ビジョナリーレポート2022

“未来社会創造企業”となるために O n g o i n g i n i t i a t i v e s グループ内に輸送会社ワーレックスを有し、長年の鋼材物流・ 輸送の経験から、現場での研究開発・実証実験を重ね、安心・ 安全かつ働きがいのある魅力的なロジスティクス社会の実現を 目指しています。 安全・安心・快適な ロジスティクス環境をつくる 実証実験による重量物貨物の 安全・安心・快適な働き方へ 時間外労働の上限規制など物流業界の「2024年問題」が迫る中、重量物貨物の 働き方や作業環境の変革は遅れているのが実状です。五十鈴グループでは、長年に亘 る鋼板輸送の経験・実績を活かし、これからの時代に適った安全・快適かつイノベー ティブな重量物貨物の実現を目指しています。 近年は現場視点でリアルなニーズを集め、異業界テックを組み合わせて、安全性や 輸送効率を高める商品を構想・設計、ロジスティクス部門ワーレックスでの実証実験を 重ね、現在では6商材を商品化。複数の輸送会社で採用いただいています。 例えば、素材変更して軽くすることで作業負荷を軽減したアルミスタンションとトラック シート。アルミスタンションと架装は設計を見直すことで軽量化のみならず輸送効率を 上げCO2排出量の削減にも貢献しています。さらに、昇降階段、電動通信レバーブロッ クの開発や、アイ・ティー・シーが開発したVR危険体感トレーニングを通じて輸送作業の 安全性が向上しました。 物流関係者からは、安全の意識づけ、開発や新しい取り組みに対する積極性が上 がっているとの声をいただくことも多く、これらの普及を通じて、重量物業界の永続性・ 持続性に向けたニュースタンダードを築いていきたいと思っています。 物流業界の高齢化や人手不足、新約款(待機附帯、サーチャージなど)の対応が求められ る中、配送や日報、勤怠など、物流会社に関わるあらゆることを1つでできるシステム「AIR (Artificial Intelligence Route)」を開発し、まずはグループの輸送会社であるワーレックス で活用しています。 AIRは、物流業界が抱えている課題に対して、システム面で解決できるよう設計しており、各業 務の連動による業務の効率化や可視化、勤怠や運転時間などを配車に反映させることによる 運行管理の効率化および法令遵守機能、デポや傭車先を含めたネットワーク輸送などを可能 にしています。また事前にマネージャーにデモ機を使用してもらい、現場の意見を吸い上げながら リアルな機能を構築するという五十鈴ならではの現場協働開発プロセスを踏んでいます。 AIR導入により、営業所の入力業務が削減、本社管理業務の負荷軽減、営業所間での 連携・協力した配送の活性化という効果が生まれており、さらにAIRのタブレット使用による付 随効果としてマネージャーとドライバーの情報共有やチェック業務などコミュニケーションが円 滑に行われるようになりました。 今後は、自動配送機能、荷主業務の効率化などのさらなる機能強化を図り、外部輸送会 社へ展開していきます。 物流業務をタブレット一つで実践、 現場との協働開発システム「AIR」 6

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