ビジョナリーレポート2022

2022

MAKE A DIFFERENCE 2022 ビジョナリーレポート発行に寄せて 五十鈴グループは「ビジョナリーカンパニー」を目指しています。 ビジョナリーカンパニーとは、「揺ぎない理念を実践することで、 時代を超えて常に組織として成長・進化していく企業体」であり、 五十鈴流に言えば、「気分よく働け、業績がよく、自己成長する会社」です。 2021年からは、あらたなビジョンを掲げ、あらたな挑戦がはじまっています。 新しい時代の未来社会に向けて、ステークホルダー及び多種多様なパートナーと共に、 みんなの夢をみんなで自己実現し、創業者精神である「必要な存在」であり続けたいと考えています。 「ビジョナリーレポート」は、ビジョナリーカンパニーを目指す私たちの意志のもと、 近年の五十鈴グループの進化やパートナーとの協創・協進の取り組みの軌跡を整理したものです。 本レポートを通じて、私たち五十鈴グループについて、 ご理解とご興味を深めていただける機会になれば幸いです。 ※「ビジョナリーカンパニー~時代を超える生存の原則~」ジェームズ・C・コリンズ/ジェリー・I・ポラス(日経BP社)

五十鈴グループは、1952年の設立以来、鉄鋼メーカー・商社・自動車関連 等のお客さまとの協働で鋼板流通ビジネスを展開し、常に時代に先駆けて イノベーション(変革)し続けてきました。 2010年代からは、コイルセンターから「サービスセンター」へ、そして 「バリューセンター」と業態・業容を変貌・拡大し、「全員参画経営」であ らたな価値を創造し続ける企業体としての進化・成長を図ってきました。 昨年度2021年度からは、あらたな10年ビジョン「I-Society X」を始動 させ、未来社会に向けて、これまでのケイパビリティを拡大し、多種多様 なパートナーと共に「未来社会創造企業」としての挑戦をはじめています。 「ビジョナリーレポート2022」では、未来社会創造企業として、五十鈴 グループ横断プロジェクトで展開し、株主やお客さまそして多種多様な パートナーと共に推進している、社会課題の解決・変革に向けた取り組 みの一部をご紹介します。 ビジョナリレポート2022は… CONTENTS P1 P3 P5 P9 P10 はじめに 新CEO メッセージ 第三の創業のはじまり。あらたな全員参画経営でビジョナリーカンパニーを目指す <特集> より良い社会の実現を目指す“未来社会創造企業”となるために 1.鋼板流通DXで業界の新常識づくりを 2.安全・安心・快適なロジスティクス環境をつくる 3「.移」「食」「住」の安心・快適な街づくり・暮らしづくり 4.みんなにやさしいECO環境をつくる 第三の創業~あらたな「全員参画経営」のカタチ! 70周年、あらたな未来協創パートナーと出会うために <70周年プロモーション紹介> 事業概要 P10

2022年4月1日より、五十鈴グループの経営体制が大 幅に刷新されました。これまで長きにわたってグループ を牽引してきた鈴木代表、鈴木副社長、山田専務が退 任され、新グループ経営チームとして「第三の創業」の 舵取りを任されることになりました。 2022年1月21日に創立70周年を迎える中で、新型コ ロナウイルス感染症の影響、ウクライナ紛争、台湾情勢 の緊迫、世界的な高インフレ、自然災害等、我々を取り 巻く環境は常に激しく動いています。 2 0 2 1年度はそのような環境変化を踏まえながら、 「ネクストの創造」を基本方針、キャッチフレーズを 「Wi l lイン」として、組織や人財を未来社会へ向けて、 どのように適応・進化させ、「ネクスト化」させていくのか を考え、議論し、活動を実践してまいりました。 前長期経営目標である「Wi l l - Na v i」での価値創 造を通じてどのような変化や進化があったのか。変わ らなかったことは何だったのか。これらについても振り 返りを行いました。私たちのアイデンティティである創 業者精神や社訓、価値観と行動規範を大事にしてい くことはこれからも変わらないことを確認することができ ました。 それらを踏まえ、第三の創業の基本方針のキーワー ドを「かわらないこと。かえていくこと。」と定めました。 五十鈴グループは30年以上、一貫して人財育成と 組織変革に注力してまいりました。人財を大切に育てて いく点についてはこれからも変わりません。一人ひとりが 活き活きと、やりがい、働きがいを感じながら自己実現が できる環境を創っていこうと思っています。 一人ひとりの組織に対する当事者意識を、社会に対 する当事者意識へ向けながら、五十鈴の全員参画経 営を進化させていくために「かえていくこと。」のキー ワードとして、「新常識と多様な個人」、「オープン&フ ラット」、「アジャイル&インクルーシブ」、そして「共感と 幸福感」があります。これらのキーワードを意識しながら、 第三の創業のはじまり。 あらたな全員参画経営でビジョナリ 創立70周年、第三の創業の節目に、 かわらないこと。かえていくこと。 C E O M E S S A G E 代表取締役社長 鈴木 勝 3

全員が進んでいけば、「生きがい、やりがい、働きがいを 楽しく創るビジョナリーカンパニー」に近づいていくもの と確信しています。 五十鈴グループの全員参画経営は常に進化してい ます。拠点ごとにこれまで推進してきたVC(価値創造) 活動の一部は、グループ全体のSo c i e t yX(SX)プロ ジェクト、サステナブルファクトリープロジェクトに昇華さ せ、これまで以上にグループ一体となった活動が多くみ られるようになりました。拠点の主体的な活動に加え、各 委員会で主導したグループ案件の取り組みが増えてき たことで、活動の推進力が向上してきた実感があります。 新規事業開発だけではなく、カーボンニュートラルや SDGs、地方自治体や地域とのつながりも未来社会に 繋がるSX活動であるという理解が進んできたように感 じています。 お客さまやビジネスパートナーとの関係性についても 変化が現れてきました。鉄の商売、VCビジネスの機能 補完という関係性だけでなく、一緒に社会課題解決や 未来社会創りに向けて、ともに挑戦、進化していく関係 性へと変わりつつあります。 協創から協進へのプロセス変化の兆しが見えてきて います。 こうした様々な現場レベルでの活動は一層スピード 感をもって加速させていきます。一方で、株主との戦 略に沿った取り組みもこれまで以上に加速させてまい ります。デジタルに関する取り組みは、メタルワング ループのQOLABO(Qual ity of Life and Business Optimization)戦略に沿った形で推進していきますし、 超ハイテンなどの高級鋼板に対する取り組み、国内サ プライチェーンの最適化は、日本製鉄の戦略に貢献で きる体制を一層強化してまいります。 あらたに制定した新価値観のひとつである「縁誇創 新」は、株主をはじめとするステークホルダーやお客さま、 ビジネスパートナーやまだ見ぬあらたなパートナーとの 縁を誇りに思い、大切にし、あらたな価値を創発しなが ら未来社会をともに創っていこうという意味が込められ ています。 世の中にとって必要な存在であり続けるために、サス テナブル基盤を構築し、未来への縁をしっかりと創り上 げ、「みんなの夢をみんなで自己実現する企業」を社員 とともに目指してまいる所存です。 リーカンパニーを目指す 「縁誇創新」の精神で あらたな全員参画経営を目指す E N K O S O S H I N 第三の創業 基本方針 かわらないこと。 かえていくこと。 新常識と多様な個人をベースに組織を よりオープンに、 よりフラットに、 よりアジャイルに、 よりインクルーシブに、 共感と幸福感による全員参画経営により ビジョナリーカンパニーを目指す! 新執行役員体制 鈴木 勝 小萱 伸之 宮川 恵介 長尾 暦 黒田 一俊 瀬戸 明宏 本郷 正信 岩品 友幸 代表取締役社長(CEO) 副社長執行役員(COO) 常務執行役員(CFO) 常務執行役員(CCO・CRO) 常務執行役員 常務執行役員 執行役員 執行役員 4

株主メタルワン様では、業態変革プロジェクト「QOLABO」を推進しています。メタルワングループのアセット の共通化を図り、ローコストオペレーション実現によるコスト競争力を強化する取り組みであり、三菱商事総合素 材グループにおける鉄鋼メーカーや商社の垣根を越えた流通最適化を図るDX構想の一環です。 QOLABOの推進にあたり、五十鈴グループに対してコイルセンター標準機能の構築に関する全面的な協力要 請をいただき、同プロジェクトに協働参画しています。その中で、五十鈴東海 安城サービスセンターと他コイルセン ターでも汎用的に活用できるモデルを開発、ワーレックスとは最適物流に繋がるサービスを検討、また弊社基幹シス テム「ATOM」「AIR」とのシステム連携など各分野での検討を重ねています。 株主からは「使う側の視点と開発者の視点の両面から意見・提案があり、 同じ方向で進めていくパートナーとして信頼している」との声をいただき、 五十鈴の現場ノウハウを活用して業界に貢献できるDX化を協働開発して います。 QOLABOの開発と並行し、五十鈴内でも次世代基幹システムATOM構 築をベル・インフォ・テックとデジタル委員会で検討を開始し、必要機能の整 理を始めています。次世代ATOMは導入段階からメタルワングループで導 入できるよう株主メタルワン様とさらなる協働を進めてまいります。 より良い社会の実現を目指す O n g o i n g i n i t i a t i v e s 株主の業革プロジェクトへの協働参画で コイルセンターDXの加速へ 創業以来、鋼板流通マーケットの中で、加工・販売にとどまる ことなく最適鋼板流通サービスを追求しています。その現場ノ ウハウを活かし、株主である商社・鉄鋼メーカー・お客さまと の DX を加速し、鋼板流通の新最適を目指しています。 鋼板流通DXで業界の新常識づくりを これまで鉄鋼流通では各社毎に効率化を進めてきましたが、流通全体に対する取り組みは限定的であり、 人で管理することによるコストアップや情報精度が低いことにより過剰な在庫が発生してしまうなど、手間や コストがかかる状態でした。 そのため、五十鈴グループでは、鉄鋼メーカー・商社・ユーザーとの協働によって鉄鋼流通全体の一貫最 適化を目指しています。企業間の連携を深めて、人の判断や管理は極力必要がない状態を実現し、情報精 度の向上とコスト削減を実現します。 「在庫を減らす」「仕事を減らす」をキーワードにお客さまとの具体的な問 題・課題を共有し、昨年度から関係部署とプロジェクトを発足し、協働推進し ながら改善に向けて進めています。 また別の部署とは、効率化に向けてデータを基にした解析・分析や意見交 換を重ね、新たな切り口をトライするなど互いの現場感を発揮し、在庫や問 い合せを減らす方向性が見えてきています。 五十鈴やそれぞれの流通のお客さま・関係先の現場感を融合させ、流通 一貫最適化を実現するデジタル化を進化させていきます。 鋼板流通全体の一貫最適化は 各テーマ・各所での協働推進から 5

“未来社会創造企業”となるために O n g o i n g i n i t i a t i v e s グループ内に輸送会社ワーレックスを有し、長年の鋼材物流・ 輸送の経験から、現場での研究開発・実証実験を重ね、安心・ 安全かつ働きがいのある魅力的なロジスティクス社会の実現を 目指しています。 安全・安心・快適な ロジスティクス環境をつくる 実証実験による重量物貨物の 安全・安心・快適な働き方へ 時間外労働の上限規制など物流業界の「2024年問題」が迫る中、重量物貨物の 働き方や作業環境の変革は遅れているのが実状です。五十鈴グループでは、長年に亘 る鋼板輸送の経験・実績を活かし、これからの時代に適った安全・快適かつイノベー ティブな重量物貨物の実現を目指しています。 近年は現場視点でリアルなニーズを集め、異業界テックを組み合わせて、安全性や 輸送効率を高める商品を構想・設計、ロジスティクス部門ワーレックスでの実証実験を 重ね、現在では6商材を商品化。複数の輸送会社で採用いただいています。 例えば、素材変更して軽くすることで作業負荷を軽減したアルミスタンションとトラック シート。アルミスタンションと架装は設計を見直すことで軽量化のみならず輸送効率を 上げCO2排出量の削減にも貢献しています。さらに、昇降階段、電動通信レバーブロッ クの開発や、アイ・ティー・シーが開発したVR危険体感トレーニングを通じて輸送作業の 安全性が向上しました。 物流関係者からは、安全の意識づけ、開発や新しい取り組みに対する積極性が上 がっているとの声をいただくことも多く、これらの普及を通じて、重量物業界の永続性・ 持続性に向けたニュースタンダードを築いていきたいと思っています。 物流業界の高齢化や人手不足、新約款(待機附帯、サーチャージなど)の対応が求められ る中、配送や日報、勤怠など、物流会社に関わるあらゆることを1つでできるシステム「AIR (Artificial Intelligence Route)」を開発し、まずはグループの輸送会社であるワーレックス で活用しています。 AIRは、物流業界が抱えている課題に対して、システム面で解決できるよう設計しており、各業 務の連動による業務の効率化や可視化、勤怠や運転時間などを配車に反映させることによる 運行管理の効率化および法令遵守機能、デポや傭車先を含めたネットワーク輸送などを可能 にしています。また事前にマネージャーにデモ機を使用してもらい、現場の意見を吸い上げながら リアルな機能を構築するという五十鈴ならではの現場協働開発プロセスを踏んでいます。 AIR導入により、営業所の入力業務が削減、本社管理業務の負荷軽減、営業所間での 連携・協力した配送の活性化という効果が生まれており、さらにAIRのタブレット使用による付 随効果としてマネージャーとドライバーの情報共有やチェック業務などコミュニケーションが円 滑に行われるようになりました。 今後は、自動配送機能、荷主業務の効率化などのさらなる機能強化を図り、外部輸送会 社へ展開していきます。 物流業務をタブレット一つで実践、 現場との協働開発システム「AIR」 6

より良い社会の実現を目指す“未来社会創造企業”となる O n g o i n g i n i t i a t i v e s 社会構造が大きく変わる中、様々な当たり前が変化してきてい ます。鉄鋼流通により磨かれた「移動(物流・流通)」のテクノ ロジーをキーに「ビジネス環境」の革新や、世の中の「食環境」「住 環境」の安心できる暮らしづくりを目指しています。 「移」「食」「住」の 安心・快適な街づくり・暮らしづくり 自動車部品メーカー様(以下ティア1)にとって、長年、パレット調達は調達担当者 の業務負荷が高く、属人化されており、調達業務プロセスの標準化や結果としての調 達コストの高止まりといった課題がありました。 五十鈴グループでは、誰でも簡単に同じ精度でパレット調達を実現できるSaaS型 ソリューションを提供し、ティア1の調達、部品物流DXを通じて、競争力強化に貢献 することでパレット拡販につなげる活動を展開しています。 そこで開発したパレット調達支援システム「iPaS」は、これまで培ってきた各ティア1 様担当者の課題に寄り添うことで生まれた現場発リアルソリューション実装システム です。7月から導入いただいたティア1様で実際のパレット調達イベントに使用して頂 き、効果検証を実施中です。 サプライヤーと顧客という関係性を超え、一緒に使い勝手よく、効果性あるシステム を作り込んでいくパートナー関係での協働開発を通じて、「その先のOEMメーカー (カーメーカー)様まで導入できれば調達サプライチェーンの一貫最適を実現するプ ラットフォームになる」という手応えある感想を述べていただきました。 今後は、より多くのティア1様に使っていただくプラットフォーム型システムに育て、 より幅広くティア1様の調達・物流DXへの貢献をサポートしていきたいと考えています。 パレット調達支援システム「iPaS」で 調達サプライチェーンの一貫最適を目指す 有機野菜は、「環境への負荷をできる限り低減した農業」として国の後押しもあり今後 ますます拡大していくことが予想されます。 しかし有機野菜の生産者側の悩みや欲求とそれを販売するスーパーの悩みや欲求が あり、五十鈴グループでは鉄鋼流通で培ってきたロジスティクス機能を提供し、ビジネス パートナーと共に、作り手・売り手、そして消費者それぞれにとって望ましい有機野菜流通 を築きあげていくことを目指しています。 新規就農者や有機転換をしたい人たちの主な課題は、有機野菜の生産技術の未熟さ、 物流機能の未整備、販路の未開拓などが挙がり、参入障壁が高い状態になっています。 パートナーである「有機のこれからを耕す会」を通じて、有機産地開拓や収量をあげる ための生産技術の提供。産地括りでの集約生産による大ロット物流化や陸・海・空を 使った効率物流のデザインは五十鈴の鉄鋼物流ノウハウの強みを発揮。またスーパー 側には、五十鈴のデリバリノウハウを活かした「収穫期カレンダー」を開発し、具体的な 産品と時期、数量を提示することで有機野菜の専任が少ないスーパーのバイヤー代行 機能の発揮を目指しています。 さらに生産者もスーパー側も安心できる仕組みを創り上げ、今後の発展として加工品 や輸出入へのサービス提供などの検討も進めていきます。 作り手・売り手・消費者にとってやさしい 有機野菜のある暮らしを目指して iPaSサービスサイト https://ipas-dx.com 7

ために O n g o i n g i n i t i a t i v e s 日本の国内総生産の約20%を占める製造業界。産業廃棄物や CO2排出の削減等は製造業に関わる全ての企業・組織の喫緊の課 題です。お客さまとビジネスパートナーと共に様々な循環(商品・ サービス)を生み出し、持続可能な社会づくりを目指しています。 みんなにやさしいECO環境をつくる フィルムの産廃を ゴミ袋へ再生 地球温暖化・大気汚染・資源の枯渇などの様々な課題に対し、製造業における3R活動は持 続可能な社会の実現にむけた命題です。 オフィス家具業界のリユースニーズも高まり、製品メーカーでは産業廃棄物の削減と共に製品 の資源循環を目指しています。その資材であり五十鈴の中核事業である鉄の循環は重要です。 五十鈴グループでは、まだ使える最終製品をリユース品として二次流通させ産廃を減らす。さ らにもう使えないものに関しても処分過程で鉄源を鉄鋼メーカーに戻し、その資源から再製造し た鋼板をまたメーカーの製品へ再資源化することで、製品メーカー、加工、素材メーカーによる 静脈物流の資源循環の仕組みを築くことを目指しています。 具体的には、製品メーカーから不用品の仕入れルートを開拓し、BtoB向け中古品販売企業 との協働を通じたオフィス家具の中古品の販売。また、産廃処分過程で、仕入別で鉄スクラッ プを管理できる産廃業者との協業や株主の日本製鉄様への鉄スクラップ販売ルートの開拓を 同時に行っています。 これらの取り組みにより、これまで産廃になっていたものを二次流通へ販売することで、産廃 量は15%削減し、産廃に関わるCO2排出の削減に繋がっています。また日本製鉄様の電炉 操業拡大に必要な鉄スクラップ回収に寄与し、CO2削減に貢献できます。 今後は、全国での鉄鋼製品を中心としたリユーススキームを構築すると共に、「最終製品」「エリ ア」を拡げていき、お客さま・株主と共に社会貢献の事業化を実現していきたいと思っています。 素材と製品の3R(リユース・リデュース・リサイクル)で築く あらたな循環スキームへ 今後、サプライチェーン全体での取り組みが加速する中で、お客さまからの要求は一層厳しく なり、環境経営への貢献が求められています。また、環境変化(原油価格等)から調達リスクも 高まることに加え、副資材および産廃処理コストの高騰も課題となっています。 そこで五十鈴グループでは、カーボンニュートラルの実現に向けて、企業から排出される資源 ごみを循環させて、自社で使用する資源へ戻せる「企業廃材ゼロ工場づくり」に挑戦しています。 まずは、ビジネスパートナーと共に生産活動から出る産業廃棄物の資源循環スキームづく りに着手しています。その中でも梱包資材に使用されるスキッド用の端材、鋼板用保護フィル ムや合紙は大量に産業廃棄物として処理されています。現在は、それぞれの資材を3Rし、自 社で再活用できる商品づくりをスタートさせています。例えば、木材は樹脂と混錬しウッドプラ スチックとしてトラック用床材へ。フィルムはゴミ袋へ。合紙はトイレットペーパーへ生まれ変わ る取り組みを進めています。 3Rの資源循環スキームが確立できれば、製造業から出る産業廃棄物の削減を通じて、 CO2排出量の削減が見込まれます。また、有価取引への変更が可能になることで、処理コス トの削減につながります。 今後は、同スキームをお客さまへ横展開することで、お客さまの環境経営への貢献に繋が ると考えています。 廃棄物ゼロのサステナブルファクトリーを築き、 カーボンニュートラル実現へ スキット木屑をリサ イクルしてトラック の荷台の活用を 検討中 8

五十鈴グループでは、1985年の第1回から毎年期初にグループ 全社員が一堂に会し、これまでのグループの検証とこれからのグ ループの成長・進化を考える全員参画経営の起点となる社員総会 を開催してきました。それは第三の創業期に入っても変わることはあ りません。 創立70周年の記念すべき節目であり、鈴木勝CEOをはじめ新 執行役員体制スタートの今年度社員総会は、新型コロナウイルス 感染症の影響を見通せない状況もあり、部門・拠点6箇所で開催し ました。新執行役員が各拠点に訪問し、役員と社員が直接対話し、 これからの五十鈴の方向性を共に考える有意義な機会となりました。 また、五十鈴の理念経営を日々のマネジメントの中で実践する管 理職層60名の研修もリモートでなく集合型の合宿形式で行い、あ らたな五十鈴グループとしての管理職像を具体化していきました。 今後は様々な理念経営・マネジメントの仕組みを再構築し実践して いきます。 「第三の創業」の基本方針「かわらないこと。」の一つは理念経営です。 そして「かえていくこと。」として未来社会にむけた「I -ScietyX」の組織づくり・人づくりがあります。 その両面から新しい全員参画がはじまっています。 五十鈴の理念経営を象徴する 社員総会や理念教育のあらたなカタチ 五十鈴グループ新ビジョン「I -Society X」の推進にあたり、既存 の鉄鋼流通分野での付加価値創造や事業成長を図ると共に、両 利き経営として新規事業の創造・開発(SX事業)を追求し、SX事 業を促進する社内起業システムや体制づくりを図っています。 まずはグループ各社の経営管理者層が両利き経営の担い手とし ての自覚を高め、これからのマネジメントを検討する「スタートアップセ ミナー」を行いました。様々な新規事業開発の芽をグループ横断プ ロジェクトで推進するSXプロジェクトを展開し、そのプロジェクトリー ダーへの「事業開発基礎セミナー」を実現。また、SX事業開発への 全員参画の基盤づくりとして「SX事業創造ワークショップ」を展開 し、5年目~26年目社員が自らエントリーし参画しています。 「未来社会創造企業」としての既存事業での価値創造も重要な 取り組みです。P8でも取り上げた「サステナブルファクトリーの推 進」など環境に配慮したこれからの工場づくりも、グループ横断プロ ジェクトでテーマを定め、Microsof t Teamsを活用した情報共有や 協働・協創をしています。 I-Society Xを促進する スタートアップの学習・実践の場! 2022年度拠点社員総会 管理職研修 SX事業創造 ワークショップ 第三の創業 あらたな「全員参画経営」のカタチ! New all particpation management 9

2022年1月21日、五十鈴は創立70周年を迎えました。五十鈴グループの成長・発展を支えて下さったお客さま、株主を はじめとするステークホルダーの皆さまの縁(えにし)を誇りにし、未来への縁(えにし)をつくりあげてまいります。 その感謝とこれからの五十鈴グループの新化を誓い、70周年記念映像「かわらないこと。かえていくこと。」を制作。そして 「未来社会創造企業 五十鈴グループ」として未来社会にむけた協創・協進の想いやパートナーとのリアルな取り組みを発信し ていくグループホームページへ刷新しました。 五十鈴グループ70周年 あらたな未来協創パートナーと 出会うために E N K O S O S H I N 第三の創業 鋼板流通マーケットの中で、 加工・販売にとどまることなく、 最適鋼板流通サービスを追求 しています。 基幹システム「ATOM」を中 心に、母材調達~発注~加工~配送などのプロセスのオ ートメーション化・I T化を推進しながら、お客さまの購買戦 略・業務変革に貢献することを目指しています。 スチールサービス部門 五十鈴関東(小山SC・太田SC) 五十鈴中央(大和SC・青梅SC・富士SC) 五十鈴東海(安城SC・岐阜SC・浜松SC) 北は仙台から西は北九州ま で26営業所にわたるネットワー クと、鉄鋼、自動車流通におけ る物流ノウハウをベースに、ロジ スティクスの観点から物流会 社・荷主企業と共に最適な事業環境を構築します。 ロジスティクス部門 ワーレックス、五十鈴倉庫、五十鈴オート整備工場 お客さまの大切な資産である 土地建物に対して各種ソリュー ションを提供し、お客さまの期待 を超える価値の創造により、現 在から将来にわたる建物の可 能性を見出します。 ライフサービス部門 五十鈴建設 スチールサービスで培ったノ ウハウをベースに「流通」「財 経・法務」「I T・業務」「技術」 「組織開発・変革、人財開発」 の5つの領域でお客さまの経営 進化に貢献することを目指しています。鋼板流通のみならず、 あらゆる業界・お客さまにも適応可能な、経営ソリューション& コンサルテーションサービスを展開しています。 ソリューション部門 五十鈴ビジネスサポート(流通)、五十鈴マネジメントサービ ス(財経・法務)、ベル・インフォ・テック(IT・業務)、アイ・ ティー・シー(技術)、アイ・コミュニケーションズ(組織開発・ 変革、人財開発) 事 業 概 要 五十鈴グループコーポレートサイト https://isz.co.jp 10

五十鈴株式会社 https://www.isz.co.jp/ ビジョナリーレポート���� 発行:����年�月(年1回発行) 発行元:五十鈴株式会社 企画・編集:株式会社アイ・コミュニケーションズ

RkJQdWJsaXNoZXIy NDU4ODgz