企業のコスト削減事例を知ることで、削減余地のある費用項目や、自社に取り入れやすい施策の方向性を具体的に整理しやすくなります。
本記事では、企業のコスト削減25事例を製造工場・オフィス業務を含めて紹介し、あわせてコスト削減の主な分野や目標設定の方法、目標例まで詳しく解説します。
五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」は、現場の廃棄物分析による見えないコストの特定を起点に、資源の再資源化や高効率な供給網への構造変革を強固に支援します。コスト削減をによって長期的な競争優位へと転換したい場合には、ぜひご相談ください。
1.企業の包括的なコスト削減20事例
(1)トヨタ自動車|トヨタ生産方式によるムダの排除と生産効率の向上

トヨタ自動車は、トヨタ生産方式を通じてムダの徹底的排除と生産効率の向上を進めています。必要なものを必要な時に必要なだけつくり、工程全体を流れるようにつなげるジャスト・イン・タイムと、異常時に設備や作業を止めて不良の流出を防ぐ自働化です。
前者は在庫や停滞を抑えてリードタイム短縮につなげ、後者は品質を工程でつくり込みながら省人も実現します。
(2)三菱UFJフィナンシャル・グループ|デジタル活用による業務効率化の取り組み

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、デジタル技術を活用して業務プロセスの見直しと金融サービスの高度化を進めています。金融機関を取り巻く環境のデジタル化に対応するため、従来の紙や対面を前提とした業務を見直し、データやデジタル基盤を活用した業務運営へ移行しています。
こうした取り組みでは、働き方や社内コミュニケーションの仕組みも含めて改革を進め、業務の煩雑さを減らしながら効率化を図っています。
(3)ソフトバンク|生成AIとRAGによる社内規程検索の効率化

ソフトバンクは、社内手続きや規程確認の効率化を目的として、生成AIとRAG(検索拡張生成)を組み合わせた社内検索システムを導入しました。
PDFやExcel形式の文書を構造化し、生成AIと連携させることで社内文書を横断的に検索できる環境を構築しています。
特にExcelの表データについては構造化処理を導入することで回答精度を改善しました。導入後約2.5カ月で延べ1.1万回利用され、約2,800時間分の業務時間が創出されたとされています。
(4)日本通運|倉庫管理システムとミルクラン配送による物流コストの最適化

日本通運は、自動車部品物流において倉庫管理システムと輸送方法の見直しを組み合わせ、物流全体の効率化とコスト最適化を進めています。自動車メーカー向け物流では、工場近接の門前倉庫を拠点として在庫管理、輸送、納入業務を一体的に運用する体制を構築しています。
倉庫ではWMSを活用し、在庫状況や入出荷情報をデータで管理することで在庫量の最適化を図っています。
(5)日産|社用車のEV化による燃料費・運用コストの削減

日産は、社用車の運用コスト削減策として電気自動車(EV)の導入を提案しています。EVはガソリン車と比較して燃料費に相当する電力コストを抑えられる可能性があり、運用コストの低減につながるとされています。
また、大容量バッテリーを活用することで停電時の電源としても利用でき、BCP対策としての活用も想定されています。
(6)セブンイレブン|資源循環と食品ロス削減による環境負荷・廃棄コストの低減

セブンイレブンは、店舗運営や商品供給の過程で発生する廃棄物削減を目的として、資源循環と食品ロス削減の取り組みを進めています。店舗で回収したペットボトルを再び飲料容器として再利用する「ボトルtoボトル」のリサイクルを実施し、回収した容器は再生PET樹脂として資源化されています。
また、余剰食品を地域団体を通じて生活支援を必要とする家庭へ提供する取り組みも行われています。
(7)ファーストリテイリング|サプライチェーン改革による生産・流通コストの効率化

ファーストリテイリングは、商品企画から生産、物流、販売までを一体で管理するサプライチェーン体制を構築し、生産・流通コストの効率化を進めています。ユニクロ事業では、素材調達、商品企画、生産、物流、店舗販売までの工程を統合的に管理しています。
また「有明プロジェクト」により、工場、倉庫、店舗、ECをデジタル技術で連携させ、顧客需要の情報をサプライチェーン全体で共有する仕組みを整備しました。これにより、生産や配送のタイミングを最適化し、在庫管理と物流運営の効率化を図ることで、事業運営全体のコスト構造の改善を進めています。
(8)ニトリホールディングス|SD-WAN導入によるネットワーク運用コストの削減

ニトリホールディングスは、店舗や物流拠点の増加とクラウド利用拡大に伴うネットワーク負荷に対応するため、従来型WANからSD-WANへ移行し、ネットワーク構成の見直しを行いました。拠点から直接インターネットやクラウドへ接続するインターネットブレイクアウトを導入し、従来データセンター経由だった通信を最適化しています。
また、データセンターの機器構成を見直して拠点を集約したことで、回線費用や機器保守費などのランニングコストを約20%削減しています。
(9)メルカリ|リユース促進による資源利用と廃棄コストの抑制

メルカリは、不要品を再流通させるリユース型マーケットプレイスを通じて、資源利用の効率化と廃棄量の抑制に取り組んでいます。中古品が新品の代替として流通することで、原材料調達から製造、廃棄までに伴う環境負荷の低減が見込まれます。
FY2025.6 Impact Reportでは、2024年7月から2025年6月の日米合計で、取引による温室効果ガス削減貢献量は約74万トンとされています。日本では衣類取引による廃棄回避量が約4.3万トンで、年間衣類廃棄量の約7.7%に相当すると示されています。
(10)IBM|IT自動化による複雑性コストの削減

IBMは、IT環境の複雑化が企業の運用コスト増加の要因となることを指摘し、ITプロセスの自動化による運用改善の重要性を示しています。IBM Institute for Business Valueの調査では、システムや運用プロセスが複雑化すると管理負荷や非効率な作業が増え、コスト増加やセキュリティリスクにつながるとされています。
AIや生成AIを含むインテリジェントな自動化を導入することで、運用作業の自動化と運用体制の効率化が進み、ITコストを最大28%削減できる可能性があると報告されています。
(11)スカイマーク|機材統一と路線戦略による運航コストの削減
引用:https://www.mlit.go.jp/singikai/koutusin/koku/06_3/images/04.pdf
スカイマークは、航空事業のコスト構造改善を目的として、路線戦略と機材運用の見直しを進めています。高需要路線を中心に就航路線を整理し、運航計画の安定化と拠点運用の効率化を図る方針が示されています。
また、航空機をB737-800型機に統一することで、整備部品や運航要員の共通化を進め、整備費や運航コストの削減を図っています。
(12)スターバックス|フードロス削減プログラムによる廃棄コストの抑制

スターバックスは、食品廃棄物削減を目的として「SAVE FOOD」というフードロス削減プログラムを実施しています。閉店約3時間前を目安にドーナツ、ケーキ、サンドイッチなどのフード商品を20%割引で販売し、余剰在庫を販売につなげる仕組みです。
店舗ごとに在庫状況を管理し、廃棄が見込まれる商品を値引き販売することで廃棄量の抑制を図っています。
(13)資生堂|グローバル構造改革によるコスト構造の最適化

資生堂は、収益基盤の強化を目的としてグローバル規模で構造改革を進め、コスト構造の見直しに取り組んでいます。中期経営戦略では、注力ブランドへの選択と集中や事業ポートフォリオの再編を進め、経営資源を成長領域へ再配分する体制を整備しています。
ブランド戦略や事業体制の見直しを通じて事業運営の効率化を図り、企業全体の収益性改善を進めています。
(14)Amazon Business|購買プロセスの見直しによる間接コストの削減

Amazon Businessは、企業の購買プロセスを見直すことで間接コストの削減を支援するサービスを提供しています。企業の購買業務では、オフィス用品や設備消耗品の発注、承認、支払処理など多くの管理業務が発生し、業務が複雑化すると調達コストや管理工数の増加につながります。
同サービスでは、法人価格や数量割引の提供に加え、購買履歴や支出状況を可視化する機能を備えています。
(15)コストコ|倉庫型店舗と高回転在庫による運営コストの削減

コストコは、会員制の倉庫型店舗モデルを採用し、店舗運営の効率化とコスト管理を進めています。商品は入荷時のパレットのまま売り場に陳列する方式を採用し、補充作業を簡略化することで人件費や作業コストの抑制につなげています。
また、仕入れと販売計画を一体で設計し、高い在庫回転率を維持することで在庫を長期間保有しない運営体制を構築しています。
(16)Overstock.com|返品物流の外部委託による物流コストの削減

Overstock.comは、返品商品の処理コスト増加と倉庫スペース不足に対応するため、返品物流を外部委託する体制を導入しました。UPSと連携し、返品物流の拠点をケンタッキー州ヘブロンに集約し、倉庫、輸送、検品、再出荷を含む返品業務を一体的に運用しています。返品処理拠点を集中化することで、返品商品の検品や再出荷の作業効率を高め、倉庫スペースの確保と返品対応の迅速化を進めました。
(17)欧州小売企業|オフィス利用データ分析によるスペースコスト削減

欧州の多国籍小売企業は、本社オフィスのリース契約更新を前に、実際のオフィス利用状況を把握できていない課題に対応するため、スマートオフィスソリューションを導入しました。座席や会議室の利用状況をデータで可視化し、オフィス利用データの分析を行うことで、スペースの使用実態を把握できる環境を整備しています。
社員は空席情報をリアルタイムで確認できるようになり、オフィス利用の効率化が進みました。
(18)Google|データセンターのAI最適化による電力コスト削減

Googleは、データセンターの電力消費削減を目的として、AIを活用した冷却設備の運用最適化を進めています。データセンターではサーバーの発熱を抑えるため冷却設備に多くの電力が使用されており、電力消費の管理が重要な課題となっていました。
そこでDeepMindのAIを活用し、温度や電力使用量などのデータをリアルタイムで分析しながら冷却設備の運転条件を自動調整する仕組みを導入しています。
(19)Sansan|名刺のデータ化と顧客情報一元管理による業務効率化

Sansanは営業DXサービスを通じて、名刺を全社共有のデータベースへ 変換することで、商談準備や顧客管理のコストを大幅に削減しています。 手入力による名刺登録の工数を省くだけでなく、過去の接点情報を瞬時に 可視化することで、組織的な営業活動の効率を最大化させています。 また不達ダイレクトメールの防止機能により、発送費用の無駄も抑制し 人的リソースをより付加価値の高い業務へ集中させる環境を構築しました。 こうしたデジタル化は、紙の削減という環境負荷低減にも貢献しています。
2.製造工場におけるコスト削減の3事例
(1)日本製鉄|製鉄所のエネルギー効率改善による生産コスト削減

日本製鉄は、製鉄工程のエネルギー効率改善とCO₂排出削減を目的として、製造プロセスの革新を進めています。従来の高炉―転炉プロセスでは鉄鋼1トンの生産につき約2トンのCO₂が排出されるとされており、エネルギー利用の改善が課題となっていました。
これに対し、大型電炉による高級鋼製造や水素を活用した還元鉄製造、高炉での水素還元技術の開発を進めています。
(2)デンソー|工場の省エネルギー化によるエネルギーコスト削減

デンソーは、製造工程のエネルギー使用量削減を目的として、省エネルギー技術の開発と工場設備の見直しを進めています。従来のエアー洗浄工程では大量の圧縮エアーを使用していましたが、電動ブロワーを活用した「吹き付け・吸引一体型エアー洗浄システム」を開発しました。
低圧の風でも作動するエジェクタを採用し、従来工程よりエネルギー消費を抑えた洗浄方式を実現しています。製造部門の12工程に導入した結果、原油換算で年間3.9kLのエネルギー削減が確認されています。
参考:https://www.denso.com/jp/ja/news/newsroom/2024/20241216-01/
(3)パナソニック|スマートファクトリー化による生産効率と製造コストの最適

パナソニックは、IoTやAIを活用したスマートファクトリー化を進め、生産工程の効率化と製造コストの管理に取り組んでいます。工場設備や生産ラインのデータをセンサーやネットワークを通じて収集し、クラウド上で統合管理することで、生産状況や設備稼働の可視化を実現しています。
これにより工程の異常やボトルネックを把握しやすくなり、生産計画や設備運用の改善につなげることが可能になります。
3.オフィス業務におけるコスト削減の3事例
(1)サントリー|契約・稟議のペーパーレス化による業務工数の削減

サントリーは、契約書作成、稟議、捺印、支払などの業務をデジタル化し、ペーパーレス化による業務工数削減を進めています。稟議、契約書作成・捺印、文書保管、支払までの業務をワークフローシステムで連携し、電子保管、電子請求書、AI-OCRなどの技術を活用して業務プロセスを一体管理する仕組みを構築しました。
2020年6月から運用され、国内グループ約1万人が利用しています。
(2)イオン|クラウド利用の最適化によるITインフラコストの削減

イオンは、クラウド基盤として利用するMicrosoft Azureの運用コスト増加に対応するため、SREチームを中心にクラウド利用の最適化を進めました。予約購入の活用、ログ基盤の整備、異常検知アラートの導入などの施策を実施し、Azureの利用状況を分析しながら不要なリソースの削減や運用方法の見直しを進めました。
これによりクラウド運用の効率化を図り、ITインフラコストの削減に取り組んでいます。
(3)MIC株式会社|社用携帯の運用見直しによる通信費と管理コストの削減

MIC株式会社は、社用携帯の通信費が利用状況によって変動しやすく予算管理が難しい課題に対応するため、MVNOから楽天モバイル法人プランへ切り替えました。通話無料アプリ「Rakuten Link Office」を活用することで通話やSMSの料金管理を行い、通信費の定額化を進めています。
これにより通信費の管理が効率化され、利用状況確認や請求管理にかかる作業時間は従来の約3分の1まで削減されています。
4.企業のコスト削減の主な分野

企業のコスト削減は、特定の費用項目だけでなく、業務運営や資源利用の仕組み全体を見直すことで進められます。企業活動には人件費、物流費、設備費、販促費などさまざまなコストが存在し、それぞれに異なる管理方法や改善手法があります。
ここでは、企業で実施されているコスト削減の主な分野を解説します。
(1)業務効率化・デジタル化によるコスト削減
業務効率化・デジタル化によるコスト削減は、業務プロセスをデジタル技術で見直し、作業時間や人手を削減する取り組みです。RPAやAI、クラウド、ワークフローシステムなどを導入することで、定型業務の自動化や情報処理の効率化が進みます。
また、データ共有や業務状況の可視化により、部門間の情報連携や意思決定の迅速化が可能になります。
(2)購買・調達の見直しによるコスト削減
購買・調達の見直しによるコスト削減は、仕入れ価格や契約条件、購買方法を見直すことで調達費用を抑える取り組みです。企業では原材料や設備、消耗品などを継続的に購入しており、購買方法の違いが支出構造に影響します。
複数部門で分散している購買を統合する集中購買を行うことで、取引量の増加によるスケールメリットを活用できます。
(3)物流・サプライチェーンの最適化によるコスト削減
物流・サプライチェーンの最適化によるコスト削減は、在庫管理や輸送計画、物流管理体制を見直し、物流運用を効率化する取り組みです。在庫管理の高度化により過剰在庫や欠品を抑制し、保管コストや機会損失の低減につながります。
また、配送ルートや輸送方法を見直すことで車両の積載率や輸送効率を高め、輸送コストの削減が可能になります。
(4)オフィス・設備・エネルギー管理によるコスト削減
オフィス・設備・エネルギー管理によるコスト削減は、施設利用や設備運用、エネルギー消費を管理し固定費を抑える取り組みです。オフィススペースの利用状況を分析し、レイアウト変更や契約面積の調整を行うことで施設コストの削減につながります。
また、電力使用量の管理や省エネルギー設備の導入により、日常的なエネルギー消費を抑えることが可能です。
(5)人件費・働き方改革によるコスト削減
人件費・働き方改革によるコスト削減は、業務プロセスの見直しと働き方の改善を通じて人件費と労務管理コストを抑える取り組みです。業務の自動化や業務プロセス改善により作業負担を減らし、人員配置の最適化を進めることができます。
また、テレワークなど柔軟な働き方を導入することで通勤やオフィス利用に伴う制約を減らし、業務運営の効率化につながります。
【事例】損害保険ジャパン|「ジョブ型」人事制度への移行と業務自動化による人員配置最適化
損保ジャパンは、RPAやAIを活用した業務効率化によって創出した時間を、より専門性の高い「ジョブ型」の業務へシフトさせる取り組みを行っています。 定型業務の自動化により、既存の膨大な事務工数を削減すると同時に、介護やデジタルなど成長分野への人員配置転換をスムーズに実施しました。 単なる人員削減ではなく、人的リソースを付加価値の高い領域へ再配置することで、組織全体のコストパフォーマンスと収益力を高めています。
参考:【働き方・仕事のやり方改革】 「損保ジャパン版ジョブ型制度」の導入
(6)マーケティング・販促費の最適化によるコスト削減
マーケティング・販促費の最適化によるコスト削減は、広告投資の効果を分析しながら販促活動の効率を高める取り組みです。広告効果をデータで検証し、成果の低い施策を見直すことで広告費の配分を調整できます。
また、デジタルマーケティングを活用することで広告配信の管理や効果測定を行い、販促費の管理が可能になります。
5.企業におけるコスト削減目標の設定方法と目標例

企業でコスト削減を進めるには、支出状況を把握したうえで、具体的な目標と実行体制を整えることが必要です。削減対象となる費用の特定から、数値目標の設定、実行体制の構築、施策実施後の効果検証までを段階的に整理することで、計画的にコスト管理を進めることができます。
ここでは、企業がコスト削減を進める際の基本的な進め方を解説します。
(1)現状のコスト構造を分析し削減対象を特定する
コスト削減を進めるには、まず企業の支出構造をデータで把握する必要があります。財務データや管理会計を用いて支出内容を整理し、費用の発生状況を可視化します。
そのうえで、主要なコスト項目ごとに費用構成を確認し、削減検討の対象となる分野を整理します。
| コスト区分 | 主な内容 |
|---|---|
| 人件費 | 給与、賞与、社会保険料など |
| 調達費 | 原材料、設備、消耗品の購入費 |
| 物流費 | 輸送費、保管費、配送関連費用 |
| 設備費 | 設備投資、保守費、エネルギー費 |
支出額だけでなく業務プロセスや運用方法もあわせて確認することで、費用が発生している要因を把握できます。
(2)削減可能なコスト項目ごとに数値目標を設定する
コスト削減施策を実行するには、削減対象となる費用項目ごとに具体的な数値目標を設定する必要があります。人件費、購買費、エネルギー費などの主要コストを整理し、削減額や削減率などの指標を設定することで、施策の進捗と成果を確認できるようになります。
| コスト項目 | 目標設定の例 |
|---|---|
| 人件費 | 残業時間を前年比10%削減 |
| 購買費 | 仕入れ価格を5%削減 |
| エネルギー費 | 電力使用量を年間8%削減 |
| 物流費 | 輸送コストを年間6%削減 |
目標設定では、過去の支出データやコスト推移を確認し、実行可能な削減水準を検討します。数値目標を明確にすることで、施策実施後に実績との比較が可能となり、削減効果を定量的に把握できる体制を整えることができます。
(3)短期・中期など期間ごとの削減目標を設定する
コスト削減施策を継続的に進めるには、実施期間ごとに目標を整理する必要があります。年度内に実行可能な短期施策と、複数年で進める中期施策を分けて計画を立てることで、削減の進め方を段階的に整理できます。
| 期間区分 | 主な施策例 |
|---|---|
| 短期(年度内) | 契約条件の見直し、運用改善、在庫管理の見直し |
| 中期(2〜3年) | 設備更新、システム導入、物流体制の再設計 |
短期では運用方法や契約条件の見直しなど比較的早期に実行できる施策を設定します。一方、中期では設備投資やシステム導入などコスト構造に影響する施策を計画します。施策ごとに実行時期と評価時点を設定することで、進捗確認と効果測定を行える体制を整えることができます。
(4)部門ごとの責任範囲とKPIを設定する
コスト削減施策を実行するには、担当部門ごとに役割と目標指標を整理する必要があります。購買、物流、設備管理、ITなど施策内容に応じて担当部門を定め、各部門の責任範囲を明確にします。
| 担当部門 | 主なKPI例 |
|---|---|
| 購買部門 | 仕入れコスト削減率 |
| 物流部門 | 輸送コスト削減率 |
| 設備管理部門 | エネルギー使用量削減率 |
| IT部門 | システム運用コスト削減額 |
KPIとして削減額や削減率などの指標を設定することで、施策の達成状況を確認できます。定期的に進捗を確認し、目標との差異を把握することで、部門単位の管理と全社共有を行いながらコスト管理を進める体制を整えます。
(5)実行後の効果測定と継続的な改善を行う
コスト削減施策は、実行後に結果を検証することで効果を把握できます。事前に設定した目標値と実績値を比較し、削減額や削減率などの結果を確認することで、施策の成果を客観的に評価できます。
| 確認項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 実績比較 | 目標値と実績値の差異を確認 |
| 要因分析 | 計画との差異が生じた原因を整理 |
| 横展開 | 成果が確認された施策を他部門へ共有 |
| 改善対応 | 運用状況に応じた施策の見直し |
成果が確認された施策は他部門や他拠点へ展開し、組織全体のコスト管理に活用します。あわせて運用状況や外部環境の変化に応じて施策を見直し、継続的に改善を進めることで、コスト削減の取り組みを維持できます。
6.まとめ
企業のコスト削減は、人件費や調達費、物流費、設備費などの支出構造を把握し、削減対象を明確にすることから始まります。業務効率化や購買管理、物流最適化、設備管理などの分野ごとに施策を検討し、数値目標やKPIを設定することで実行と効果測定が可能になります。
五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」は、現状の資源フローや業務プロセスの精密な分析に基づき、コスト削減を持続可能な競争優位へと直結させる構造変革を強固に支援します。企業のコスト削減にお悩みの場合には、ぜひご相談ください。


