五十鈴グループビジョナリーレポート2026

CEO MESSAGE 点でゼロを達成した月は、これまでになかった到達です。 その起点にあるのは、日々の仕事の質を高め、愚直に積み 重ねる「凡事徹底」です。 「年間のクレームをゼロにする」と聞くと、到底、なしえない 大きな目標に見えるものです。しかし、1日単位でみたら「ク レームがゼロだった日」はすでに何度もありました。 ここに目を向けるよう、目線を揃えました。「クレームゼロの 1日」を「毎日積み重ねる」。そんなポジティブな考え方が、現 場の共通認識として浸透し、一人ひとりの行動を少しずつ変 えていきました。凡事徹底を積み重ねた、結果だと感じてい ます。 組織的な成長も、この取り組みを力強く後押ししました。 ここ数年、人事制度の改善や工場の暑さ対策をはじめ、 「働きやすい環境」づくりを継続してきたことで、離職率は大 きく低下しました。意欲あるメンバーが、それぞれの力を発揮 しやすい土台が整ってきたと言えるでしょう。 業務品質における定量的な成果が示されたことで、自然と モチベーションは高まりました。「凡事徹底はあらゆる領域で も活かせるはずだ」「さらに自分たちは力を発揮できるはずだ」 という前向きな実感につながり、ワクワクしながら仕事に向き 合うメンバーが増えています。こうしたポジティブなムードの 広がりを、日々感じています。 そして、これが2つめの成果である、Great Place To Work® Institute Japanによる「働きがいのある会社」認定 へと結実しました。 GPTWは世界約170ヵ国で実施されている世界最大級の 従業員意識調査において認定が決まります。申請から2年目 で認定に至るのは異例だと聞いています。「やりがい、働きが いを楽しく創るビジョナリーカンパニー」を掲げ、働きやすさ の整備、人財の定着、現場力の向上に取り組んできた歩みが、 品質や組織力の向上と地続きで結びつき始めている。そんな 確かな手応えを得られた一年でした。 2026年度、私たちが掲げた基本方針は「真価の発揮」で す。2025年度を通じて、一人ひとりの中に芽生えた「志」や 「働きがい」は、確かな手応えとなりつつあります。しかし、そ れらが組織の力として十分に発揮されているかといえば、ま だ途中段階にあると考えています。本当の意味で価値が発揮 されるのは、これからです。 これまで培ってきた強みをあらためて見つめ直し、「足りな い部分」を埋めることに注力するのではなく、「すでにできてい ること」「発揮できている力」の質をさらに高めていく。その挑 戦の積み重ねこそが、一人ひとり、ひいては組織全体の真価 を引き出していくと考えています。 その真価は、社内にとどまるものではありません。私たちが 目指しているのは、自社だけが成長することではなく、鉄の流 通を支える企業として、日本のものづくり産業全体を元気に していくことです。その考え方を象徴するのが、「ファン戦略」 です。 売ることを目的にするのではなく、お客さまにとって本当に 役に立つ存在であることを追求する。その結果として信頼が 生まれ、選ばれ、やがてファンになっていただく。こうした関 係性を、社員一人ひとりが実感を持って築いていくことが、 五十鈴グループの成長につながると考えています。 ファンづくりはお客さまだけにとどまりません。同業他社や パートナー企業との連携、さらには業界を越えた多くの企業 や団体との協働も、こうした信頼の延長線上にあります。価 値を囲い込むのではなく、価値が集まり、広がり、循環してい く「場」としての役割を果たしていきたいと考えています。 あわせて、2027年1月に予定している次期基幹システム の本格稼働に向け、準備を進めているところです。言うまで もなく、システムは目的ではなく、社員一人ひとりがより価値 の高い仕事に集中し、強みを発揮するための「手段」です。業 務と意識の両面から土台を整え、真価を発揮するための環境 づくりを進めています。 こうした取り組みを通じて、私たちは人と組織、そして関 係性の在り方そのものを進化させていきます。そしてその進 化は、社内外の多くの人との関わりの中でこそ、その価値が 発揮されると考えています。 最後に、株主、お客さま、社員、地域社会をはじめとする すべてのステークホルダーの皆さまとともに、共に成長し、共 に進化していく。2026年度は、その姿勢と覚悟を、具体的 な行動と成果で示していく一年にしていく所存です。 芽生えたポジティビティを胸に、 "真価”を発揮するとき。 代表取締役社長 鈴木 勝 真価の発揮、その先へ 05

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