廃棄物管理システムとは、マニフェストや委託契約書、許可証、排出量などの情報をまとめて管理し、廃棄物管理業務の効率化と法令遵守を支援するシステムです。拠点や委託先が増えるほど、Excelや紙での管理では期限切れや確認漏れが起きやすくなるため、システムで情報を一元管理する仕組みが有効な選択肢になります。
ただし、廃棄物管理システムには、廃棄物を出す排出事業者向けのものと、収集運搬業者・処分業者向けのものがあり、対応する業務が大きく異なります。自社に合わないシステムを選ぶと、必要な機能が足りなかったり、使わない機能に費用を払ったりすることになります。
本記事では、排出事業者向けの廃棄物管理システム7つの特徴と料金、主な機能、メリット、費用の考え方、選び方、導入時の注意点について解説します。
五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」は、返品や使用済み製品など、事業の中で定期的に発生するモノの資源循環を一括で支援するサービスです。リユース・リペア・リサイクル・処分を1つのスキームで提案するため、品目ごとに委託先を分ける必要がなく、システムで管理すべき委託先や契約の数そのものを減らせます。廃棄物管理の負担を根本から見直したい場合は、ぜひご相談ください。

1.廃棄物管理システムとは?種類と電子マニフェストとの違い
システムを比較する前に、廃棄物管理システムの役割と種類、電子マニフェスト(JWNET)との違いを押さえておくと、自社に必要なシステムを判断しやすくなります。
(1)排出から処分までの管理業務を支援するシステム
排出事業者は、産業廃棄物の処理を委託する際に、収集運搬業者・処分業者それぞれと書面で委託契約を結び、マニフェストを交付して、処理が終わったことを確認する必要があります。契約書とマニフェストの写しはどちらも5年間の保存が求められ、委託先の許可証の内容や有効期限も確認しなければなりません。
廃棄物管理システムは、こうした契約書・許可証・マニフェスト・排出量などの情報を1つの仕組みで管理し、期限切れや記載漏れを防ぐためのシステムです。現在はインターネット経由で使うクラウド型が主流で、拠点ごとにソフトを導入しなくても、本社と各拠点で同じ情報を共有できます。
出典:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第12条第5項・第6項・第12条の3(https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137)
出典:松山市「事業系ごみ適正処理シリーズ VOL.22」(https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/gomi/dashikata/jigyousyogomi_syori.files/vol22.pdf)
(2)排出事業者向けと処理業者向けの違い
廃棄物管理システムは、大きく排出事業者向けと処理業者向けに分けられます。排出事業者向けは、廃棄物を出す企業が委託契約書や許可証、マニフェスト、処理状況、排出量などを管理するためのシステムです。一方で処理業者向けは、収集運搬業者や処分業者が、受付や配車、計量、請求、入金までの業務を管理するための基幹システムです。
製造業や建設業、小売業など、廃棄物を出す側の企業が選ぶべきなのは排出事業者向けのシステムです。本記事では、排出事業者向けのシステムに絞って紹介します。
出典:アスピック「産業廃棄物管理システム比較11選」2026年7月29日更新(https://www.aspicjapan.org/asu/article/47789)
(3)電子マニフェスト(JWNET)との違い
電子マニフェストは、排出事業者・収集運搬業者・処分業者の3者が、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが運営する情報処理センター(JWNET)を通じてマニフェスト情報をやり取りする仕組みです。マニフェストの登録や処理状況の確認、保存を電子化でき、行政への交付状況の報告も情報処理センターが行います。
一方で、JWNETが扱うのはマニフェストの情報が中心で、委託契約書や許可証の管理、処理費用の集計、一般廃棄物や有価物の管理には対応していません。廃棄物管理システムの多くはJWNETと連携しており、契約書や許可証の情報とマニフェストを紐づけて管理できる点が違いです。JWNETは電子マニフェストの基盤、廃棄物管理システムはその周辺業務も含めた管理の仕組みと考えるとわかりやすくなります。
出典:宮城県「電子マニフェスト」リーフレット(https://www.pref.miyagi.jp/documents/7611/denmani2.pdf)

2.排出事業者向け廃棄物管理システムおすすめ7選
排出事業者向けの主な廃棄物管理システムを比較すると、次のとおりです。料金は2026年7月時点の公開情報で、詳細は各社に確認してください。
| システム名(提供会社) | 主な特徴 | 料金(公開情報) |
|---|---|---|
| CBA wellfest(株式会社CBA) | 産業廃棄物・一般廃棄物・有価物を一元管理。処理ルートの適法性チェック | 要問い合わせ |
| PBasis(三井住友ファイナンス&リース) | 契約情報をマスター化してマニフェストを作成。再資源化率・静脈物流CO₂を集計 | 月額定額制(要問い合わせ) |
| Wing(マツダ株式会社) | 許可証の期限自動チェック。行政報告書の作成を自動化 | 要問い合わせ |
| 電子マニフェスト先生(リンクイノベーションズ) | JWNET連携で入力を効率化。紙マニフェストにも対応 | 月額10,000円、初期費用35,000円 |
| エコロジネットプラス(イーコス) | 回収予定と連動した電子マニフェスト登録。現地確認報告書も管理 | 月額10,000円〜 |
| e-reverse.com(リバスタ) | 建設現場の電子マニフェスト運用に特化 | 月額10,000円〜+登録料150円/件 |
| GENESYS-ECO compliance(JEMS) | 許可証・委託契約書と照合してマニフェストを発行 | 要問い合わせ |
出典:アスピック「産業廃棄物管理システム比較11選」2026年7月29日更新(https://www.aspicjapan.org/asu/article/47789)
(1)CBA wellfest(株式会社CBA)|産業廃棄物・一般廃棄物・有価物を一元管理
CBA wellfestは、排出事業者向けに廃棄物管理業務の一元化・標準化を支援するクラウドサービスです。産業廃棄物だけでなく、一般廃棄物や有価物もまとめて管理でき、紙と電子のマニフェストを統合して扱えます。
契約書や許可証の期限管理に加え、処理ルートの適法性をチェックする機能を備えており、不備のある処理ルートをシステム上で選択できないようにすることで運用ミスを防ぎます。複数拠点の情報を横断的に管理できるため、全社やグループ単位で廃棄物管理を統一したい企業に向いています。株式会社NTTデータの温室効果ガス排出量可視化プラットフォームとの連携も進めており、廃棄物処理に伴うScope3の算定にも活用が見込まれます。
出典:株式会社CBA「CBA wellfest」(https://www.cba-japan.co.jp/wellfest/)
出典:アスピック「CBA wellfest」(https://www.aspicjapan.org/asu/service/104927)
(2)PBasis(三井住友ファイナンス&リース株式会社)|再資源化率や静脈物流CO₂まで見える化
PBasisは、産業廃棄物・一般廃棄物・専ら物・有価物の委託契約情報やマニフェスト、排出量の集計までを一元管理するクラウド型サービスです。委託契約書や許可証をマスターデータとして登録し、そのマスターをもとにマニフェストを作成することで、契約内容とマニフェストの整合性を保ちます。
契約書・許可証の不整合を防ぐ機能や期限のアラート機能に加え、再資源化率や静脈物流のCO₂排出量の集計にも対応しています。月額定額制で、グループ全体の情報連携にも対応しているため、多拠点の企業に適しています。
出典:三井住友ファイナンス&リース株式会社「PBasis」(https://www.smfl.co.jp/pbasis/)

(3)Wing(マツダ株式会社)|許可証の期限チェックと行政報告書作成を自動化
Wingは、産業廃棄物管理業務の効率化とリスク管理を目的とした廃棄物総合管理システムです。JWNETと連携して業務を効率化するほか、許可証の有効期限をシステムで自動チェックし、期限前にアラートで知らせるため、更新漏れを防げます。
行政への報告書や月報、CSRレポートの作成を自動化できる点も特徴です。導入時には、過去に結んだ委託契約書を現在のルールに沿う形に見直す改善提案も受けられます。
出典:アスピック「産業廃棄物管理システム比較11選」2026年7月29日更新(https://www.aspicjapan.org/asu/article/47789)
(4)電子マニフェスト先生(リンクイノベーションズ株式会社)|JWNET連携で入力作業を効率化
電子マニフェスト先生は、電子マニフェストの登録・管理・集計を効率化する排出事業者向けのシステムです。JWNETと連携して入力作業を効率化し、入力必須項目を色分けするなど、初めて使う担当者でも操作しやすい工夫がされています。
紙マニフェストの登録にも対応しており、登録した情報は行政報告書に自動で反映されます。契約書の作成・管理や許可証管理、予約の自動登録などの機能を備え、産業廃棄物・特別管理産業廃棄物・一般廃棄物に対応しています。料金は月額10,000円、初期費用35,000円です(アカウント追加料などは別途)。
出典:アスピック「産業廃棄物管理システム比較11選」2026年7月29日更新(https://www.aspicjapan.org/asu/article/47789)
(5)エコロジネットプラス(株式会社イーコス)|回収予定と連動した電子マニフェスト登録
エコロジネットプラスは、廃棄物管理業務の効率化とガバナンス強化を目的とした廃棄物管理クラウドサービスです。JWNETと連携した電子マニフェスト登録の自動化に加え、回収予定日を登録するカレンダー機能と組み合わせて、電子マニフェスト登録を半自動化できます。
事業所ごとに、廃棄物がどの会社に運ばれ、どこで、どのように処分されるのかを一目で把握できる点も特徴です。許可証や契約書、現地確認報告書の管理を一元化でき、廃棄物の種類ごとの集計やCO₂の算定にも対応しています。料金は月額10,000円から(ベーシックプランの場合)です。
出典:アスピック「産業廃棄物管理システム比較11選」2026年7月29日更新(https://www.aspicjapan.org/asu/article/47789)
(6)e-reverse.com(株式会社リバスタ)|建設現場の電子マニフェスト運用に特化
e-reverse.comは、建設現場での電子マニフェスト運用に強みを持つサービスです。現場単位・廃棄物の種類単位・処理ルート単位でのマニフェスト登録や照会を効率化でき、収集運搬業者や処分業者との情報共有にも対応しています。
建設現場の廃棄物輸送に伴うCO₂排出量の把握や、再生資源利用計画書の作成支援など、本社・支店の事務負担を減らすオプションも用意されています。料金は月額10,000円から、マニフェスト1件あたり登録料150円です。
出典:アスピック「産業廃棄物管理システム比較11選」2026年7月29日更新(https://www.aspicjapan.org/asu/article/47789)
(7)GENESYS-ECO compliance システムサービス(株式会社JEMS)|契約書・許可証と照合してマニフェストを発行
GENESYS-ECO complianceは、排出事業者の廃棄物のコンプライアンス管理と効率化を支援するシステムです。マニフェストを作成する際に、収集運搬業者・処分業者の許可証と委託契約書を照合し、廃棄物処理法に沿ったマニフェストを発行できる点が特徴です。
契約や許可の範囲から外れたマニフェストの発行を防げるため、拠点ごとの担当者に任せていても、全社で同じ水準の法令遵守を保ちやすくなります。ASP・SaaSの安全・信頼性に係る情報開示認定を受けています。
出典:ASPIC「ASP・SaaSの安全・信頼性に係る情報開示認定 GENESYS-ECO compliance システムサービス」(https://aspicjapan.org/nintei/?p=90091)

3.廃棄物管理システムの主な機能
排出事業者向けの廃棄物管理システムには、主に次のような機能があります。システムによって対応範囲が異なるため、自社に必要な機能を確認しておきましょう。
(1)紙・電子マニフェストの登録・照合・保存
マニフェストの登録や処理状況の確認、返送期限の管理を行う機能です。JWNETと連携するシステムでは、電子マニフェストの登録を自動化でき、入力ミスを減らせます。紙マニフェストが残っている企業は、紙と電子をまとめて管理できるかを確認することが大切です。
(2)委託契約書・許可証の管理と期限アラート
委託契約書や処理業者の許可証を電子的に保管し、契約期間や許可の有効期限が近づくとアラートで知らせる機能です。許可品目や許可地域と委託内容が合っているかを確認できるシステムもあります。

(3)契約内容とマニフェストの整合性チェック
委託契約書や許可証の情報をマスターデータとして登録し、その範囲内でしかマニフェストを発行できないようにする機能です。契約外の品目や許可外の業者への委託を、マニフェストの発行段階で防げるため、拠点の担当者による誤りを減らせます。
(4)排出量・処理費用・再資源化率の集計
拠点別・品目別・委託先別に、排出量や処理費用、再資源化率を集計する機能です。一般廃棄物や有価物まで含めて集計できるシステムであれば、全社の排出物を同じ基準で比較でき、コスト削減やリサイクル率の改善に活用できます。CO₂排出量の算定に対応するシステムもあります。
(5)行政への報告書類の作成支援
紙マニフェストを使う排出事業者は、前年度の交付状況を毎年都道府県などに報告する必要があります。また、多量排出事業者は処理計画の作成・提出と、その実施状況の報告が求められます。廃棄物管理システムには、こうした報告書類の作成を支援する機能を備えたものがあります。
出典:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第12条第9項・第10項・第12条の3(https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137)
(6)複数拠点の管理と権限設定
本社と各拠点で同じシステムを使い、拠点ごとの情報を本社で集約できる機能です。担当者ごとに閲覧・編集できる範囲を設定できれば、拠点の担当者は自拠点の業務に集中し、本社は全社の状況を把握するといった運用ができます。

4.廃棄物管理システムを導入するメリット
廃棄物管理システムを導入すると、法令遵守と業務効率の両面でメリットがあります。
(1)マニフェストや契約書の管理業務を効率化できる
紙やExcelで管理していた契約書や許可証、マニフェストをシステムに集約することで、書類を探す時間や拠点への問い合わせが減ります。JWNETとの連携によって入力の手間も減り、担当者は確認や改善などの判断が必要な業務に時間を使えるようになります。
2021年に行われた電子マニフェスト未加入の多量排出事業者への調査では、70.7%が紙マニフェストの情報をパソコン等に入力し、26.4%が入力していないと回答しています。紙の書類とデータを併せて扱う実態は、情報を集約して管理する仕組みを検討する背景になります。廃棄物管理システムの導入効果を考える際は、入力・照合・保管のどの作業を減らせるかの確認が必要です。ただし、この図は電子化による時間短縮を測定したものではなく、未加入事業者を対象とした当時の結果です。
(2)期限切れや記載漏れによる法令違反を防ぎやすくなる
契約や許可の期限をアラートで知らせる機能や、契約内容とマニフェストの整合性をチェックする機能によって、担当者の記憶や手作業に頼った確認から脱却できます。拠点ごとの運用のばらつきも減り、全社で同じ水準の法令遵守を保ちやすくなります。
(3)排出量と処理費用を可視化できる
全社の排出量や処理費用を同じ基準で集計できるようになると、費用が多くかかっている拠点や品目、委託先を特定できます。単価の見直しや分別の改善など、データに基づいたコスト削減策を検討しやすくなります。
産業廃棄物の処理コストを下げる具体的な方法は、以下の記事で解説しています。

(4)資源循環の取り組みや情報開示に活用できる
再資源化率やCO₂排出量などのデータは、廃棄物の削減目標の設定やリサイクルの改善に活用できるだけでなく、統合報告書やサステナビリティ報告での開示、取引先からの環境調査への回答にも使えます。
2022年11月の調査では、委託処理に伴う温室効果ガス排出量の把握について、委託先への提出要請が「あり」は17.9%、「なし」は82.1%でした。環境情報を開示に使うには、廃棄物の数量だけでなく、委託先から取得する情報や算定の条件もそろえる必要があります。この結果は、システムの集計機能と情報収集の運用を組み合わせる必要性を考える参考になります。ただし、対象は比較的大規模な排出事業者28社で、提出要請の有無は、排出係数を使った算定の実施状況とは異なります。

5.廃棄物管理システムの費用と料金体系
廃棄物管理システムの費用は、主に次の3つで構成されます。公開されている料金は月額1万円程度からのものもありますが、多拠点の企業向けのシステムは、料金を「要問い合わせ」とし、規模や要件に応じて見積もるものが多くあります。
(1)初期費用|システム設定・データ移行にかかる費用
導入時には、既存の契約書や許可証、取引先の情報をシステムに登録するための設定費用がかかります。拠点数や契約件数が多いほど、データ移行の作業量も増えます。
(2)月額費用|システム利用・保守にかかる費用
導入後は、システムの利用料や保守費用が月額で発生します。定額制のシステムもあれば、マニフェストの登録件数に応じて料金が変わるシステムもあります。
(3)追加費用|拠点数・ユーザー数・オプションによる費用
利用する拠点数やユーザー数の追加、CO₂算定や行政報告書の作成支援などのオプションによって、追加費用がかかる場合があります。自社の拠点数・契約件数・マニフェスト件数を把握したうえで見積もりを依頼すると、比較しやすくなります。
(4)導入費用と業務削減効果を比較する
費用を判断する際は、システムの利用料だけでなく、担当者が書類管理や確認作業にかけている時間、期限切れや確認漏れによる法令違反のリスクも含めて比較することが大切です。拠点ごとに分散していた管理を集約できれば、システムの費用を上回る効果が得られる場合もあります。
2019年の建設会社への調査では、電子マニフェスト導入による事務作業量の削減割合を回答した6社の平均が54.4%となり、導入前を100%とした作業量は45.6%になりました。システムの費用対効果を比較する際は、利用料に加え、入力や確認、保管などの削減時間を把握することが判断材料になります。ただし、これは事務負担が軽減したと回答した企業の一部による自己申告で、全業種に共通する削減率ではありません。金額効果は処理件数や担当者の人件費、運用方法によって変わります。

6.廃棄物管理システムの選び方
廃棄物管理システムを選ぶ際は、次の観点から自社に合うかを確認します。
(1)排出事業者向けで自社の業種に合っているか
まず、排出事業者向けのシステムであるかを確認します。そのうえで、建設業のように現場ごとに廃棄物が発生する業種では、現場単位の管理に強いシステムを選ぶと運用しやすくなります。製造業や小売業で多拠点を持つ企業は、拠点横断の集計や権限管理に強いシステムが向いています。
(2)JWNETとの連携と紙マニフェストへの対応
JWNETとの連携によって、電子マニフェストの登録や処理状況の取得をどこまで自動化できるかを確認します。取引先の処理業者がJWNETに加入しているかによって運用が変わるため、紙マニフェストが残る場合は、紙と電子をまとめて管理できるシステムを選ぶことが大切です。

JWNETの2024年度の統計では、加入している排出事業者の75%がEDIを利用し、25%がWeb方式を利用しています。EDIは、自社システムや外部サービスとJWNETの間でマニフェスト情報をやり取りする方式です。この利用状況は、JWNETを基盤として周辺システムを組み合わせる運用を理解する参考になります。ただし、全企業における廃棄物管理システムの導入率ではありません。契約書管理や費用集計などの対応範囲は、個々のサービスで確認する必要があります。
(3)管理したい廃棄物の範囲に対応しているか
産業廃棄物だけでなく、一般廃棄物や有価物、専ら物まで管理したい場合は、対応範囲の広いシステムを選びます。売却している有価物まで含めて管理できれば、排出物全体の再資源化率や収支を把握できます。
(4)複数拠点の管理と権限設定に対応しているか
拠点数が多い企業では、本社で全拠点の情報を集約できるか、拠点ごと・担当者ごとに権限を設定できるかが重要です。グループ会社を含めて管理する場合は、会社をまたいだ情報連携に対応しているかも確認してください。
(5)料金体系とサポート内容が自社の運用に合っているか
定額制か、件数に応じた従量制かによって、自社の規模での費用は変わります。導入時のデータ移行の支援や、運用開始後の問い合わせ対応、法改正への対応など、サポートの内容もあわせて確認しておくと安心です。

7.廃棄物管理システムを導入する際の注意点
システムを導入するだけで、廃棄物管理の課題がすべて解決するわけではありません。導入前に次の点を確認しておきましょう。
(1)既存の契約書や許可証を整理する必要がある
導入時には、各拠点に保管されている契約書や許可証、取引先の情報を集めて登録する必要があります。整理の過程で、契約書が見つからない、許可の範囲が委託内容と合っていないといった問題が見つかることもあるため、データ移行の期間を見込んで導入計画を立てることが大切です。
(2)処理業者との運用ルールを確認する必要がある
電子マニフェストを使うには、排出事業者・収集運搬業者・処分業者の3者がJWNETに加入している必要があります。委託先の加入状況や、マニフェストの登録・報告の手順を事前に確認し、運用ルールを共有しておきます。
(3)委託先が多すぎると管理の手間は減りにくい
システムを導入しても、委託先が品目ごと・拠点ごとに数十社に分かれていれば、登録・更新すべき契約書や許可証の数は変わりません。システムによる情報の一元化とあわせて、委託先そのものを集約することで、管理の負担を大きく減らせます。
廃棄物の情報と委託先をまとめて管理する方法は、以下の記事で解説しています。

(4)システムを導入しても排出事業者の責任はなくならない
廃棄物管理システムは、排出事業者が法令を守るための道具です。委託契約の締結やマニフェストの交付、委託先の処理状況の確認といった排出事業者の責任は、システムを導入しても変わりません。システムのアラートや集計結果をもとに、社内で定期的に状況を確認する体制を整えておくことが大切です。
出典:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第3条第1項・第12条第7項(https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137)
8.まとめ
廃棄物管理システムは、マニフェストや委託契約書、許可証、排出量などの情報をまとめて管理し、法令遵守と業務効率化を支援するシステムです。排出事業者向けと処理業者向けで対応する業務が異なるため、まずは排出事業者向けのシステムから、自社の業種や拠点数、管理したい廃棄物の範囲に合うものを選ぶことが大切です。
あわせて、システムで管理する対象である委託先や契約の数を減らすことも、管理の負担を軽くするうえで欠かせません。
icサーキュラーソリューションでは、五十鈴とサイクラーズの連携により、不要になった設備や製品のリユース・リペア・リサイクル・処分を1つのスキームで提案しています。捨てるか、直すか、売るかの判断から処理までをまとめて相談できるため、品目ごとに委託先を分ける必要がなく、管理すべき委託先や契約の数を減らせます。廃棄物管理の負担や委託先の分散にお悩みの企業様は、お気軽にご相談ください。






