五十鈴グループビジョナリーレポート2026

VISIONARY REPORT2026 ビジョナリーレポート 五十鈴グループ いつでも どこでも あたらしい

2026年度基本方針 真価の発揮 五十鈴グループは「ビジョナリーカンパニー」を目指しています。 ビジョナリーカンパニーとは、全従業員が、 「揺るぎない理念を実践することで、 時代を超えて常に組織として成長・進化していく企業体」のことを指します。 2021年度からの10年ビジョンは、「I-Society X(=ISX)」。 これは企業の事業戦略とサステナビリティへの取り組みを同期させ、 「未来社会づくりに参画している会社」を目指しています。 社会に変化をもたらすような、新しい事業を次々と生み出し、 五十鈴グループの企業価値=ブランドを創造しようというものです。 スチールサービス部門、ロジスティクス部門、 ソリューション部門、ライフサービス部門、 各事業部門が部門戦略をもとに競争力を高めつつ、 五十鈴グループ全体で構築した「サステナビリティ推進体制」により、 新たな価値を生み出し、成長・進化をよりサステナブルなものにしていく所存です。 本レポートでは、ISXビジョン「みんなの夢をみんなで自己実現する企業」 に向けた2025年度当社の取り組みをご紹介します。 グループ全体で社会課題・テーマに向き合い、株主やお客さま、 そして多種多様なパートナーと共に、より良い社会に向けた価値創造に挑む 私たち五十鈴グループの取り組みを、お読みくださいましたら幸いです。 PHILOSOPHY 02 PHILOSOPHY 発行に寄せて/ISXビジョンに向けて 04 CEO MESSAGE 磨いた志と、芽生えたポジティビティを胸に、 重なり合う"真価”を発揮するとき。 06 VALUE MODEL 五十鈴グループ価値創造モデル 08 OUTPUT 事業を通じた社会課題の解決に向けた4つの取り組み 14 ISUZU GROUP FAMILY DAY 五十鈴グループ初開催 ファミリーデーを開催しました! 15 CORPORATE GOVERNANCE COMPANY PROFILE コーポレートガバナンスと会社概要 02

2030年の我社の存在価値 未来社会づくりに参画している会社 GOAL 2030 生きがい、やりがい、働きがいを 楽しく創るビジョナリーカンパニー 10年ビジョン「I-SocietyX」 いよいよ折り返し地点、真価発揮のステージへ。 みんなの夢を みんなで自己実現する企業 2027 2026 2025 2024 2023 2022 2030 2029 2028 協進化の推進とみんなのやりがい・ 働きがいの覚醒を通じて、ブランド パワーの進化を図る。 25-27中期テーマ Hop Step Jump 2021-2030ビジョン テーマ We・Valueによる エボリューション経営を実践する I- Society X ソーシャルコミュニケーション を通じて 社会的影響力を発 揮している会社。 ブランドパワーの進化 未来の幸福に向けた実現シ ナリオをリアルに描ける会社。 サステナブル基盤構築 社会貢献への熱い共感と高 い志を持つスタートアップス と共に進化できる会社。 With X 協進化の実現 03

磨いた志と、 重なり合う 2026年度 基本方針 真価の発揮 キャッチフレーズ 超ポジポジ!! 2025年度 基本方針 志の追求 キャッチフレーズ ブレイク・スルー 実績 売上高:713億円 純利益額:27.0億円 ROA:4.4% ROE:10.4% 2022年から新経営体制のもと、「第三の創業」がスタート しました。2030年をゴールした長期ビジョン「I-Society X」 に向けたホップ・ステップ・ジャンプの3カ年中期も、現在は セカンドステージである「ステップ」の時期に入っています。 ステップの初年となる2025年度に、私たちが掲げたテー マが「志の追求」でした。 そのテーマのもと、「一人ひとりがどのように自己実現を果 たしたいのか」という“志”を明らかにし、日々の仕事や選択 の拠り所として、その実現を目指す意思と行動を大切にしま した。 また、4月には浜松鋼板加工株式会社がグループに加わ る、という大きな変化がありました。心強い新しい仲間が増 えたこともあり、あらためて会社の理念や進むべき方向、い わばグループの “志”をグループ全体で共有しました。日々 の一人ひとり、そして組織としての志の追求。その実現を意 図した一つ一つの行動を続けることが、やがて豊かな実を結 ぶと考えたからです。 この意識変革が、目に見える2つの大きな成果を生みまし た。1つは、『全サービスセンター・営業所における品質ク レームゼロ』を、連続2か月にわたり実現したことです。全拠 「凡事徹底」が導いた、 成果と自信と誇り。 04

CEO MESSAGE 点でゼロを達成した月は、これまでになかった到達です。 その起点にあるのは、日々の仕事の質を高め、愚直に積み 重ねる「凡事徹底」です。 「年間のクレームをゼロにする」と聞くと、到底、なしえない 大きな目標に見えるものです。しかし、1日単位でみたら「ク レームがゼロだった日」はすでに何度もありました。 ここに目を向けるよう、目線を揃えました。「クレームゼロの 1日」を「毎日積み重ねる」。そんなポジティブな考え方が、現 場の共通認識として浸透し、一人ひとりの行動を少しずつ変 えていきました。凡事徹底を積み重ねた、結果だと感じてい ます。 組織的な成長も、この取り組みを力強く後押ししました。 ここ数年、人事制度の改善や工場の暑さ対策をはじめ、 「働きやすい環境」づくりを継続してきたことで、離職率は大 きく低下しました。意欲あるメンバーが、それぞれの力を発揮 しやすい土台が整ってきたと言えるでしょう。 業務品質における定量的な成果が示されたことで、自然と モチベーションは高まりました。「凡事徹底はあらゆる領域で も活かせるはずだ」「さらに自分たちは力を発揮できるはずだ」 という前向きな実感につながり、ワクワクしながら仕事に向き 合うメンバーが増えています。こうしたポジティブなムードの 広がりを、日々感じています。 そして、これが2つめの成果である、Great Place To Work® Institute Japanによる「働きがいのある会社」認定 へと結実しました。 GPTWは世界約170ヵ国で実施されている世界最大級の 従業員意識調査において認定が決まります。申請から2年目 で認定に至るのは異例だと聞いています。「やりがい、働きが いを楽しく創るビジョナリーカンパニー」を掲げ、働きやすさ の整備、人財の定着、現場力の向上に取り組んできた歩みが、 品質や組織力の向上と地続きで結びつき始めている。そんな 確かな手応えを得られた一年でした。 2026年度、私たちが掲げた基本方針は「真価の発揮」で す。2025年度を通じて、一人ひとりの中に芽生えた「志」や 「働きがい」は、確かな手応えとなりつつあります。しかし、そ れらが組織の力として十分に発揮されているかといえば、ま だ途中段階にあると考えています。本当の意味で価値が発揮 されるのは、これからです。 これまで培ってきた強みをあらためて見つめ直し、「足りな い部分」を埋めることに注力するのではなく、「すでにできてい ること」「発揮できている力」の質をさらに高めていく。その挑 戦の積み重ねこそが、一人ひとり、ひいては組織全体の真価 を引き出していくと考えています。 その真価は、社内にとどまるものではありません。私たちが 目指しているのは、自社だけが成長することではなく、鉄の流 通を支える企業として、日本のものづくり産業全体を元気に していくことです。その考え方を象徴するのが、「ファン戦略」 です。 売ることを目的にするのではなく、お客さまにとって本当に 役に立つ存在であることを追求する。その結果として信頼が 生まれ、選ばれ、やがてファンになっていただく。こうした関 係性を、社員一人ひとりが実感を持って築いていくことが、 五十鈴グループの成長につながると考えています。 ファンづくりはお客さまだけにとどまりません。同業他社や パートナー企業との連携、さらには業界を越えた多くの企業 や団体との協働も、こうした信頼の延長線上にあります。価 値を囲い込むのではなく、価値が集まり、広がり、循環してい く「場」としての役割を果たしていきたいと考えています。 あわせて、2027年1月に予定している次期基幹システム の本格稼働に向け、準備を進めているところです。言うまで もなく、システムは目的ではなく、社員一人ひとりがより価値 の高い仕事に集中し、強みを発揮するための「手段」です。業 務と意識の両面から土台を整え、真価を発揮するための環境 づくりを進めています。 こうした取り組みを通じて、私たちは人と組織、そして関 係性の在り方そのものを進化させていきます。そしてその進 化は、社内外の多くの人との関わりの中でこそ、その価値が 発揮されると考えています。 最後に、株主、お客さま、社員、地域社会をはじめとする すべてのステークホルダーの皆さまとともに、共に成長し、共 に進化していく。2026年度は、その姿勢と覚悟を、具体的 な行動と成果で示していく一年にしていく所存です。 芽生えたポジティビティを胸に、 "真価”を発揮するとき。 代表取締役社長 鈴木 勝 真価の発揮、その先へ 05

変革と成長の礎 となる歴史 進化し継承し続ける 創業者精神 人と組織への 積極投資 われわれの根幹 われわれの事業活動 経営 理念 経営 姿勢 企業 文化 マネジメント システム グループ 経営 サステナビリティ 推進 事業領域 拡張 生きがい、やりがい、働きがいを楽しく創るビジョナリーカンパニー MISSION みんなの夢をみんなで自己実現する企業 VISION 一、お得意さんに誠意をつくそう 一、仕事は實を入れてやろう 一、何でもみんなで話し合おう 理 念 社訓 BUSINESS ACTIVITIES INPUT VALUE MODEL 五十鈴グループは、ビジョナリーカンパニーのコンセプト(理念と共に成長し、理念をベースにした仕組みづくり)に基づき、 創業者精神や経営理念である社訓やミッション&ビジョンを核に企業文化を醸成し、 グループ経営やサステナビリティ推進体制のもとで、事業領域の拡張とより良い社会の実現に向けて新たな価値を創造し続けます。 06

企業価値の向上 社会的インパクトの創出 社会への提供価値 ・コミュニティでつくる自己実現フィールドの創出 ・「スマートライフサービス」の提供 ・みんなにやさしい ECO 環境づくりの推進 ・安全・安心・快適なロジスティクスの展開 ・スマートワークプレイスの提供 ・行政・公的機関・近隣企業と連携した地域貢献 財務資本 ● 売上高:713 億円 ● 純利益額:27.0 億円 ● ROA:4.4% ● ROE:10.4% 【2025 年度実績】 製造資本 ● クレーム:73 件 ● 設備故障停止時間:1,091 時間 知的資本 ● 教育投資額: 198,818 円・人 ● 事業創造ワークショップ参加人数:7 人 ● 同WS最終プレゼン人数:5 人 人的資本 ● 平均勤続年数:13.1 年 ● 平均年齢:39.6 歳 ● 健康診断受診率:100% ● 労災件数(うち、休業件数) :13(2)件 ● 働きがい指数(GPTW): 62% ● 離職率:3.6% ● 一人当り残業時間:24.3 時間 / 月・人 ● 有給取得率:52.9% ● 管理職の女性比率:6.8% 自然資本 ● CO2 排出量:14,599t CO2 事業を通じた社会課題の解決 OUTPUT OUTCOME 国内製造業を下支えする安定供給力 鉄鋼流通価値向上 1 ソリューションの拡充・進化 顧客の事業健全性向上 2 パートナーとの協進化による事業創出 SXへの協創 3 働きがいある職場環境と多様性の重視 D&I経営の推進 4 五十鈴グループ価値創造モデル 07

鉄鋼流通価値向上 OUTPUT 1 顧客の事業健全性向上 OUTPUT 2 SXへの協創 OUTPUT 3 D&I経営の推進 OUTPUT 4 「総合的な経営力を通じて、幸福パラダイムの変革を図り、収益 力・競争力・ステータスを高める」 スチールサービス(SS)部門は、2025年から3カ年かけて、その ようなテーマを掲げて、自己変革を進めている最中です。 “総合的な経営力”とは、社員はもちろん地域社会や株主、他部 門やビジネスパートナーを含めた、あらゆるステークホルダーの方々 と、シナジーを最大限に発揮することを指します。 “幸福パラダイム”とは、単に自分たちの部門だけの収益をあげる ことのみで満足せず、お客さまには想定以上の機能価値をお届けし、 社員の成長や自律につながる。さらに、地域社会全体の豊かさにも つながる。そんな高い視座で幸せを実現する価値観です。 つまり、我々五十鈴と関わるすべての人、組織がより良くなるオー ルWin-Winの思想を具現化させようと邁進しているのです。 ここでは2025年度における変革の成果と進捗を、3つのポイント に分けてお伝えします。 まず、1つめは「五十鈴ファンの拡大」です。 コイルセンターのリーディング企業として、質の高い流通一貫最 適化プロデュース機能や効率的なサプライチェーン網を実現。ティ ア1メーカーをはじめとする様々なお客さまに、高度な機能価値を ご提供しているのは、例年と変わりません。 ただし2025年度は、その強みをさらに磨き上げてきました。たと えばサプライチェーン網は多くの企業に広がり、“協進”の輪をさら に広げてきました。かつては競合相手であった多くの商社・コイルセ ンターが、今や力強いパートナーとなり「どうすれば業界の価値をあ げられるか」と未来を創造する仲間になっています。 さらに、2025年4月、五十鈴グループは浜松鋼板加工株式会社 の全株式を取得し、同社をグループに統合しました。 これにより、グループ内で最大規模の工場が新たに加わり、生 産体制の強化とともに、より質の高いサービス提供が可能となりま した。 こうして提供する機能価値とサービスを向上させることで、お客 さまとのリレーションシップはさらに強固になっています。そして、こ の信頼と関係性をベースに、2025年度は、止まらぬ物価上昇の影 響が甚大である中、例年どおりの収益率を保つことができたことは、 広がり続ける協進の輪が、業界全体のために足並みを揃えられてい ることが背景にあると考えています。 加えてこの収益は、当社だけで閉じることなく、サプライチェーン や物流に関わるあらゆるパートナーや地域にも還元しています。も ちろん社員の給与にも反映されています。こうしてお客さま、パート ナー、地域など多方面から、当社に対して好意を持っていただき、 お客さまや業界全体、 そして社員を幸せにする変革 オールWin-Win思考を貫き、 収益力、競争力、ステータスを高める。 08 事業 を通 じ た 社 会課 題の 解決

“ファン”と思っていただけるような関係性が築かれはじめています。 オールWin-Winが具現化しはじめている証左だと感じています。 2つめは「全員参画経営の進化・ステージアップ」です。 五十鈴では、IOC(Isuzu Organization Change=五十鈴組織 変革)活動と呼んでいる、会社のビジョンを示し、それを形にする戦 略的な変革活動を続けています。それがグループの成長の強力な エンジンとなっているのは間違いありません。ただ社員一人ひとりの 視点からみると「会社のビジョンが自分の日々の行動にどうつなげ ればいいのか」つかみにくいこともままありました。 そこで、社員一人ひとりの自律性と参画意識を育むための仕組み を積極的に取り入れてきました。 たとえば「改善の森」と称して、社員一人ひとりの日常的な改善の 声を付箋に書いて掲示、オープンに改善アイデアを吸い上げ、推進 する仕組みを実施しています。以前から「協進の森」と名付けた、働 きやすさを磨くための職場環境づくりの取り組みはありました。これ によって事務所の改装や、工場の暑さ対策など、労働環境の改善 を実践させてきた経緯があります。「改善の森」ではさらに一段ギア をあげて、”働きがい”の向上に資する業務改善や価値創出の提案 を積極的にとりあげています。内容そのものはもちろん、全員参画 のムードを高めていくプロセスこそが重要だと考えています。 これは自律的で自発的な動きが、個々人およびチーム単位で直 実に広がっていると捉えています。 現に、各サービスセンター、営業所で「品質クレームゼロ」を目標 に活動し、実際、年間70%ほどクレームが減少したこと。離職率が 以前の半分以下になったこと。さらには地域をまたいでの人財リ ソースの流動化がスムーズにできはじめ、真にサステナブルなファ クトリーを維持できていること。これらは自律的な意識の醸成と、働 きがいの浸透があったからこそ、なしえたと考えています。 最後の3つめは「部門を超えた取り組みのバリエーションと活性 化」です。 オールWin-Win思想に基づいたグループ内外との信頼と連携。 働きがいを醸成させた自律的な社員たちの活躍。先述した2つの要 因が重なりあって、SS部門のネットワークを活用してソリューション (SL)部門やロジスティクス(LG)部門といった他部門との協創プロ ジェクトや活動がかつてないほど走り始めています。越境は、さらに 同業他社や異業種にまでひろがりつつあります。部門最適の発想に とどまらず、高い視座でグループや業界全体の未来のために動くよ うになっているのです。 こうした変化と成果が、外に向けた部門、あるいは五十鈴グルー プの魅力の伝播にもつながっていると感じます。友人や親族を紹介 する「リファラル採用」は目に見えて増えてきました。社員の働きやす さやポジティブなムードや社員の働き方をオープンに見せて伝える 「人企一体(人財と企業の成長が一体化した組織を魅せる)ショー ルーム」施策も大変好評です。何より「五十鈴と何かやってみたい」 「欠かせないパートナーだ」とステークホルダーの方々から認知いた だけていることは大きな進化であると捉えています。 鉄需要の減少や、不安定な物価、地政学的リスクなど、先行き 不透明な外部環境は確かにあります。しかし、周囲と幅広く連携を はかり、高い視座で、さらなる幸福パラダイムの変革を目指す。こ の体制を崩さず、進めることが、業界のステータスと未来を必ず良 き方向に進めると確信しています。 OUTPUT 誰しも自分ごととして動く、誇りあるチームに 「五十鈴のソフトパワー」が広がる状態へ TOPIC 浜松鋼板加工のグループ参画と 新たな価値創造 自動車向け鋼板加工の浜松鋼板加工が2025年4月より 五十鈴東海の完全子会社に。高い技術力と現場対応力が 加わり、生産体制が強化されました。今後はグループ全体 のシナジーを活かし、多様な価値創造に挑戦していきます。 人と企業の魅力を伝える ショールーム 製品やサービスだけでなく、働く人やその姿勢を見せる「人 企一体ショールーム」。同業他社にも広く公開し、積極的に 自分たちの取り組みを発信。いきいきと働く姿が、ファンづく りとブランド力向上につながっています。 現場発のアイデアを育てる 「改善の森」 SS部門や各社で設置する「改善の森」は、社員が課題やア イデアを付箋で共有する掲示板。実現した取り組みは“花” として可視化され、全員で成果を分かち合います。現場発 の声を起点に、全員参画経営を体現しています。 09

鉄鋼流通価値向上 OUTPUT 1 顧客の事業健全性向上 OUTPUT 2 SXへの協創 OUTPUT 3 D&I経営の推進 OUTPUT 4 五十鈴グループの次の成長を担う存在として、最も付加価値を 提供し、確固たる存在感を示していく必要がある――。 外部環境がめまぐるしく変わる昨今、ソリューション(SL)部門は そんな気概を強く持ち、邁進を続けてきました。 そのうえで、本年度掲げた部門のBHAG(部門を賭けた大きな目 標)は、「世界を舞台につなぐをつくる『データソリューションカンパ ニー』」です。 ここで言う“世界”とは、日本以外のグローバルを指すとともに、 メインフィールドだった鉄鋼流通業界以外の世界も指しています。 また“つなぐをつくる”にも複数の意味を込めました。「データと思 いをつなぐ」「人と企業をつなぐ」「過去と未来をつなぐ」。世界にあふ れる多彩なデータを集めて、色とりどりのソリューションを実現して いく企業へ、生まれ変わりはじめています。 そのようなSL部門の新生において、2025年度の主な取り組みと 成果を、3つに絞って紹介いたします。 まず1つめは、「点から面への転換」です。 コイルセンターのリーディング企業として長年培ってきたノウハウ やソリューションを、同業他社であるコイルセンターや鉄鋼流通業 界、重量物輸送業界などにサービスとして提供するのが、SL部門の 立ち位置です。ただこのサービスを、これまでは個社に個別に丁寧 にアプローチする営業スタイルを継続してきました。 これを一新し、個社の先に業界全体の業務改革を手助けする、 面にアプローチするスタンスへと変えました。「系列に関わらず、業 界全体のために貢献する五十鈴」。そんな認知をいただくための動 きへと変えてきたのです。 そのために意識したのは「原点回帰」です。そもそも我々SL部門 の強みは、国内有数のコイルセンターとして現場を持っていることで す。そのため、業務・生産・設備・システム・マネジメントなどのリアル な課題を知ったうえで、濃密なノウハウと知見をサービスに落とし 込むことができました。 言うならば「患者が医者になる」こと。同じ悩みや痛みをわかって いるからこそ、提供できる価値を“現場目線で具体的に提案できる” わけです。 昨年度は、同業のコイルセンターの方々に工場をご覧いただく機 会が増えました。我々の現場や事務所をショールームに見立て、実 際の業務の様子をそのまま見ていただきながら、それぞれの課題を 伺う。さらに、それに対する我々自身の取り組みやソリューションも、 飾らずありのままにお見せする。そうした活動を大切にしてきました。 「患者が医者に」という強みをよりオープンに活かしながら、この つなぐをつくるに、込めた思い。 原点回帰を起点に、「コイルセンターDX」を。 あらゆる「世界」へ拡張する データソリューションカンパニーへ。 10 事業 を通 じ た 社 会課 題の 解決

TOPIC 一年は着実に多くの同業のコイルセンターや商社の信頼を築いてき ました。実際、数十社のコイルセンターの方々にアプローチ。すでに お取引がはじまっている企業が数社あります。 またこうして各現場の課題と解決法を積み上げることは、鉄鋼流 通業界の貴重なデータの蓄積にもつながります。 この幅広く、極めて価値の高いデータをもとに、ソリューションを 磨きあげ、業界の発展に還元する。2026年度はこの潮流を「コイル センター DX」なら五十鈴というブランドにまで育てていきます。 2つめは「ロジスティクス・コンサルティングとマーケティングの強 化」です。 これまでグループの物流専門企業ワーレックス向けに開発した輸 送管理システム「AIR」を活用し、グループ内の輸送業務を効率化し てきました。AIRで蓄積したデータは、配車や安全管理、輸送管理、 労務管理などにも幅広く活用され、グループの効率的で安全な輸送 体制に寄与しています。 2024年問題による労働時間規制や輸送力不足が社会課題とな る中、こうしたノウハウはグループ外の輸送会社や荷主企業にとって も重要であると再認識し、この仕組みやシステムを提案するロジコン サルをはじめています。 もっとも「、AIR」は大規模なシステムとなるため、どうしても投資費 用がふくらむ弱点がありました。 そこであらたに「ロジブレイン」というシステムソリューションを開 発。ワーレックスが蓄積してきたロジ最適化のデータを活かしつつ、 AIも活用。SaaSとして安価に導入できるメニューを揃えました。 ポイントは「配送利益スコア」という、案件ごとの配送利益を可視 化できる仕組みを導入することです。これに基づいて取引先との運賃 最適化の交渉ができ、またその手助けをコンサルとして我々がお手 伝いできるようになりました。 物流を取り巻く法改正はさらに加速し、2026年には物流効率法 の本格施行もはじまりました。こうした制度変化によって生じる深刻 な社会課題に対し、その一つの解として捉え、今年度はさらに規模 や業界を問わず多くの企業に使っていただきたいと考えております。 そして最後が「、グローバルマーケットへのさらなるソリューション 強化」です。 株主であるメタルワンのグローバル戦略の推進に呼応し、五十鈴 グループとしても海外での支援を強化し、北中南米、東南アジア、イ ンドにおいて、SL部門の生産技術・業務・システム分野のコンサルと、 SS部門の現場操業支援が連携し、オール五十鈴のフォーメーショ ンで海外コイルセンター支援を展開しています。これにより、現地の 課題解決や品質向上に貢献し、グループ全体のシナジーを最大限 に発揮しています。 このように、2026年度は「、原点回帰」を真ん中に置きながら、自ら のバージョンアップを止めることなく続けていく。そして、あらゆる世 界へとひろげて、自社のみならず業界と日本の産業を押し上げていく。 現場力とデジタル技術を融合させ、社会やお客さまに新たな価値を 提供し続けるデータソリューションカンパニーへの道をつきすすんで いきたいと考えています。 OUTPUT 「コイルセンター業務変革ソリューション」 サイト開設 五十鈴グループが開発した「コイルセンター業務変革ソ リューション」は、現場の声をもとに業務を最適化し、業界 特化ソフトやデータ分析まで一貫して提供。モデル化した 仕組みをオープンに展開し、業界全体のDXと新たな価値 創造に挑戦しています。 物流DXプラットフォーム 「ロジブレイン」 ワーレックスが培った物流効率化ノウハウを、基幹システム 「AIR」から定額制SaaSへ展開。AI配車で最適ルートを導き、 配送利益スコアで収益構造を可視化。データを活用した 値下げ交渉コンサルも好評で、物流現場のDXを力強く後 押ししています。 オール五十鈴によるグローバル支援 サービスセンターの実務知見と、SL部門のコンサルティン グ機能を融合し、海外拠点の課題解決を推進。タイの工 場では事務所業務の調査・分析を行い、業務効率化を実 行。ブラジルの工場では現場に密着した操業支援で、安 定稼働に向けた改善活動を進めています。 AI×物流で現場を変える ――ロジスティクス・コンサルの進化 グローバル市場への挑戦と新たな価値創造 1 1

鉄鋼流通価値向上 OUTPUT 1 顧客の事業健全性向上 OUTPUT 2 SXへの協創 OUTPUT 3 D&I経営の推進 OUTPUT 4 ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)は、人手不足の解消や 持続的な成長、そしてイノベーション創出において欠かせない、 五十鈴グループにおける人的資本経営のベースとなる思想です。 とくに2025年~ 2027年の2nd中期は「『やりがい・働きがい』 の実現プロセスを通じ、共感や誇りを生み出し、新たな挑戦につな げていく」ことを旗印に、それを推進しています。 直近の2025年度を振り返ると、「社員一人ひとりが会社や業務 を通じて、自己成長を実感できる環境づくりができつつあること」を 実感しています。 そのうえで、昨年度、とくに尽力した施策をいくつか紹介します。 まずは「わが社理念に共感する採用活動の強化」です。 業界を問わず、人財採用が難しくなっているのは既知のとおりで す。だからこそ理念に共感していただき、理念を育んでいくための採 用・教育の体制を整備してきました。価値観の“芯”を揃えることで、 多様な人財がそれぞれの強みを発揮できると考えているためです。 具体的には、キャリア人財が早期に組織で活躍できるように用意 した「オンボーディング研修」を導入。これまで現場にゆだねていた 面が多かったオンボーディングを統一して仕組み化しました。「実 務・組織・人財・五十鈴」の4つのリテラシーを1年間、四半期ごとに 伝える教育プロセスを、体系的に実施しています。 昨年1年間、グループにはキャリア入社した人財が20数名いま したが、いまだ離職率が0。オンボーディングの効果も大いに寄与 していると自負しています。 昨年度、五十鈴グループは外国人社員の正社員採用に踏み出し ました。 技能実習や派遣という枠を超え、「共に働き、共に育つ仲間」とし て迎え入れる取り組みです。ビザ取得や制度設計といったハードル はありましたが、プロセスを整え、現在は2名のネパール人社員が 現場で力を発揮しています。日々の業務の中でも周囲と積極的に関 わりながら、職場に新たな気づきと刺激をもたらしています。 その活躍ぶりから、あらためて「優秀な人財に国籍は無関係であ る」と実感しています。国内のものづくり専門学校と提携し、今後 は採用の幅を広げながら、取り組みを加速していきたいと考えてい ます。 理念を、誰しもの“自分ごと”に。 制度×文化×経営――。 三位一体で、多様性と働きがいを形に。 多様な人財がつながり、 力を発揮するために。 12 事業 を通 じ た 社 会課 題の 解決

また、女性活躍の領域では、「WAW(Wake Up women.)プロ ジェクト」が象徴的な取り組みとなっています。女性社員一人ひとり の行動変革による覚醒をきっかけに、五十鈴グループ全体の組織 変革の輪をひろげ、新たな価値を創造しようという取り組みです。 20 ~ 30代の女性社員20名強が集まり、7ヶ月にわたり、具体 的な企業経営改善の提案について議論を重ね、実際に提案を行い ました。 この活動は、単なる意見聴取にとどまらず、提案を起点とした実 行と改善のフェーズへと進み始めています。小さな挑戦と対話を重 ねることで、現場起点の変革の芽が着実に育ちつつあります。 「キャリアメンター制度の運用強化」も、昨年度に注力した施策の 一つです。 従来、メンターとメンティーは、同じ会社(拠点)や部署で生まれ る関係性が一般的でした。しかし、2025年度からは、グループ内の 部門や会社の枠を越え、社員同士でメンター/メンティーの関係性 を構築しています。メンターからの指名、あるいはメンティーからの 逆指名も含め、自ら手を挙げればマッチングが可能となる仕組みを 導入しました。 入社間もない社員が、別グループの社長とメンター/メンティー の関係になる、といった例も生まれています。刺激的な学び合いの 機会となるのはもちろん、部門を超えたタテだけではないヨコやナナ メの交流が、新たなD&Iを育む起点となることも期待しています。 小さな取り組みではありますが、社内のポジティブなムードを高 め、「やりがい・働きがい」に寄与した施策が2つあります。 1つは、「ミキワメ」の導入です。 ミキワメは、AIを活用したウェルビーイングサーベイで、2025年 度から全社で導入しました。日常的に社員一人ひとりのメンタル状 態を定量的に把握し、状況に応じたフォローを行えるようにしてい ます。心身の健康状態の維持・向上に寄与する取り組みとして社員 からも好評で、五十鈴グループが全拠点で健康経営法人の認定を 継続していることにもつながっています。 2つめは、「賞賛の文化」の推進です。 五十鈴グループは、持続的な成長に向け、変革への挑戦を続け ています。その一方で、新規事業やイノベーティブな取り組みに限 らず、日々の業務改善や職場環境づくりなど、目立たない領域で力 を尽くす人財も多くいます。そうした一人ひとりの取り組みに光を当 て、賞賛し、称えるカルチャーを育んできました。 たとえば、朝礼の場で感謝の言葉を伝え合う時間を設けたり、拠 点によっては掲示板にメッセージを掲示したりしています。また、グ ループ内の他社や他拠点の役員が現場を訪れ、取り組みを直接見 て称える機会も設けています。こうした積み重ねにより、互いの良い ところを認め合い、前向きな声が広がる風土を醸成しています。 こうした取り組みが複合的に実り、昨年五十鈴グループがGreat Place To Work® Institute Japan(GPTW Japan)の「働きがい のある会社」に認定されたのだと実感しています。 「会社は本気で変わろうとしている」 こうした施策を走らせてきたことで、社内にその意識が着実に広 がっている手応えがあります。2026年度は、この動きをさらに確か なものとするべく、それぞれの取り組みを継続させながら、バージョ ンアップしていきます。今後も制度×文化×経営、三位一体となって 「やりがい・働きがい」を促進させていく所存です。 TOPIC OUTPUT WAW(Wake up, women.)で広がる 女性社員の挑戦と成長 女性社員一人ひとりの成長や行動変化を起点に、現場の 課題を仲間と共有し、経営テーマへの提案に挑戦する WAWプロジェクト。若手は“みらいの五十鈴”を描き、中 堅は7カ月かけて提言を発表。世代を越えた挑戦が会社 の変化を後押ししています。 拠点を越えて広がる キャリアメンター制度 五十鈴グループでは、従来のインストラクター制度に加え、 拠点や部門を越えてメンターを選べる「キャリアメンター制 度」を導入。価値観の合う先輩を“逆指名”できる仕組みや、 1on1の対話を通じて、若手社員の成長と多様なキャリア 形成を後押ししています。 「ミキワメ」で心の状態を見える化 AIを活用したウェルビーイングサーベイ「ミキワメ」で、毎月 社員の心の状態を見える化。晴れ・曇り・雨といった変化を タイムリーに把握し、必要なケアや面談を実施。社員に寄り 添う環境づくりを、全社で進めています。 「賞賛」する文化を醸成する。 13

五十鈴グループ初開催 ファミリーデーを開催しました! 2026年2月23日と4月29日、五十鈴グ ループでは初の試みとして、SS部門の各 サービスセンターおよび本社・SL部門にて ファミリーデーを開催しました。当日は社員 のご家族を中心に計189名が来場し、各拠 点で職場見学や体験企画が行われました。 日頃働く姿を実際に見ていただくことで、ご 家族に「安心」と「誇り」を感じていただくとと もに、五十鈴の魅力を身近な人に知ってい ただく機会になりました。 初開催ながら多くのご家族にご参加いただ き、各拠点で好評を博したファミリーデー。 社員一人ひとりの声かけと準備があってこ そ実現した取り組みであり、五十鈴グルー プの「人を大切にする」姿勢を体現する機会 となりました。今後もこうした取り組みを継 続し、社員とご家族にとって誇りの持てる会 社づくりを進めていきます。 ISUZU GROUP FAMILY DAY 太田・小山SCでは、「皆Family!」を合言葉に、 ご家族だけでなくお子さまやご友人も招き、にぎ やかな一日となりました。各拠点では現場見学 や体験を通じて交流が生まれ、「会社の雰囲気 が良く安心した」「実際に働く姿を見ることができ て良かった」「また参加したい」といった声が寄せ られました。 五十鈴関東では 大和・青梅・富士SCでは、オペレーター体 験やクレーン・トレーラー乗車、スタンプラ リー形式の見学など、現場ならではの企画 を実施しました。 実際の設備や作業に触れる中で「、いきい きと働いている様子が伝わった「」丁寧に 仕事をしているから安心できる」といった 感想が聞かれました。普段とは異なる視 点からの気づきも生まれ、現場にとっても 学びのある機会となりました。 五十鈴中央では 安城・岐阜・浜松・浜松鋼板では、各SCで見学や交流の機会 を設け、多くのご家族にご参加いただきました。 当日は長野からお母さまと妹さんが来場され、「実際に働いて いる様子を感じることができて安心した」といった声が寄せら れました。普段とは異なる視点からの気づきも生まれ、社員に とっても自らの仕事や職場を見つめ直す機会となりました。 五十鈴東海では 本社・SL部門では、会社紹介や社長体 験、名刺交換、宝探しなどの企画を実施 しました。 当日は社長室での記念撮影や酸素ボッ クスの体験なども行われ、「また来たい」と いう声が元気に寄せられるなど、賑やか な時間となりました。普段とは異なる視点 からの気づきも生まれ、社員にとっても 家族とのつながりや職場の魅力をあらた めて実感する機会となりました。 本社・SL部門では 14

CORPORATE GOVERNANCE COMPANY PROFILE 会社概要 コーポレートガバナンス 会計監査人 最高経営責任者 (CEO) 最高財務責任者 (CFO) 最高執行責任者 (COO) 最高リスク管理責任者 (CRO) 最高情報責任者 (CIO) 環境 委員会 ソーシャル 委員会 ガバナンス 委員会 スタートアップ 委員会 技術力開発 委員会 ビジョナリー 委員会 デジタル 委員会 スチールサービス部門担当 / ロジスティクス部門担当 / ソリューション部門担当 / ライフサービス部門担当 最高マーケティング 責任者(CMO) 最高コンプライアンス 責任者(CCO) 最高人事責任者 (CHRO) 最高戦略責任者 (CSO) 監査役・監査役会 株主総会 取締役会 各社拠点長及び経営管理者 執行役員会 情報開示 チェック監視 戦略立案執行 環境に密着した マネジメント 五十鈴株式会社 社名 〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-2-1 岸本ビル 本社 所在地 03-5219-5011 TEL 03-5219-5024 FAX 6億円 資本金 1947年(昭和22年)1月 創業 1952年(昭和27年)1月 設立 鉄鋼の中でも、薄鋼板の取り扱いを中心とした専門商社。自動車・家電・OA機器等に 活用される素材を供給する商社であると同時にメーカー機能(鋼板加工)を自社で保有 し、独自の技術力・ノウハウ・サービスをお客さまに提供している。 営業品目 881人(グループトータル)※2026年3月現在 社員数 日本製鉄株式会社、JFEスチール株式会社、株式会社神戸製鋼所、他 メーカー 株式会社メタルワン、三井物産株式会社、三井物産スチール株式会社、日鉄物産株式会社、 伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社、豊田通商株式会社、JFE商事株式会社、他 仕入先 株式会社メタルワン・サービスセンター・ホールディングス、日本製鉄株式会社、 株式会社MSアセットマネジメント 主要株主 三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行、他 取引銀行 毎年3月末日 決算期 15

ビジョナリレポート2026 発行:2026年6月(年1回発行) 発行元:五十鈴株式会社 企画・編集:株式会社アイ・コミュニケーションズ https://www.isz.co.jp いつでも どこでも あたらしい 五十鈴グループ

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