五十鈴グループビジョナリーレポート2023

2023

ビジョナリーレポート発行に寄せて 五十鈴は「ビジョナリーカンパニー」を目指しています。 ビジョナリーカンパニーとは、「揺ぎない理念を実践することで、 時代を超えて常に組織として成長・進化していく企業体」であり、 五十鈴流に言えば、「気分よく働け、業績がよく、自己成長できる会社」です。 2021年度からは、新たなビジョンを掲げ、新たな挑戦がはじまっています。 新しい時代の未来社会に向けて、ステークホルダー及び多種多様なパートナーと共に、 みんなの夢をみんなで自己実現し、創業者精神である「必要な存在」であり続けたいと考えています。 「ビジョナリーレポート」は、ビジョナリーカンパニーを目指す私たちの意志のもと、 近年の五十鈴グループの進化やパートナーとの協創・協進の取り組みの軌跡を整理したものです。 本レポートを通じて、私たち五十鈴グループについて、ご理解とご興味を深めていただける機会になれば幸いです。 ※「ビジョナリーカンパニー~時代を超える生存の原則~」ジェームズ・C・コリンズ/ジェリー・I・ポラス(日経BP社) 2023 1

五十鈴グループは、1952年の設立以来、鉄鋼メーカー・商社・自動車関連等お客さまとの協働で 鋼板流通ビジネスを展開し、常に時代に先駆けてイノベーション(変革)し続けました。 2010年代からは、コイルセンターから「サービスセンター」へ、そして「バリューセンター」と業態・ 業容を変貌・拡大し、「全員参画経営」で新たな価値を創造し続ける企業体としての進化・成長を 図ってきました。 2021年度からは、新たな10年ビジョン「I-Society X」を始動させ、未来社会に向けて、これま でのケイパビリティを拡大し、多種多様なパートナーと共に「未来社会創造企業」としての挑戦を はじめています。 「ビジョナリーレポート2023」で は、未来社会創造企業として、既存 の組織の枠を超え、グループ全体で 社会課題・テーマに向き合い、株主や お客さま、そして多種多様なパート ナーと共に、より良い社会に向けた価 値創造に挑む私たち五十鈴グループ の取り組みの一部をご紹介します。 ビジョナリレポート2023は… CONTENTS P1 P3 P5 P9 P10 はじめに CEOメッセージ 走り出した、「第三の創業」。 これからの時代のビジョナリーカンパニーを全員参画で築いていきます 特集 より良い未来社会を目指す五十鈴グループの挑戦! 1.安全・安心・快適なロジスティクス環境をつくる 2.みんなにやさしいECO環境をつくる 3.鋼板流通DXで業界の新常識づくりを 4.マルチステークホルダーと共に拡げる地域貢献 ~新たな事業を生み続ける五十鈴グループの事業創造プロセス 五十鈴グループサービス展開へ!(五十鈴商品ラインナップご紹介) 五十鈴グループの新たな人財開発(IHC)が始動! 事業概要 P10 2

新しいグループ経営チーム体制で「第三の創業」をス タートして1年が経過しました。エボリューション経営(=進 化経営)の入口となるサステナブル基盤を構築していくた めに、透明性やスピード感あるグループ経営の新常態をつ くりあげることを意識して活動してきました。 資材高騰などのインフレ環境や、厳しい事業環境が続く 中でも、しっかりと利益が出せる体質に変革しなければ、サ ステナブル基盤を固めたことにはなりません。また、企業体と して永続していくためには、コンプライアンスをしっかりと遵 守し、信用・信頼を得られる状態を維持することも必須です。 さらに、一緒に働いている役職員が気分よく働ける職場環 境を整備していくこともサステナブル基盤に含まれていると 考えています。 こういったサステナブル基盤を整えた上に、社員のやりが い、働きがいを楽しく創る活動が溢れ、企業としての成長シ ナリオと個人の成長がシナジーすることで新たな価値を創 発していくのだと思っています。 2022年度の基本方針は「企業ドメインの拡大」、キャッチ フレーズを「Make a Difference」として、グループの事業領 域を未来社会にも通用する事業領域へ拡大することを 狙って活動してきました。世の中・社会に良い影響を与え、 他社との違いが魅せられる企業ドメインは何かをみんなで 考え、ステークホルダーとの「協進」を進めながら、利益体質 を更に強化し、社員一人ひとりが活躍するフィールドを広げ ていくことを狙って実践行動に繋げてきました。 各社が価値創造を進めていたステージから、所属概念を 越えたグループ共通の取り組みが増えたことで、社員一人 ひとりの組織への貢献領域が飛躍的に広がりました。また、 越境領域への挑戦や、デジタル化、環境への取り組みを通 じて、事業ドメインが着実に拡大しました。「協進の森」活動 によるオフィスリニューアル等の職場環境整備により、ハピネ スやワクワク感を醸成する、オープンなコミュニケーションへと 進化してきています。 走り出した、「第三の創業」。 これからの時代のビジョナリーカン 「第三の創業」まずは サステナブル基盤構築を目指して CEO MESSAGE 代表取締役社長 鈴木 勝 3

2023年度の基本方針は「進化の新化」、キャッチフレーズ は「パラダイム・チェンジ」です。昨年度、グループ全体への参 画が増えてきたことを活かしながら、重層的な営業を展開す ることでお客さまや株主、ビジネスパートナーとの協進領域を 創出しながら、更なるグループシナジーを発揮していきます。 多くの新たな挑戦を継続していくためには、組織的な余 力・余白・余裕がなければ実現できません。デジタルによる効 率化や業務の断捨離を断行し、意図的な余力づくりを推進し ていきます。また、オープンでフラットな雰囲気を大切にして、こ れまで以上に応援・伴奏・伴走の規範を浸透させ、ハピネス やワクワクが増幅する組織へ進化していきます。 このような狙いを着実に実現するために、今年度から五十鈴 グループのマネジメントシステムをリニューアルしました。 ひとつは、各部門戦略の策定とグループHRM(ヒューマン・ リソース・マネジメント)の推進です。これまでグループ方針を ベースに各社単位で方針を策定し、人財戦略についても原則 各社で行ってきましたが、部門単位、グループ単位で戦略策 定・実行ができる体制を整備しました。部門戦略を着実に実行 していくことで、より総合力を発揮し、競争力を向上していきます。 もうひとつは、これまでのCSR推進体制を「サステナビリティ 推進体制」にリニューアルし、大幅に増強いたしました。グルー プ企業として永続・持続していくための基盤を整備すべく、執 行役員を委員長とする7つの委員会を設置し、グループ横断 でサステナブルな基盤整備を推進していきます。 以上のような新しい体制で新たなプロセスをグループ全体 で創り上げ、これまでの進化とは次元の違う「進化の新化」を 目指し、圧倒的なパフォーマンスとスピード感を実現し、やり がい、働きがいやエンゲージメント向上に繋げていきます。 五十鈴グループは、これまで理念や創業者精神を大切にし、 ビジョナリーカンパニーを目指して進化を続けてまいりました。ビ ジョナリーカンパニーを目指して進化を続けていくこと自体に変 わりはなく、また終わりはありません。 新しい時代の未来社会に向けて、ステークホルダーや多様 なパートナーと共に、これからも驚くような進化を魅せていくこ とで、ステークホルダーの皆さまや未来社会に必要な存在と して貢献していきます。 パニーを全員参画で築いていきます グループ総合力で「進化の新化」を実現する 取締役会 CEO 執行役員会 ビジョン実現委員会 環境委員会 委員長:本郷執行役員 ソーシャル委員会 委員長:新川執行役員 ガバナンス委員会 委員長:宮川常務 デジタル委員会 委員長:瀬戸常務 スタートアップ委員会 委員長:瀬戸常務 技術力開発委員会 委員長:岩品執行役員 ビジョナリー委員会 委員長:小原執行役員 サステナビリティ推進体制 戦略会議 HRM会議 サステナビリティ推進事務局 事務局長:宮川常務 グループ経営戦略や各部門 戦略の立案、人財戦略や人 材流動化など企画と調整 グループ長期経営計画の達成に向けたステアリング (中期、単年度の戦略課題への落とし込みおよび 各委員会の調整) ■ カーボンニュート ラル ■ 3R ■ 働きやすい職場 環境(DE&I、ワーク ライフバランス、安全、 健康) ■ 品質(SX、VC、SS) ■ 地域コミュニティ ■ ステークホルダー リレーション ■ SDGs ■ コンプライアンス ■ リスクマネジメント (内部統制、BCP) ■ 情報セキュリティ ■ 省築培 ■ デジタル人財 ■ 次期ATOM ■ DX(データドリブ ン、AI研究開発) ■ 新規事業創造 ■ アントレプレナー 育成 ■ メディア戦略 ■ 新素材開発 ■ 素材加工技術 ■ 技サとの連携による 技術力(現場力) 開発 ■ やりがい働きがい ■ 教育体系 ■ 五十鈴イズム 五十鈴グループサステナビリティ推進体制 4

より良い未来社会を目指す Ongoing initiatives グループ内に輸送会社ワーレックスを有し、長年の鋼材 物流・輸送の経験から、現場での研究開発・実証実験を 重ね、安心・安全かつ働きがいのある魅力的なロジス ティクス社会の実現を目指しています。 安全・安心・快適な ロジスティクス環境をつくる 自動車部品サプライチェーンを可視化する リアルタイム・パレット検知システム「n-system」 喫緊の社会課題となっている「物流2024年問題」。私たちが携わる重量物物流業界は従来 からドライバー不足や労働環境の改善の遅れが深刻化し、2024年問題への対応力が業界の サステナブルなサプライチェーン確保にとって最も大きな課題となっています。 五十鈴グループのみならず株主メタルワングループ薄板事業のロジスティクスを担うワー レックスには2024年問題を自分達の職場で解決すべく取り組んでいる実績やそのノウハウが あります。そこで広く業界全体に現場感ある体系的なコンサルティングを展開することで重量 物物流のサステナビリティ基盤の確保に繋がると確信しています。 ワーレックスの強みである200台超の保有車両管理とドライバーの労務管理ノウハウや 仕組みを活かし、現在、中小運送業者や株主の物流運営に対して運送会社経営に関するコンサ ルティングを展開しています。「2024年問題に対する自分達の現状や影響が全く分からない、 把握できない」という現場の声も多く聞かれ、そのニーズの高まりを実感しています。既に簡易 アンケートを入口に、詳細ヒアリングまでの診断サービスの展開がスタートしています。 今後は、この2024年問題に焦点をあてた診断からソリューション提供まで、より体系的なロ ジコンサルの展開を広く業界全体に進め、荷主を巻き込んだ適正かつサステナブルな労働環 境整備によって、より強靭なサプライチェーン構築の一翼を担っていきます。 五十鈴グループでは、自動車部品Tier1メーカー様の過剰な生産、過剰な在庫、過剰な輸送の可 視化~最適化を実現するTier1メーカー様の物流容器向けRFIDパレット検知システム 「n-system」を開発しました。物流容器(パレット)の循環管理及び、その所在管理のリアルタイム データを収集・蓄積し、分析・提供することによって、部品物流の合理化と在庫削減を実現し、自 動車部品産業の新たな競争力の源泉となるデジタルサプライチェーンの構築を目指します。 このシステムは、自社工場の五十鈴関東小山サービスセンターを実証現場として、鋼材搬送 用スキットの管理にRFIDを導入し効率化を図ったことを契機に開発したもので、現在はトヨタ 圏Tier1メーカー様の工場へ実装展開しています。お客さま固有の物流環境に合わせ、リー ダーやタグの選択や取付方法、ソフトウェア設計などの最適な組み合わせを構築し、実装から 現場での運用定着、効果出しまでの一貫をパッケージとして提供する統合型物流DXソリュー ションのモデル化が進んでいます。 自動車部品メーカー様の工場でのRFID実装展開のはじめてのケースであり、この成功モデル を広くTier1メーカー様へ横展開することで自動車部品のデジタルサプライチェーンを構築し、 Tier1様の競争力向上へ貢献していきます。 運行管理者による「現場」と「実績」に根差した リアル・ソリューション 「物流2024年問題」にリアル実践ノウハウで対応支援 輸送業の競争力向上へ 5

五十鈴グループの挑戦! Ongoing initiatives 「もったいない」からはじまる、 地域協働での環境への取り組み 五十鈴中央では「、もったいない」をベースに、限りある資源を大切にする社会づくりに向けて、様々な技術 を組み合わせることで、廃棄資源を再資源化し、新素材・商品を社会へ実装させていく「環境対応企業」を目指 しています。 富士市の「ふじのくにCNF総合展示会」出展をきっかけに、お客さま・地域で発生する廃棄物の再資源化及 び新商品開発のご相談を多くの企業からいただきました。 食品会社からは、ペットボトルのお茶で発生する茶殻の処分に困っており、お皿やフォークなどのカトラ リーに茶殻由来のバイオマスプラスチックを活用できないかとの相談を受け、五十鈴東海のMF融合装置を 活用した商品開発をご提案しています。 また、工作機械メーカーからは、自社の射出成型機の可能性をPRする支援を受け、田子の浦漁港に漂着す る海洋ゴミを回収、洗浄、粉砕、混錬し、海洋漂着物由来の樹脂素材の開発に繋がり、同社の販促活動が始 まっています。 この取り組みをきっかけに、新たなSDGsへの貢献として、静岡の海に漂着するプラごみを回収し、素材や 商品へ再生させていきながら、きれいな海への再生に向けた人々の関心を高めていきたいという私たちの思 いが高まりました。今後は、この思いに共感いただけるパートナーと共に、富士サービスセンターの「ゼロカー ボン工場」化を同時に進めていきながら、地域社会のサーキュラーエコノミー推進にさらに貢献していきます。 製造業における3R活動は持続可能な社会の実現に向けてますますその重要性が高 まっています。 五十鈴グループでは、鉄、非鉄、樹脂など複合素材を対象にした重層的な水平リサイ クルスキームを築くことを目指し、オフィス家具業界のリユースを足掛かりに、鉄の循環 スキームの構築から始まり、最近では鉄のみならず非鉄も同様の水平リサイクルをすべく 各素材メーカーに戻すスキームの開発を進めています。 また、物流梱包材の産廃削減や自社のプラスチック製品の水平リサイクルを一次使用し たプラスチック部材の水平リサイクルを行い、メーカーとの新商品開発を進めています。こ のような活動により環境負荷CO₂をどれだけ下げられるか?その効果測定を大学研究 室、オフィス家具メーカー、その他ビジネスパートナーと産学連携で研究を進めています。 リサイクルの関心はどの業種・業界においても共通です。そこで、自動車部品や建機分野のお客さま と共に、物流現場で発生する廃プラスチックを水平リサイクルし、またお客さまが使用するプラスチッ ク資材に戻す循環スキームを開発。店舗では、店舗解体や入れ替え時に発生する鉄鋼系部材、店舗什器 を中心にリサイクルを実施し、店舗全体の循環スキームの開発をお客さまと共に進めています。 これら循環スキームを通じて、産業廃棄物の削減と処理コストの削減、LCA(ライフサイクルアセス メント)を見た時のCO₂排出量削減の効果を感じていただいており、更なる複合素材を対象にしたプ ラットフォーム化を通じて、社会・お客さまの環境課題に貢献していきたいと思っています。 日本の国内総生産の約20%を占める製造業界。産業廃棄物 やCO₂排出の削減等は製造業に関わる全ての企業・組織 の喫緊の課題です。お客さまとビジネスパートナーと共に 様々な循環(商品・サービス)を生み出し、持続可能な社会 づくりを目指しています。 みんなにやさしいECO環境をつくる さらに拡がる3R(リユース・リデュース・リサイクル) 循環スキーム 6

より良い未来社会を目指す 五十鈴グループの挑戦! Ongoing initiatives 鋼板流通全体のDX化にむけた 「i-Link X」開発始動 鉄鋼メーカーや商社の垣根を越えた流通最適化を図るDXを実現するため、株主メタル ワン様では業態変革プロジェクト「QOLABO」を推進しています。また、三菱商事総合素 材グループ様でもタスクフォースを推進している中、コイルセンター業界で認知を得てい る五十鈴に声がかかり、3社で協働することになりました。 昨年は、ベル・インフォ・テック(BIT)がリーディング役となり、グループ各社メンバーが プロジェクトに加わり、生産現場の声を直接伝えながら、要件整理やシステム環境構築支 援を行ってきました。 今年は形となったアルゴリズムの結果をグループ内で協議・評価を重ねています。 板取アルゴリズムでは、五十鈴東海安城サービスセンターを中心に汎用的に利用でき るモデルを開発し、五十鈴中央大和サービスセンター及び五十鈴関東太田サービスセン ターを巻き込みながら機能のブラッシュアップを図っています。 配送アルゴリズムではワーレックスの安城営業所、岡崎営業所でモデルを開発、他営業所にも展開出来るようにブラッシュアップすると共に経営イン パクトについても株主と議論を行っています。 QOLABOと並行して五十鈴内でも次期基幹システムの構想をBITとデジタル委員会メンバーで検討開始しており、次期基幹システムがメタルワング ループの標準システムとして導入出来るように株主に寄り添いながら進めています。 五十鈴グループでは、鉄鋼メーカー・商社・ユーザーとの協働によって鉄鋼流通全体の 一貫最適化を目指しています。企業間の連携を深めて、人の判断や管理が極力必要のな い状態を目指し、情報精度の向上とコスト削減の実現を目指しています。 今年度から流通一貫最適化の実現に向けたシステム「ⅰ-LinkX」の開発が具体化し、8 つの機能のうち今年6月に2つの機能を立ち上げ、残りは今年中に順次立ち上げを予定し ています。 製造所からは「在庫を減らす」「工数を減らす」リアルな取り組みとして受け止めていた だき、「ⅰ-LinkX」の各機能は製鉄所の効率化に直結する事柄なので、早く立ち上げて欲 しいというご要望をいただいています。 機能発揮には一部詳細データが必要なところがありますが、データ精整を検討いただ き、これまでの企業間のやりとりについては人で管理・確認することが多かったものから、今回の取り組みではデータを連携させ確認業務を減らす、仕事 の仕方を変える方向で製鉄所と議論を重ねています。これまでは私たちからの提案が多かったのですが、現在は私たちの取り組みを理解いただいたこと で、製造所の改善に活用する流れが出来てきました。 この「ⅰ-LinkX」を通じて、五十鈴や流通に関わるお客さまとの現場感を融合し、関わる方々すべてにメリットが得られるDX化を実現していきます。 創業以来、鋼板流通マーケットの中で、加工・販売にとどまること なく最適鋼板流通サービスを追求しています。その現場ノウハウを 活かし、株主である商社・鉄鋼メーカー・お客さまとのDXを加速 し、鋼板流通の新最適を目指しています。 鋼板流通DXで業界の 新常識づくりを 株主業革プロジェクトへの 五十鈴グループ各分野・各社の参画が加速 7

多様な価値観の拡がりと共に社会そのものが変化している中で、 マルチステークホルダーとの協働がますます重要です。 行政やNPOその他公的機関等、様々なパートナーとの繋がりを深め ていきながら、その繋がりをコミュニティパワーにして未来社会づくり へ貢献します。 マルチステークホルダーと共に 拡げる地域貢献 Ongoing initiatives 現在日本では、教育施設の老朽化や廃校の課題を抱えており、思い出の建物や地域のシンボルなどを撤去せ ざるを得ない状況となっています。これは子供達の地元への愛着の希薄にも繋がり、地方人口減など、社会課題 にも影響を及ぼしています。 そこで五十鈴中央では、3Dデータとして残しデジタルアーカイブができるプロセスづくりを行い、地域の歴史 や思いを後世に伝えると共に、デジタルを通じて新しい体験や繋がりを提供しています。 ファブレス営業で培った協力会社との3D測定技術を生かし、地域のシンボルでもあった撤去される小学校の 大型すべり台の3D測量を行いデータ保存しました。さらに関係者が手軽に見られるようにデータを軽量化し、 QRコード経由でスマホからでも3Dデータが見られるようにしました。 また、「昔と未来を繋ぐ」をコンセプトに、このデータを用いて同校にデジタル技術を用いた課外授業を提案実 施しました。このすべり台が地域の人達の寄付で設置されたという昔の人の温かい思いを伝えると共に、ARや ホログラムの最新技術を体験してもらうことで、小学校のOBや課題授業を受けた子供達から「形を変えて思い 出が永遠に残る」と大変喜ばれました。学校側からは「民間企業の力を継続的に教育に生かしていきたい」と打 診をいただき、本年度も同校で継続して授業を行っていくことになりました。 一連の取り組みは世間からの関心も高く、全国の複数のメディアに掲載され、市内では今年度新たな小学校と もデジタルを入口とした地域教育の取り組みを行う予定です。デジタルを入口に新たな価値を提供していくこの 取り組みを、全国に拡大させていき、地域貢献、地域活性化に繋げていきたいと思っています。 五十鈴グループは「みんなの夢をみんなで自己実現する企業」を目指していま す。そのため、社員一人ひとりが持つ、解消したい「不」や実現したい「夢」を事業 創造の芽としてグループ全体で支援し育て、次々と新たな事業や起業家を生み 続ける仕組みやプロセスがあります。 初年度2022年度は、2つの事業創造ワーク ショップを立ち上げ、既に新規事業候補として認 定したプロジェクトの推進と自らのWillのもとゼ ロから事業を創造してみたいと志願した社員に よるプロジェクトの2つを展開しました。年度末の 「グループピッチコンテスト」では、推し活専用旅 行代理店「&Fanfun」がグループの新たな事業 候補として選ばれました。今年度も“五十鈴 らしさ”を活かした事業創造を意図し、様々な ワークショップがスタートしています。 新たな事業を生み続ける五十鈴グループの事業創造プロセス !"!#$%&'()*+,-./01 !" #" $" %" &" '" ()" ((" (*" (" *" +" !"#$%&'()*+),) -./01/234 5"#$%&'6789) 1:;<=;/>?@ ! " # $ % & ' ( ) * + , - . % & ' ( ) * + , !"#$%&'()** ()**+,-./012345678 ! " # $ % & ' ( & ) * !"#!$% &'() *+,% -. + , - . / 0 $/012 13,%345 A<BCDBEFG HIJK1:LMNBOPQ / 0 / 1 !"#$%&$%'()#*+# 9:;<=>=?@AB? ,-./0123456785619:;<=>?@ABCD !E"%&FGHI%J$ KLMN;OP=QRST9UVWX/Y;Z[;\]014/^_]`abZcdef 2 3 4 5 $ 6 7 8 9 2023年度 事業創造ワークショップ 地域の無形資産を3Dデータで蘇えらせ、 地域の思いを継承する 8

五十鈴グループでは、ものづくりの現場で培ったノウハウを体系 化・標準化した数多くのソリューションサービスを展開しています。 こちらは五十鈴グループホームページに掲載していますので、 ぜひご関心のある課題・問題についてそちらからご確認ください。 企業の皆さまが抱えるそれぞれの問題や課題の解決を五十鈴グルー プソリューションサービスで一緒にお手伝いさせていただきます。 03 | 製造現場向けソリューション 04 | 社会課題解決向けソリューション 業務ソーシング 支援サービス 業務効率化・ デジタル化 推進サービス 操業支援サービス 01 | 鉄鋼業界向けソリューション 02 | 輸送業界向けソリューション コイルセンター業界のリーディングカンパニーとして培って きた工場操業・業務管理・品質管理等の様々な知見を組み合わ せ、お客さまの現場課題解決に向けたソリューションサービス を提供します。 重量物輸送の全国配送ネットワークを有し、倉庫などの中継 基地を活用した輸送ソリューションサービスを提供することで、 お客さまの輸送課題解決に貢献します。また輸送業界の社会 課題解決に向けたソリューションも提供します。 鉄鋼専門商社として保有する全国の製造業ネットワークを 活かし、加工内容・設備・加工量・費用等、各種お客さまのもの づくり要件に合わせた最適体制をデザインします。また現場の サステナビリティを支えるソリューションを提供します。 社会課題の解決からより良い未来社会づくりへと自社の貢 献領域拡大を見据え、これからの社会づくりに必要なソリュー ションを提供します。 鋼材調達・加工・ 管理支援サービス 輸送効率化/ デジタル化 推進サービス(AIR) 倉庫・デポ活用の ピッキング・ パッキングサービス 輸送現場の 安全環境づくり 支援サービス 重量物輸送・管理 支援サービス 物流機器の製造・ 管理支援サービス 材料・資材・製品の 廃棄物削減サービス (3Rソリューション) 安全・品質・ 設備管理/ 向上支援サービス ファブレス製造 (OEM) 支援サービス 災害BCP 支援サービス 地域資源の デジタルアーカイブ サービス https://www.isz.co.jp/company/services/ 五十鈴グループサービス展開へ 【五十鈴商品ラインナップご紹介】 9

スチールサービス部門 五十鈴関東(小山SC・太田SC) 五十鈴中央(大和SC・青梅SC・富士SC) 五十鈴東海(安城SC・岐阜SC・浜松SC) ロジスティクス部門 ワーレックス、五十鈴倉庫、五十鈴オート整備工場 ライフサービス部門 五十鈴建設 ソリューション部門 五十鈴ビジネスサポート(流通)、五十鈴マネジメントサービス (財経・法務)、ベル・インフォ・テック(IT・業務)、アイ・ ティー・シー(技術)、アイ・コミュニケーションズ(組織開発・ 変革、人財開発) 事業概要 鋼板流通マーケットの中で、 加工・販売にとどまることなく、 最適鋼板流通サービスを追求し ています。 基幹システム「ATOM」を中 心に、母材調達~発注~加工~配送などのプロセスのオー トメーション化・IT化を推進しながら、お客さまの購買戦 略・業務変革に貢献することを目指しています。 北は仙台から西は北九州まで 24営業所にわたるネットワーク と、鉄鋼、自動車流通における 物流ノウハウをベースに、ロジス ティクスの観点から物流会社・ 荷主企業と共に最適な事業環境を構築します。 お客さまの大切な資産である 土地建物に対して各種ソリュー ションを提供し、お客さまの期 待を超える価値の創造により、 現在から将来にわたる建物の可 能性を見出します。 スチールサービスで培ったノ ウハウをベースに「流通」「財 経・法務」「IT・業務」「技術」 「組織開発・変革、人財開発」 の5つの領域でお客さまの経営 進化に貢献することを目指しています。鋼板流通のみなら ず、あらゆる業界・お客さまにも適応可能な、経営ソリュー ション&コンサルテーションサービスを展開しています。 五十鈴グループのコア・アセットは「人財」です。そこで、2023年度から これまでのIVC(=五十鈴価値創造)を新・人財育成システムIHC(=Isuzu Human capital Co-Creation)へ刷新し、資本である人財のパフォー マンス向上を目指し積極的な投資を図っています。 このIHCでは、キャリア形成を組織の役割期待のブレイクダウンだけでは なく、個々の人財価値向上への欲求を喚起すると共に、成長軌道を変えて キャリアを作り直すプロセスも重視しています。すでに、ステージアップセミ ナー、リスキリングセミナー、セルフチェックセミナーを対面集合型でスター トし、部門・会社を超えたキャリアメンター制度も始まっています。 今年度からの新プログラム 今年度からの人財開発支援環境 キャリアメンター制度 IHCプログラム/ステージアップ IHCプログラム/リスキリング IHCプログラム/セルフチェック 五十鈴のIOC・IHC・HRMのつながり 五十鈴グループの新たな人財開発(IHC)が始動! 10

五十鈴株式会社 https://www.isz.co.jp/ ビジョナリーレポート ���� 発行:����年�月(年1回発行) 発行元:五十鈴株式会社 企画・編集:株式会社アイ・コミュニケーションズ

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