冷凍機廃棄の方法と費用|フロン回収・必要書類・業者依頼の流れ

冷凍機の処理方法は、機器の法的区分と状態によって、産業廃棄物としての廃棄、スクラップとしての売却、資源循環ルートでの処理に分かれます。特に業務用冷凍機は、フロン回収、本体処分、マニフェスト管理、費用見積もりを工程ごとに分けて確認する必要があります。
本記事では、冷凍機廃棄の確認事項、必要書類、廃棄手順、費用の内訳に加えて、廃棄・売却・資源循環の各処理方法を比較しながら解説します。

五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」は、冷凍機の廃棄に伴う本体・配管・架台などの金属部分を資源として国内製鉄所等へ還流させるクローズドループの構築を支援します。フロン回収後の冷凍機について、廃棄・売却・資源循環の選択肢を整理し、処分費用と資源価値を比較しながら、コスト削減と国内資源循環の両立を目指します。

目次

1.冷凍機廃棄の主要な確認事項

冷凍機の廃棄では、最初に機器の法的区分と処理対象を整理する必要があります。

ここでは、廃棄前に確認すべき基本事項を解説します。

(1)業務用か家庭用か

家庭用の冷蔵庫・冷凍庫は特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)の対象ですが、店舗・工場・倉庫などで使用する業務用の冷凍機・冷蔵庫は原則として対象外です。

そのため、業務用機器を廃棄する場合は、フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)上の対象機器か、また本体や付帯設備を廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)に基づいてどのように処理するかを確認する必要があります。

参考:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/kaden_recycle/
参考:https://www.env.go.jp/earth/furon/files/r03_tebiki_kanri_rev3.pdf

引用:https://www.env.go.jp/earth/furon/files/to_device_admin.pdf

(2)第一種特定製品に該当するか

業務用の冷凍機・冷蔵庫を廃棄する際は、その機器がフロン排出抑制法上の第一種特定製品に該当するかを確認します。

第一種特定製品とは、業務用のエアコンディショナーや冷凍冷蔵機器のうち、冷媒としてフロン類が充塡された機器を指します。

確認時は、メーカー銘板や仕様書、型式、使用冷媒の表示をもとに、対象機器かを整理します。銘板が確認できない場合は、メーカーや保守業者へ型式を照会し、使用冷媒を特定してください。

フロン類を回収する必要がある場合、廃棄・売却・資源循環のいずれの処理方法を選択する場合でも、本体処理とは別にフロン回収の手続きを先行させなければなりません。

(3)本体以外に処理対象となる付帯物があるか

冷凍機の廃棄では、本体だけでなく架台・配管・断熱材・残油などの付帯物も処理対象になる場合があります。

これらは一律に同じ方法で処理するのではなく、金属類のようにスクラップとして売却や資源循環に回せる部分と、断熱材や付着物、残油など産業廃棄物として処理すべき部分を切り分けて整理する必要があります。

特に、配管や架台の撤去有無、残油の処理要否、周辺設備をどこまで含めるかによって、処理方法の選択肢、費用、見積もり条件が変わります。

2.冷凍機廃棄にあたって用意する書類とマニフェスト

書類作成・交付の主体主な役割保存期間
行程管理票(回収依頼書・引取証明書)機器所有者(廃棄等実施者)が交付フロン回収の依頼から完了までの管理写しを3年間保存
産業廃棄物管理票(マニフェスト)排出事業者が交付本体・付帯物の処理状況の確認返送された写しを5年間保存
委託契約書排出事業者と委託先で締結収集運搬・処分の委託内容の明確化契約終了後5年間保存
許可証・登録証の写し委託先から取得委託先の許可・登録内容の確認委託契約書とあわせて保管

冷凍機の廃棄では、フロン回収と本体処分で必要書類が分かれるため、事前整理が欠かせません。回収依頼時に使う書類、回収後に受け取る証明書、本体処分時のマニフェスト、委託先確認や保管書類まで、排出事業者として押さえるべき書類の流れを解説します。

(1)フロン回収を依頼する際に準備する機器情報・行程管理票

第一種特定製品のフロン回収を依頼する際は、事前に機器の型式、製造番号、設置場所、台数、使用冷媒などの情報を整理しておく必要があります。これらの情報は、回収対象機器の特定や回収作業の手配に使われます。
また、廃棄時は行程管理票を用いて、機器所有者がフロン回収を依頼し、機器の引渡しから回収完了確認までを管理します。

行程管理票は原則として機器所有者側で作成・交付し、回収業者へ引渡し時に渡して、その後の処理状況を確認できるようにします。交付した行程管理票の写しは、フロン排出抑制法に基づき3年間保存する必要があるため、機器ごとにファイリングし、後続のマニフェストと紐づけて管理できる状態にしておくことが実務上のポイントです。

参考:https://jreco.or.jp/data/koutei_guide_202504.pdf

(2)フロン回収後に受け取る引取証明書

フロン回収が完了した後は、第一種フロン類充塡回収業者から引取証明書を受け取ります。引取証明書は、対象機器からフロン類を適切に回収したことを示す書類であり、その後に冷凍機本体を廃棄する際の確認資料や、社内で廃棄記録を残すための書類として必要になります。


受領時は、機器の型式や設置場所、回収日、回収業者名などの記載内容に誤りがないかを確認し、行程管理票やマニフェスト関連書類とあわせて排出事業者側で3年間保存します。本体の引渡し先から引取証明書の写しの提出を求められる場合があるため、原本とは別に写しを準備しておくと手続きが円滑に進みます。

参考:https://www.env.go.jp/earth/furon/files/tebiki_kanrisya_4.pdf

(3)冷凍機本体の処分時に交付する産業廃棄物マニフェスト

フロン回収後に冷凍機本体を産業廃棄物として引き渡す際は、排出事業者が産業廃棄物管理票(マニフェスト)を交付します。マニフェストには、廃棄物の種類、数量、排出事業者情報、収集運搬業者・処分業者の名称や許可情報などを記載し、委託した廃棄物が適正に処理されたかを確認できるようにします。

冷凍機本体に加えて、架台・配管・断熱材などの付帯物もあわせて処分する場合は、各部材の処理区分に応じて、どの廃棄物をどの内容で記載するかを整理したうえで交付します。

処分業者から返送されるマニフェストの写しは5年間保存し、返送期限内に処理完了を確認できない場合は、委託先へ処理状況を照会する必要があります。

なお、有価物として売却する部分はマニフェストの対象外となるため、売却分と廃棄分を区分して記録を残すことが重要です。

参考:https://www.env.go.jp/content/900479496.pdf

電子マニフェストで把握する委託量は、2008年度以降おおむね増加しており、2025年度は約106,468千t、捕捉率は約66.5%となっています。産業廃棄物の処理状況を電子的に把握する流れが広がっていることを示しています。冷凍機本体や付帯物を産業廃棄物として処分する際も、マニフェストにより処理状況を確認し、記録を残すことが重要です。ただし、有価物として売却する部分はマニフェストの対象外となるため、廃棄分と売却分を区分して管理する必要があります。

(4)委託契約書・許可証写しなど排出事業者として保管する書類

冷凍機の廃棄を委託する際は、排出事業者として収集運搬業者・処分業者との委託契約書を書面で作成し、委託内容を明確にしておく必要があります。

あわせて、委託先の産業廃棄物収集運搬業許可証、処分業許可証、第一種フロン類充塡回収業者の登録情報などを確認し、その写しを保管します。委託契約書は契約終了後5年間の保存が必要です。

また、フロン回収に関する行程管理票や引取証明書、本体処分時のマニフェスト控え、委託契約書を機器ごとの廃棄記録としてまとめて保管し、処理の経緯を追える状態にしておくことが重要です。行政の立入検査や社内監査の際に、機器単位で一連の書類を提示できる体制を整えておくことが、排出事業者責任を果たすうえでの実務対応になります。

参考:https://www.env.go.jp/content/900479523.pdf

3.業務用冷凍機の廃棄手順

業務用冷凍機の廃棄は、フロン回収の要否を確認したうえで、本体処分へ進む順序で進めます。特に第一種特定製品に該当する場合は、フロン回収を先行し、必要書類を受領してから本体や付帯物の処分を手配する必要があります。
ここでは、回収依頼から本体・付帯物の収集運搬、処分委託までの実務の流れを解説します。

(1)必要に応じて第一種フロン類充塡回収業者へフロン回収を依頼する

業務用冷凍機が第一種特定製品に該当する場合は、本体処理の前に、都道府県に登録された第一種フロン類充塡回収業者へフロン回収を依頼します。依頼時には、機器の型式・製造番号・台数・使用冷媒・設置場所・回収希望日などの情報を伝え、対象機器と作業条件を共有します。


回収当日は、行程管理票を用いて機器の引渡しを行い、回収完了後はフロン類を適切に引き渡したことを確認できるよう、行程管理票の処理結果引取証明書を受領します。

依頼先の選定にあたっては、登録番号と登録都道府県を確認し、回収予定機器の冷媒種別に対応できるかをあわせて確認することが実務上のポイントです。

参考:https://www.env.go.jp/content/900448625.pdf

機器廃棄時に冷媒回収を実施した台数は約132万台、回収冷媒量は約3,894tで、いずれも近年増加傾向にあります。業務用冷凍機の廃棄では、フロン回収が例外的な対応ではなく、本体処分前に確認すべき標準的な工程であることを示しています。ただし、回収の要否や作業条件は、機器の種類、冷媒種別、設置場所、台数によって変わるため、事前に機器情報を整理し、登録業者へ確認することが重要です。

(2)引取証明書を受領したうえで本体処分を手配する

第一種特定製品に該当する冷凍機は、フロン回収後に引取証明書を受領してから、本体処分を手配します。廃棄する場合は産業廃棄物として収集運搬業者・処分業者へ委託し、状態等によっては金属スクラップとして売却や資源循環ルートへの引渡しも選択肢になります。


この際は、冷凍機本体だけでなく、架台・配管・断熱材などの付帯物についても、資源化できるものと産業廃棄物として処理するものを整理したうえで、処分範囲を確定する必要があります。また、廃棄物処理業者やリサイクル業者へ依頼する際に、フロン回収済みであることの確認資料として、引取証明書の写しの提出を求められる場合があります。

参考:https://www.env.go.jp/content/900440903.pdf

引用:https://www.env.go.jp/content/000380427.pdf

回収後のフロン類は、令和6年度時点で再生量合計2,303t、破壊量合計3,751tとなっています。内訳を見ると、再生量ではHFCsが1,699tと大きく、近年は再生量の増加傾向が示されています。業務用冷凍機の廃棄では、フロン回収後に再生・破壊の処理へつながるため、引取証明書を受領してから本体処分を手配する流れが重要です。ただし、CFCs・HCFCsも一定量含まれるため、冷媒種別に対応できる登録業者か確認する必要があります。

(3)冷凍機本体と付帯物の収集運搬・処分を手配する

フロン回収後は、冷凍機本体を産業廃棄物として収集運搬業者・処分業者へ委託し、撤去後の運搬と処分を進めます。委託にあたっては、収集運搬業者と処分業者の許可内容を確認し、処理内容に応じた委託契約を締結したうえで、排出事業者がマニフェストを交付します。

参考:https://www.env.go.jp/council/content/i_05/900425454.pdf

4.冷凍機廃棄の見積もりに整理したい現地条件と処分範囲

冷凍機の見積もりは、機器の大きさや撤去範囲、搬出条件などによって前提が変わります。
ここでは、見積もり前に整理したい現地条件と処分範囲を解説します。

(1)冷凍機本体と付帯設備のどこまでを撤去・処分対象にするか

冷凍機の見積もりを取る際は、冷凍機本体のほかに、架台・配管・断熱材・電源設備・周辺残置物のどこまでを今回の撤去・処分対象に含めるかを先に整理する必要があります。

対象設備を一覧化し、撤去する範囲、残置する範囲、別工事で対応する範囲を区分したうえで、見積もり依頼書に明記します。あわせて、金属類のように売却や資源循環に回せる部分と、断熱材や付着物など産業廃棄物として処理する部分を切り分け、見積もり条件に反映することが重要です。

(2)搬出経路・設置場所・作業条件を整理する

冷凍機の撤去費や運搬費は、搬出経路や設置場所、現場の作業条件によっても変わります。そのため、見積もり前に、屋上・地下・狭所・階段搬出の有無など、搬出条件を整理しておく必要があります。

あわせて、クレーン・フォークリフト高所作業車の使用が必要か、床や壁の養生が必要かも確認します。

また、周囲で設備が稼働している場合は、作業時の干渉有無停電調整の必要性夜間や休日作業の要否なども見積もり条件に影響するため、現場条件として事前に共有しておくことが重要です。

(3)フロン回収・撤去工事・本体処分の発注範囲を切り分ける

冷凍機の廃棄では、フロン回収、機器の取り外し、搬出、収集運搬、処分までの各工程を、どこまで同一業者へ依頼するかを整理しておく必要があります。フロン回収から本体処分までを一括で依頼する場合と、工程ごとに分けて発注する場合では、見積もりの出し方や責任が変わります。

そのため、見積もりを比較する際は、フロン回収費が含まれているか、撤去工事や搬出作業の範囲はどこまでか、運搬・処分は別手配かなど、各工程の含有範囲をそろえて確認することが重要です。

(4)資源化を前提に確認しておきたい情報を整理する

資源化を前提に見積もりを取る場合は、冷凍機の重量、材質、銅・アルミ・鉄の構成、付着物の有無など、資源価値の判断に必要な情報を整理しておく必要があります。そのうえで、金属部分のようにスクラップとして扱える部分と、フロン、断熱材、残油、付着物など別途処理が必要な部分を切り分け、処理範囲を明確にします。

廃棄処理の見積もりと比較できるよう、撤去範囲や搬出条件もそろえたうえで、処分費だけでなく資源価値の有無を含めて条件を統一して見積もりを取ることが重要です。

5.冷凍機廃棄の費用内訳とコストを左右する要因

冷凍機の廃棄費用は、フロン回収、本体撤去、運搬、処分といった複数の費目で構成され、機器や現場条件によって金額が変わります。

ここでは、どの工程に費用がかかるのかを切り分けたうえで、機器の大きさや設置場所、付帯設備の有無など、金額に影響する要因について解説します。

(1)フロン回収費・撤去費・収集運搬費・処分費の内訳

冷凍機廃棄の費用は、一般に次の費目に分かれます。金額は機器や現場条件、地域によって変動するため、相場として一律に示すことはできません。

費目主な内容確認すべき事項
フロン回収費フロン類の回収作業・回収冷媒の処理冷媒の種類・充塡量による変動、証明書発行の有無
本体撤去費機器の取り外し・解体・搬出作業養生費・重機使用費の含有範囲
収集運搬費現場から処理施設までの運搬車両サイズ、運搬距離、一式計上か個別計上か
処分費産業廃棄物としての中間処理・最終処分処理区分ごとの単価、付帯物の扱い

見積もり比較では、どの費目が含まれ、どの費目が別計上になっているかを確認し、費用の内訳をそろえて把握することが重要です。

(2)機器の大きさ・設置場所・搬出条件が費用に与える影響

機器が大型・重量物になるほど、撤去や搬出、運搬にかかる作業負荷が大きくなり、費用も上がりやすくなります。

また、屋上設置、地下設置、狭所、階段搬出などの現地条件がある場合は、作業手間や安全対策が増えるため、追加費用の要因になります。

クレーン、フォークリフト、高所作業車の使用が必要か、床や壁の養生が必要かによっても見積もり額は変動するため、現地条件を事前に整理し、見積もり時に業者と共有しておくことが重要です。

(3)付帯設備・複数台処分・残置物の有無による費用差

架台・配管・断熱材・周辺設備など、付帯設備の撤去対象が増えるほど、解体や分別、運搬の手間が増えるため費用は上がります。

加えて、複数台をまとめて処分する場合でも、単純に台数分で計算されるとは限らず、設置場所や搬出経路、作業をまとめて行えるかによって単価は変動します。

金属部分を売却や資源循環に回せる場合は、資源価値が処理費用と相殺される可能性があるため、廃棄一択で見積もるのではなく、処理方法ごとの総額で比較することが重要です。

6.冷凍機を廃棄から資源循環で処理する手順

冷凍機は、フロン回収や産業廃棄物処理が必要になる一方で、金属部分を資源として循環させられる可能性もあります。

ここでは、資源化の可否の確認から、資源化できる部分と処理が必要な部分の切り分け、廃棄処理との費用比較までの進め方を解説します。

(1)冷凍機が資源循環に回せるかを確認する

冷凍機は、鉄・銅・アルミなどの金属を含むため、資源物として資源循環に回せる可能性があります。

特に銅を多く含む配管や熱交換器は、鉄スクラップと区分して扱うことで資源価値を評価しやすくなります。ただし、フロン類が残ったままの機器をそのまま資源化ルートへ流すことはできず、第一種特定製品に該当する場合は、先にフロン回収を完了させる必要があります。

そのうえで、機器本体の状態、付着物や残油の有無解体が必要かどうか、配管や架台を含めて資源化できるかを確認し、冷凍機が資源循環の対象になり得るかを整理します。

国内で金属資源を循環させることは、処理費用の観点だけでなく、資源調達リスクの低減国内資源循環への貢献という多面的な意義も備えます。

引用:https://www.env.go.jp/content/000301060.pdf

産業廃棄物の排出量は、令和5年度で再生利用量201百万t、減量化量158百万t、最終処分量9百万tとなっています。平成8年度以降、最終処分量は68百万tから9百万tまで大きく減少し、再生利用や減量化を前提とした処理が進んでいることが分かります。冷凍機の処理でも、金属部分を資源として扱えるかを確認することは、廃棄量の抑制や資源循環の観点から重要です。ただし、フロン、残油、断熱材、付着物などは別途処理が必要になるため、資源化できる部分と廃棄処理すべき部分を分けて整理する必要があります。

冷凍機から回収した鉄を資源として循環させる際は、鉄が再び鉄鋼製品として利用される仕組みや、鉄鋼製品ごとのリサイクル性を把握しておくことも必要です。鉄の資源循環の仕組みや事例については、「鉄のサーキュラーエコノミー|事例や鉄鋼製品一覧、リサイクル性も」で詳しく解説しています。

(2)フロン回収後に資源化できる部分と処理が必要な部分を切り分ける

フロン回収が完了した後は、資源化できる部分と処理が必要な部分に切り分けて整理します。冷凍機本体の金属部分や、架台・配管・銅管などは、スクラップや資源物として売却できる可能性があります。

一方で断熱材、残油、付着物などは資源化ルートにそのまま流せないため、産業廃棄物として別途処理が必要です。

この切り分けは、廃棄物の発生量削減やリサイクル率の把握といった、ESG情報開示環境目標管理の基礎データとしても活用できます。そのため資源化分と廃棄分を重量ベースで記録し、社内報告に使える形で整理しておくことが重要です。

(3)材質・重量・付帯物の情報を整理して資源化見積もりを取る

資源化の見積もりを依頼する際は、事前に冷凍機の型式、重量、材質、台数、設置場所、付帯設備の有無などを整理しておく必要があります。

あわせて、鉄・銅・アルミなどの含有が想定される部分や、配管・架台など付帯物の数量も見積もり条件に含めます。

資源化の可否や価格は、金属相場に加えて撤去や搬出の条件によっても変わるため、廃棄処理の見積もりと比較できるよう、本体のみか付帯物を含むか、搬出経路や作業条件はどうかといった前提をそろえたうえで依頼することが重要です。

(4)廃棄費用と資源価値を比較して処理方法を決める

処理方法を決める際は、産業廃棄物としての廃棄、スクラップとしての売却、資源循環ルートでの処理を、同じ撤去範囲・搬出条件のもとで総額比較する必要があります。比較の観点は次のとおりです。

処理方法費用面の特徴検討時の確認事項
廃棄(産業廃棄物処理)フロン回収費・撤去費・運搬費・処分費が発生委託先の許可内容、マニフェスト管理
売却(スクラップ)金属部分の資源価値が処理費と相殺される可能性金属相場、引渡し条件、売却記録の管理
資源循環ルートでの処理資源化分と廃棄分を切り分けた総額で評価資源化率、ESG・環境報告への活用可否

設備更新や複数台処分の場面では、廃棄処理の見積もりと資源化の見積もりを並行取得し、費用面と環境面の両方から処理方法を決めることが重要です。

7.まとめ

冷凍機廃棄では、家庭用か業務用か、第一種特定製品に該当するかを確認したうえで、フロン回収と本体処分を分けて進める必要があります。行程管理票、引取証明書、マニフェストなどの書類を管理し、撤去範囲や搬出条件をそろえて見積もりを比較することが重要です。

五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」は、冷凍機本体や配管・架台などの鉄系設備・製品の廃棄から、国内製鉄所等への資源循環まで、一貫したクローズドループの構築を支援します。冷凍機の適正な廃棄・処分と金属資源化をご検討の際は、ぜひご相談ください。

監修

早稲田大学法学部卒業後、金融機関での法人営業を経て、中小企業向け専門紙の編集記者として神奈川県内の企業・大学・研究機関を取材。
2013年から2020年にかけては、企業のサステナビリティレポートの企画・編集・ライティングを担当。2025年4月よりフリーランスとして独立。
企業活動と社会課題の接点に関する実務経験が豊富で、サステナビリティ分野での実践的な視点に基づく発信を強みとしている。