・処分業者の選び方

単管パイプの処分では、買取と処分の両方を視野に入れた業者選定が費用に影響します。

(1)中古買取と産業廃棄物処理の両方に対応できるか

資材置き場から発生する単管パイプは、状態の良いものと悪いものが混在しているのが通常です。

中古買取のみを行う事業者では、条件を満たさない材が残ります。逆に、処分のみを行う事業者に一括で依頼すると、再流通できる材まで処分費の対象になります。

確認するのは、買取対象と処分対象を分けて見積もれるか、仕分けの基準が示されるか、状態確認の結果で区分が変わる場合の取り扱いが明記されているかです。総額のみが提示される場合は、何本をどの区分で見積もったのかを個別に確認したうえで比較してください。

なお、中古資材の買取には古物商の許可、廃棄物の処理には産業廃棄物処理業の許可が必要で、これらは別の許可です。同一事業者が両方を担う場合は、それぞれの許可範囲を確認してください。

(2)現場・資材置き場での仕分けと搬出に対応できるか

単管パイプは1本あたりの重量は大きくないものの、本数がまとまると相当な重量と容積になります。

100本単位で発生する現場では、仕分け、結束、積み込みに人手と時間がかかります。この作業を排出側で行うのか、業者が対応するのかによって、社内の負担と費用条件が変わります。

確認しておきたいのは、現地での仕分けに対応できるか、結束や積み込みの作業範囲はどこまでか、車両が進入できない場所からの搬出に対応できるかです。資材置き場が郊外にある場合や、山間部の現場からの引き上げでは、対応エリアの確認も必要になります。

(3)許可と対応範囲を確認する

産業廃棄物として処分する分については、委託先の許可の確認が前提になります。

許可証の写しを取得し、産業廃棄物収集運搬業許可と処分業許可の有無、有効期限、許可区域、許可品目に金属くずが含まれているかを照合します。無許可業者への委託は、委託した排出事業者側も責任を問われます。

許可の確認手順、不用品回収業者を利用する際の注意点、見積明細の確認方法については、2397の記事で詳しく解説しています。

環境省の集計では、産業廃棄物の不法投棄の新規判明件数は1998年度の1,197件から2023年度の100件へ大幅に減少しましたが、2023年度も投棄量4.2万トンが判明しています。処理業者の許可区域・有効期限・許可品目を事前に照合することは、排出事業者責任を果たすうえで欠かせない確認です。なお、集計対象は原則として1件10トン以上の事案で、大規模事案の有無により年度別の投棄量は大きく変動します。また、金属くずだけを対象とした集計ではありません。

単管パイプに限らず、鉄は素材として繰り返し循環させられる点に特徴があります。使用済みの鋼材が鉄スクラップとして回収され、電炉や転炉を経て再び鋼材に戻る流れは、資材単位の処分判断の背景にある仕組みです。鉄鋼製品ごとのリサイクル性や、素材を循環させる取り組みの事例については、「鉄のサーキュラーエコノミー|事例や鉄鋼製品一覧、リサイクル性も」で解説しています。

6.まとめ

単管パイプの処分は、所有形態の確認から始まります。建設現場で使用される仮設資材はリース会社からの借用品であることが多く、その場合は処分ではなく返却が前提です。所有形態が確定しないまま進めると、返却すべき資材を廃棄してしまうリスクがあります。

自社所有品については、返却、中古買取、スクラップ売却、廃棄の順に可否を確認していく流れになります。注目したいのが中古買取です。単管パイプには中古仮設資材としての再流通市場があり、素材としてではなく製品として評価されるため、スクラップ価格を上回る条件が提示されることがあります。一方、スクラップ材料としてみると、肉厚2.4mm前後・長尺・中空という条件は必ずしも有利ではありません。廃棄を前提に見積もる前に、買取の可否を確認する手順を挟んでください。

買取額と処分費用は、本数と長さ、状態と規格の統一性、付着物や混在の有無、搬出条件によって変動します。長さ別の本数を集計し、クランプ類を分け、状態別に仕分けたうえで、内訳付きの見積もりを取得することが実務上の進め方になります。

五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」は、単管パイプを含む鉄系資材・設備の廃棄から、国内製鉄所等への還流によるクローズドループの構築までを支援します。建設・仮設資材の適正処分と、鉄をはじめとする素材の資源化をご検討の際は、ぜひご相談ください。

監修

早稲田大学法学部卒業後、金融機関での法人営業を経て、中小企業向け専門紙の編集記者として神奈川県内の企業・大学・研究機関を取材。
2013年から2020年にかけては、企業のサステナビリティレポートの企画・編集・ライティングを担当。2025年4月よりフリーランスとして独立。
企業活動と社会課題の接点に関する実務経験が豊富で、サステナビリティ分野での実践的な視点に基づく発信を強みとしている。