世界的な規則厳格化により、環境対策は企業の社会的責任の枠組みを超越し、持続可能な経営を実現するための必須戦略へと変化しています。
本記事では、ユニクロやニトリなどの大企業の先進事例から、独自の技術で差別化を図る中小企業の成功事例まで、厳選した25選を紹介します。
五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」は、鉄を主原料とする製品・設備の廃棄や資源循環を起点に、サーキュラーエコノミーへの移行を支援するサービスです。廃棄物を国内製鉄所等へ還流させるクローズドループの構築など、カーボンニュートラルや循環型社会の実現に向けた取り組みを、コスト削減と両立する形で支援します。自社の環境対策を資源循環の仕組みとして経営戦略に組み込みたい場合には、ぜひご相談ください。
1.大企業の環境対策事例20選
(1)CO2削減・脱炭素に関する取り組み事例
①トヨタ自動車|工場CO2ゼロチャレンジ

トヨタ自動車は、2050年までにグローバルでの環境負荷をゼロにする、あるいはプラスにするという高い目標「トヨタ環境チャレンジ2050」を掲げています。工場CO2ゼロチャレンジとは、製造現場における脱炭素化を強力に推進する取り組みです。
革新的な生産技術の導入や日常のカイゼン活動により、技術革新と現場の創意工夫をグローバルで共有しています。
さらに、これらの省エネ活動によって削減しきれなかったエネルギー分については、水素エネルギーの活用や、再生可能エネルギーへの転換を進めています。

②大林組|カーボンニュートラルに向けた複数の取り組み

大林組は、建設業界のリーディングカンパニーとして、建物のライフサイクル全体(Scope 1, 2, 3)を網羅するカーボンニュートラル戦略を展開しています。「省エネルギー」「創エネルギー」「CO2抑制・吸収」「木造・木質化」「長寿命化・資源循環」という5つの柱を軸に、技術力で脱炭素社会の実現を牽引しています。
建物の運用時に消費するエネルギーをゼロに近づけるZEB化の支援や、製造過程のCO2排出を大幅に抑えた低炭素型コンクリート「クリーンクリート」や、CO2を吸収・固定するカーボンネガティブな資材の開発を推進するなどの取り組みが代表的です。

③味の素|バリューチェーン全体のCO2削減

味の素AGFは、2050年度までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げ、原材料の調達から製品の廃棄に至るまでのバリューチェーン全体で、徹底した環境負荷低減に取り組んでいます。
国内工場において、エネルギー効率の高い最新設備の導入や生産プロセスの改善を継続的に実施しており、太陽光発電設備の設置や再生可能エネルギー電力の調達、バイオマスエネルギーの活用などを通じ、製造工程におけるCO2排出量の削減を強力に推進しています。
また、他社との共同配送や、トラックから船舶・鉄道輸送へ切り替えるモーダルシフトの推進で物流網の最適化を図ることで、輸送段階における環境負荷を低減するとともに、持続可能な物流体制の構築にも注力しています。
④ユニクロ(ファーストリテイリング)|「LifeWear」を軸とする取り組み

ユニクロを展開するファーストリテイリングは2030年度に向けた野心的な環境目標を掲げ、原材料調達から顧客の手元に渡った後のケアまで、製品ライフサイクル全体を「LifeWear」として再定義しています。
2030年度までに自社拠点(店舗・オフィス)の温室効果ガス排出量を90%削減(2019年度比)する目標を掲げ、全世界の自社拠点で再生可能エネルギー100%を達成することを目指しています。
「リペア(修理)」「リメイク(改造)」「リユース(再利用)」「リサイクル(再資源化)」を柱としたサービス「RE.UNIQLO」を展開しており、消費者が「一着の服を長く着る」ことを支援するプラットフォームを構築しています。

⑤ユーグレナ|バイオ燃料「サステオ」

株式会社ユーグレナは、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)や廃食油を原料とした次世代バイオ燃料「サステオ」の製造・普及を通じて、既存のインフラを維持したまま進めることができる「現実的な脱炭素化」を提唱しています。
「サステオ」の最大の特徴は、既存のエンジンや燃料インフラをそのまま活用できる「ドロップイン」型である点です。EV化(電動化)が困難な航空機(SAFとして活用)や大型バス、船舶、建設機械などにおいて、大規模な設備投資を伴わずに導入直後からCO2排出量を実質的に削減できる点が、多くの企業から支持されています。
(2)リサイクル・資源循環に関する取り組み事例
素材のなかでも鉄は、カーボンニュートラルの潮流のなかで電炉化が加速し、質の高い鉄スクラップの国内循環が戦略資源として注目されています。鉄のサーキュラーエコノミーへの具体的な取り組みについては、以下の記事で解説しています。

⑥日本航空 (JAL)|各事業のプロセスにおける3Rの推進

日本航空(JAL)は、独自の「資源循環の優先度」を定め、従来の3R(リデュース、リユース、リサイクル)に、設計段階から見直す「Redesign(リデザイン)」を加えた「3R+1」を強力に推進しています。
2025年度までに、機内やラウンジで提供する全ての使い捨てプラスチック用品について、新規石油由来の原料を全廃するという極めて高い目標を掲げています。

⑦JR東日本|変革2027」と連動したサステナビリティ戦略の推進

JR東日本グループは経営ビジョン「変革2027」において、2050年度のCO2排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボン・チャレンジ2050」を掲げ、鉄道の環境優位性をさらに高める取り組みを加速させています。
駅や列車、オフィスなどの各事業プロセスにおいて資源循環を徹底しており、建設工事から発生する副産物の再利用や、廃棄物のリサイクル率向上に向けた技術開発を強化しています。
⑧ミシュラン|再生可能素材・リサイクル材料の採用

ミシュランは「すべてを持続可能に」というグループ方針のもと、2050年までにタイヤの原材料を100%持続可能(リサイクル可能、または再生可能)にするという極めて高い目標を掲げています。
バイオ由来のブタジエン(合成ゴムの原料)の開発や、廃プラスチック・古タイヤからのカーボンブラック回収など、高度な化学リサイクル技術を駆使しています。2030年までにリサイクル・再生可能素材の比率を40%まで引き上げることを中間目標としており、製品の性能を維持しながら環境負荷を低減する技術革新を続けています。
⑨ブックオフ|リユース等の促進

ブックオフグループは、「事業活動そのものが循環型社会(サーキュラーエコノミー)の形成に直結する」という独自の立ち位置を活かし、資源を「捨てさせない」仕組みづくりを全社で推進しています。
例えば、廃棄予定のデニムを素材として再活用した製品開発など、素材の寿命を延ばす取り組みを通じて、廃棄物削減を徹底しています。国内で再販が難しい品物についても、マレーシアやカザフスタンといった海外拠点でリユース・リサイクルするルートを確立し、グローバル規模での廃棄抑制を実現しています。

⑩日本郵政|汚染防止と資源循環

日本郵政グループは、全国約24,000局の郵便局と物流網という日本最大級のネットワークを活かし、地域社会の資源回収拠点として機能することで、持続可能な社会インフラへの進化を目指しています。
全国の郵便局に回収ボックスを設置し、使用済みインクカートリッジや衣料品、プラスチック容器などの回収を他企業と連携して実施しています。生活に身近な郵便局が「資源の玄関口」となることで、回収効率の向上と消費者の行動変容を同時に実現しています。
(3)再生可能エネルギー導入の取り組み事例
⑪イオン|店舗で排出するCO2等を総量でゼロにする目標

イオンは2018年に「イオン 脱炭素ビジョン」を策定し、2050年までに自社店舗での排出を実質ゼロにするだけでなく、サプライチェーン全体、そして地域社会の脱炭素化を牽引する役割を担っています。
全国の店舗屋上等に太陽光発電パネルを設置し、発電した電力を自社で消費するオンサイトPPA(電力購入契約)を大規模に展開しています。また、店舗で使い切れない電力を他の店舗へ融通する独自のネットワーク構築や、卒FIT家庭(固定価格買取期間が終了した家庭)の余剰電力を買い取る「イオンの太陽光余剰電力買取サービス」など、地域一体となった再エネ活用を推進しています。
⑫セブン&アイ・ホールディングス|株式会社セブン&アイ・エナジーマネジメントの設立

セブン&アイ・ホールディングスは、環境宣言「『GREEN CHALLENGE 2050』」の達成に向け、グループ全体のエネルギー戦略を一元管理する新会社「株式会社セブン&アイ・エナジーマネジメント」を2024年10月に設立しました。
新会社を通じて、全国のセブン-イレブンやイトーヨーカドーなどの各事業会社へ再生可能エネルギーを効率的に供給しています。遠隔地の発電所からの直接調達や自社発電設備の活用を統合的に管理することで、グループ全体での再エネ比率向上とコストの最適化を同時に実現します。

⑬森永製菓|オンサイトPPA

森永製菓グループは、2050年を見据えた「森永製菓グループ 環境方針」に基づき、中核施策としてオンサイトPPAモデルを活用した再生可能エネルギーの導入を積極的に推進しています。
工場の屋根や敷地内に、第三者(発電事業者)が太陽光発電設備を設置・所有し、発電された電力を自社で使用するオンサイトPPAによって、初期投資を抑えつつ、鶴見工場や中京工場などの主要拠点において、二酸化炭素排出量を直接的に削減する仕組みを構築しています。
⑭ソニー|ソニーの「ECO」

ソニーグループは長期環境計画「Road to Zero」に基づき、自社拠点で使用する電力を100%再生可能エネルギーに切り替える目標を、従来の2040年度から「2030年度」へと大幅に前倒ししました。
国際的なイニシアチブ「RE100」の加盟企業として、地域特性に応じた最適な調達手法(PPAモデルや非化石証書の活用など)を組み合わせ、グループ全体のクリーンエネルギー化を主導しています。さらに自社のみならず、主要な原材料・部品サプライヤーに対しても、ソニー向け製品の製造に関わる電力を2030年度までに100%再生可能エネルギーに転換するよう要請しています。
⑮NTTグループ|上下水道施設における再生可能エネルギー電力の導入

NTTグループは、自らの事業運営に要する電力を2030年度までに100%再生可能エネルギーに切り替える目標(NTTグループ グリーンリトリーバル)を掲げるとともに、自治体の上下水道施設などを対象とした再エネ電力の導入と、地域エネルギーの最適化支援を展開しています。
将来的なネットワーク基盤として開発を進める「IOWN」により、通信における電力効率を100倍に高めることを目指しています。供給側の「再エネ化」と、需要側の圧倒的省エネ技術の両面からアプローチすることで、デジタル社会の持続可能性を根本から支えています。
(4)廃棄物削減・プラスチック削減の取り組み事例
⑯サントリーグループ|副産物・廃棄物の排出量削減

サントリーグループは、自然の恵みを製品の源泉とする企業として「水と生きる」を掲げ、2030年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルの素材を、リサイクル重量100%または植物由来素材等に切り替える「プラスチック基本方針」を推進しています。
使用済みペットボトルを新しいペットボトルとして再生する「水平リサイクル」を業界に先駆けて推進しており、独自の「FtoPダイレクト・リサイクル技術」を導入することで、従来の工程よりもCO2排出量を約60%(※1)削減しつつ、高いリサイクル効率を実現しています。
※1:一般的な石油由来のペットボトル製造と比較
⑰花王|ごみゼロ

花王はESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」において、容器包装のプラスチック削減と再資源化において世界をリードする取り組みを展開しています。
同社は、1990年代から詰替え製品の普及をリードし、独自のフィルム容器(ラミネートフィルム)技術により、製品パッケージに使用されるプラスチック量をボトル本体と比較して約70%〜90%削減しています。さらに、詰替え容器に注ぎ口を付けるなどのリデザインを継続し、環境性能と使いやすさを両立させています。
⑱コカ・コーラ|原材料&容器のリサイクル等の取り組み

コカ・コーラ ボトラーズジャパンは、コカ・コーラシステムが掲げる「容器の2030年ビジョン」に基づき、排出量の多いペットボトルを資源として循環させる仕組みづくりを加速させています。
廃棄時のラベル剥がしの手間を省き、プラスチック使用量そのものを削減するラベルレス製品のラインナップを大幅に拡充させ、消費者の環境配慮行動を容易にする製品設計を徹底しています。
特定の地域や企業から出た空き容器を確実に回収し、再び自社製品の容器として戻す「地産地消型リサイクル」や、オフィス・店舗との連携によるクローズド・ループの形成に注力しています。
⑲すかいらーくホールディングス|食品ロス削減

すかいらーくホールディングスは、独自の「製造・物流・販売」の一貫体制を活かし、データ駆動型の対策と顧客を巻き込んだ行動変容を組み合わせ、業界をリードする削減実績を上げています。
例えば、調理過程で発生する廃食油(使い終わった油)を全店から回収するなど、飼料や肥料、さらには持続可能な航空燃料(SAF)やバイオディーゼル燃料の原料として100%リサイクルする体制を構築しています。これにより、廃棄物を新たなエネルギー資源へと転換する循環型モデルを実現しています。
⑳ニトリ|廃棄物の削減・再利用~廃棄時の分別の推進

ニトリグループは、2050年までにカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現するための指針を策定し、商品企画から製造、物流、販売に至る自社一貫体制の強みを活かし、サプライチェーンの全工程で環境負荷を低減する取り組みを推進しています。
「お、ねだん以上。」のブランディング価値を提供しつつ、長く使い続けられる耐久性の高い製品開発を徹底しており、製品へのリサイクル素材(再生プラスチックや再生ポリエステルなど)の使用比率を段階的に引き上げています。
2.中小企業の環境対策事例5選
中小企業における環境対策の多くは、エネルギー消費の削減や廃棄物の低減と直結しており、製造原価の低減や歩留まりの向上をもたらす経営合理化の手段として位置づけられています。

また中小企業における環境問題への取り組み状況の調査によると、6割以上の企業が「取り組んでいる」と回答しているため、環境対策の有無が直接的な競争力につながる可能性があります。
(1)山陽製紙株式会社|アップサイクルサービス

山陽製紙は、創業90年を超える再生紙メーカーとしての技術を活かし、オフィスから出る廃棄物を「企業の資産」へと再定義する「PELP!(ペルプ)」という循環型サービスを展開しています。
オフィスで不要になったコピー用紙を専用の「PELP! BAG」に投入し、これを同社の工場で加工し、オリジナルの名刺、封筒、ノートなどのオフィス用品へアップサイクルして顧客に還元します。
(2)石坂産業株式会社|再資源化率98%の全天候型再資源化プラント

石坂産業はかつてダイオキシン問題などの逆風にさらされた経験から、徹底した情報公開と技術革新へと舵を切り、現在では建設廃棄物の再資源化率98%という、世界トップクラスの循環型モデルを実現しています。
一般的にはリサイクルが困難とされる「混合廃棄物(土砂、木くず、プラスチックなどが混ざったもの)」を、最新の機械と熟練した職人の手作業により12品目以上に精密分別しています。これにより、廃棄物のほとんどを高品質な再生砕石や木材チップなどの「資源」として再び市場へ供給しています。
(3)株式会社大川印刷|環境負荷低減の環境印刷

横浜市に拠点を置く創業140年超の老舗、株式会社大川印刷は、印刷プロセスのすべてにおいて環境負荷を極限まで低減した環境印刷を展開しています。
2019年に本社工場での使用電力を100%再生可能エネルギーに切り替え、印刷工程で発生するCO2を実質ゼロにしました。さらに、削減しきれない排出分についてはカーボンオフセットを行い、クライアントが作成する印刷物にCO2排出量ゼロを証明するマークを付与できる仕組みを構築しています。
(4)中野製薬株式会社|責任ある原材料調達

プロフェッショナル向けヘアケア製品を展開する中野製薬は、原材料の調達から廃棄に至るまで、透明性の高い「責任あるモノづくり」を推進しています。
製品パッケージの薄肉化によるプラスチック使用量の削減に加え、再生プラスチック(PCR素材)や植物由来のバイオマスプラスチックへの切り替えを加速させています。また、サロン現場での廃棄物削減に貢献するため、詰替え用製品(レフィル)の拡充を長年にわたり継続しています。
(5)北海道アルバイト情報社|環境に配慮した事業活動

求人情報メディア「アルキタ」や「ジョブキタ」を展開する株式会社北海道アルバイト情報社は、地域に根ざした企業として、自社の活動を可視化し、地域社会と共生するサステナビリティを追求しています。
独自の環境方針に基づき、電力使用量やコピー用紙の消費、廃棄物排出量の削減目標を策定。節電の徹底や社内業務のデジタル化(ペーパーレス化)を推進し、その成果を数値化して定期的に公表しています。
3.環境対策を企業ブランディングへ活かす方法

環境対策は適切に発信・設計することで、企業の独自性を際立たせ、顧客・求職者・投資家からの信頼を獲得する強力なブランディング資産になります。ここでは、環境対策をブランド価値へと転換するための5つの実践的アプローチを解説します。
(1)独自ストーリーを定義する
環境対策をブランディングに活かす第一歩は「なぜ自社がこの取り組みをするのか」という固有のストーリーを言語化することです。「CO2削減」「廃棄物ゼロ」といった目標は、多くの企業が共通して掲げるため、自社の事業特性・創業理念・過去の失敗体験などと結びついた「この会社だからこそ取り組む理由」を語ることが求められます。
(2)情報の透明化によって、信頼の基盤を構築する
環境への取り組みをブランドに昇華させるためには、成果の数値化と定期的な開示が不可欠です。具体的には、以下のような情報をできる限り定量的に開示することが求められます。
- CO2排出量・削減率(スコープ1/2/3別)
- 再生可能エネルギーの導入比率
- 廃棄物の排出量・リサイクル率
- 水使用量・削減目標の達成状況
- サプライチェーンへの要請内容と進捗
グリーンウォッシング(実態を伴わない環境訴求)への社会的警戒が強まる中、誠実な情報公開こそが長期的な差別化要因になります。
(3)製品・サービスに体験を組み込む
環境対策を顧客が直接体感できる形に落とし込むことで、ブランド認知と愛着は飛躍的に高まります。
製品・サービスへの体験組み込みは、必ずしも大規模な仕組みである必要はありません。たとえば、以下のような取り組みでも十分な効果が期待できます。
- 詰替え容器の提供によるプラスチック削減への参加機会の創出
- 購入商品にCO2排出量を表示し、顧客自身が選択の判断基準を持てるようにする
- 環境配慮型商品の購入者向けに、取り組みの進捗を報告するニュースレターを配信する
「環境に良いことをした」という顧客の自己効力感を高める設計が、リピートと口コミの好循環を生みます。
(4)社内人材を最大の理解者にする
環境対策のブランディングが外部に向けて機能するためには、まず社員一人ひとりが取り組みを自分ごととして語れる状態を作ることが前提条件です。実践的なアプローチとしては、以下のような施策が有効です。
- 環境目標の進捗を全社会議や社内報で定期共有し、「自分たちが動かしている」という参加感を醸成する
- 部門ごとの省エネ・廃棄物削減実績を可視化し、チーム単位での改善活動を促す
- 新入社員研修に環境方針・事例を組み込み、入社初期から自社の姿勢を伝える
社内外への情報共有を一体的に設計することで、組織全体のエンゲージメントと対外的な信頼性を同時に高めることができます。
(5)発信のトーン&マナーを最適化する
環境対策の発信において、「正しいことを伝えているのに伝わらない」というミスマッチは珍しくありません。その多くは、発信するチャネルやトーンがターゲットとズレていることに起因します。
例えば、投資家・機関向けにはESGスコアや数値目標の達成状況を重視した開示が求められる一方、一般消費者向けにはSNSや動画を活用した「わかりやすく・共感できる」コンテンツが有効です。また、環境訴求は「義務感・重さ」を感じさせないことも重要です。
発信の一貫性を保つために、自社の環境発信における「キーワード・トーン・禁止表現」などをまとめたガイドラインを作成しておくことも、ブランドの長期的な信頼構築に役立ちます。
4.まとめ
CO2削減・再生可能エネルギーの導入・資源循環・廃棄物削減といった取り組みは、エネルギーコストや原材料費の削減、サプライチェーンリスクの低減、そして投資家・取引先・消費者からの信頼獲得へと直結します。環境対策への投資は、中長期的な経営の安定性と成長性を高める戦略的な意思決定です。
サーキュラーエコノミーへの移行を進める上では、自社の資源循環の実態を把握し、具体的なスキームを設計することが重要です。特に鉄を主原料とする製品・設備の廃棄や資源循環にお困りの場合は、五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」にご相談ください。


