鋳物スクラップとは|FC材・FCD材の違いと買取価格、処理の注意点

鋳物スクラップは、同じ鉄系のスクラップでありながら、鋼くずとは性質も取引の扱いも異なります。炭素を多く含むため脆く、溶解時の挙動も違うことから、買取事業者の品目表では「鋳物」「鋳鉄」「鋳物ダライ粉」として鋼くずとは別に区分されています。

素材としては、ねずみ鋳鉄(FC材)と球状黒鉛鋳鉄(FCD材)という明確な違いがあります。ただし、スクラップの買取単価がこの鋼種で分かれているかというと、実務はやや異なります実際に価格を動かしているのは、形状と異物の混入状況です。

本記事では、鋳物スクラップの定義と鋼くずとの違い、FC材・FCD材の特徴と買取実務での扱い、鋳物ダライ粉の取り扱い、発生源、価格を左右する要因、そして処理・売却時の注意点を整理します。

五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」は、鉄を主原料とする製品・設備の廃棄や資源循環を起点に、サーキュラーエコノミーへの移行を支援するサービスです。 廃棄物を国内製鉄所等へ還流させるクローズドループの構築など、カーボンニュートラルや循環型社会の実現に向けた取り組みを、コスト削減と両立する形で支援します。鋳物工場や機械メーカーで継続的に発生する金属スクラップの回収・再資源化スキームを検討したい場合にはぜひご相談ください。

目次

1.鋳物スクラップとは|鋼くずとの違い

鋳物スクラップは、鉄系スクラップのなかでも鋼くずとは別枠で扱われる品種です。

(1)鋳物スクラップの定義

鋳物とは、溶かした金属を鋳型に流し込んで成形した製品を指します。鋳物スクラップは、その製造過程や使用後に発生する金属くずです。

素材としての鋳鉄は、鉄を主成分に炭素を2.14〜6.67%、およびケイ素を数%含む合金です。炭素含有量が2.1%未満で鋳造される材料は鋳鋼に分類され、鋳鉄とは区別されます。一般的な鋼材の炭素量が2%未満であることを踏まえると、鋳鉄は炭素を多く含む素材ということになります。

廃棄物処理法上は、事業活動に伴って排出された鋳物スクラップは産業廃棄物の「金属くず」に該当します。金属くずは業種指定のない品目であり、鋳物工場、機械メーカー、解体現場のいずれから排出されても同じ扱いです。

金属くずの基本的な区分や有価物としての判断基準については、「産業廃棄物の金属くずとは?有価物の判断、スクラップごとの違い等」で整理しています。

(2)鋼くずとの性質・取引上の違い

鋳物が鋼くずと別枠で扱われる理由は、素材としての性質の違いにあります。

炭素を多く含む鋳鉄は、鋳造性と耐摩耗性に優れ、振動を吸収する特性を持つ一方、延性が乏しく脆く割れやすいという性質があります。曲げや圧延といった塑性加工には向かず、溶接も鋼材より難易度が高くなります。

この違いは、スクラップとしての扱いにも表れます。鋳物は再溶解の際の成分挙動が鋼くずと異なるため、製鋼原料としての用途が分かれます。買取事業者の品目表を見ても、ヘビースクラップや新断といった鋼系の区分とは別に、「鋳物」「鋳鉄」「銑鉄」「鋳物ダライ粉」「銑ダライ粉」といった項目が並んでいるのが一般的です。

つまり、鋳物を鋼くずに混ぜて出すことは、双方にとって不利になります。受け入れ側は成分管理ができず、排出側は本来の単価で評価されません。鋳物工場や機械加工工場では、この分別が日常の運用として重要になります。

鉄スクラップ全体の分類や検収規格の考え方については、「産業廃棄物の鉄くずとは?マニフェストや買取時の注意点、リサイクル」で解説しています。

日本鉄リサイクル工業会の資料では、2008年の国内鉄スクラップ供給量は4,727.1万トン、国内消費量は4,592.7万トンです。消費先には「鋳物用他」として571.7万トンが明示され、電炉用や転炉用とは別の需要ルートが形成されています。これは、鋳物関連の原料が製鋼用スクラップと同一条件で扱われないことを補足するデータです。ただし、鉄スクラップ全体の2008年実績であり、鋳物スクラップ単体の流通量や現在の需給を示すものではありません。

(3)有価物として売却できる場合と産業廃棄物として処理する場合

鋳物スクラップも、取引の実態によって有価物と産業廃棄物のどちらにもなり得ます

買取価格が運搬費などを上回れば有価物として扱われ、廃棄物には該当しません。逆に、買取額より運搬・処理費用が上回る逆有償の状態では、産業廃棄物として委託手続きが必要になります。

鋳物の場合、単価が鉄系スクラップのなかでも低めに設定される傾向があるため、少量・遠隔地では逆有償になりやすい点に注意が必要です。とくに鋳物ダライ粉は嵩に対して単価が低く、運搬効率が判断を左右します。

2.鋳物の種類と分類|価格差が生まれる理由

鋳物には素材としての明確な分類がありますが、スクラップ取引での扱いはやや異なります。

(1)FC材(ねずみ鋳鉄)とFCD材(ダクタイル鋳鉄)の違い

鋳鉄の代表的な区分が、ねずみ鋳鉄(FC材)と球状黒鉛鋳鉄(FCD材)です。両者の違いは、組織中に含まれる黒鉛(グラファイト)の形状にあります。

FC材(ねずみ鋳鉄)FCD材(球状黒鉛鋳鉄・ダクタイル鋳鉄)
JIS規格JIS G5501「ねずみ鋳鉄品」JIS G5502「球状黒鉛鋳鉄品」
黒鉛の形状片状球状
鋼種FC100〜FC350の6鋼種別鋳込み供試材で10鋼種ほか
強度・靭性脆く、延性に乏しいFCの数倍の強度。靭性・延性に優れる
主な用途工作機械のベッド、シリンダー、設備部品自動車部品、上下水道用ダクタイル鋳鉄管、マンホール蓋

FC材の型番の数字は引張強さの下限値を示します。FCD材では、数字が引張強さの下限値、ハイフンの後の数字が伸びを示します。FCDの「D」はDuctile(展延性がある)に由来し、黒鉛が球状に分散することで素地の強度が活かされ、強靭性が高くなる仕組みです。

このほか、急冷によって炭素がセメンタイトとして析出した白鋳鉄、ねずみ鋳鉄と白鋳鉄が混在するまだら鋳鉄、可鍛鋳鉄などの区分もあります。

日本機械学会の回転曲げ疲労試験では、疲労限度はFC材115MPa、FCD材260MPaで、FCD材はFC材の約2.3倍でした。引張強さもFC材301MPaに対してFCD材541MPaです。黒鉛を球状化したFCD材が、片状黒鉛のFC材より強度面で優れるという本節の説明を具体的に補足します。ただし、数値は特定の化学組成、試験片形状、回転速度50Hzで得られた結果です。すべてのFC・FCD材の一般値や、スクラップ買取時の価格差を示すデータではありません。

(2)スクラップ取引では鋼種で区分されないことが多い

ここで押さえておきたいのが、素材としての区分と、スクラップとしての取引区分は一致しないという点です。

買取事業者が公表する品目表を見ると、鉄系スクラップは「鋳物」「鋳鉄」「銑鉄」「鋳物ダライ粉」「銑ダライ粉」といった括りで設定されており、FC材・FCD材を分けて単価を提示している例は一般的ではありません

理由は、スクラップの検収が化学成分ではなく、形状、重量、異物の混入状況といった外形的な基準で行われるためです。FC材とFCD材は外観からの判別が難しく、現場での検収に馴染みません。

したがって、排出側が意識すべきは鋼種の分別ではなく、形状別・材質別の分別になります。具体的には、鋳物と鋼くずを混ぜないこと、塊状のものとダライ粉を分けること、砂や他金属を混入させないことです。

ただし、自社が製造している製品の材質を把握しておくことには意味があります。自社発生分の鋳物であれば、鋼種と発生工程が明確であり、それ自体が品質の裏づけになります。継続的に取引する場合は、材質情報を提示したうえで条件を交渉する余地があります。

(3)鋳物ダライ粉の特性と取り扱い

鋳物スクラップのなかでも、独自の扱いを受けるのが鋳物ダライ粉です。

鋳物ダライ粉は、鋳物製品を旋盤やフライス盤で切削加工する際に発生する削りくずです。鋼のダライ粉と比べて、鋳鉄は脆いため粉状・粒状になりやすく、嵩張るわりに単位重量あたりの価値が低くなります。

取り扱い上の論点は3つあります。ひとつは切削油の付着です。加工時の油分が残ったままでは、受け入れ条件を満たさないか、減額の対象になります。ふたつめは保管方法です。粉状であるため飛散しやすく、湿気を含むと固結や発錆が進みます。屋内でのフレコンやドラムでの保管が基本になります。

三つめが混入の管理です。買取事業者のなかには、鋳物以外のものが混入している場合は買い取れないと明示しているところもあります。鋼のダライ粉と鋳物のダライ粉が同じ回収容器に入ると、双方が評価を落とします。加工機ごと、材質ごとに回収容器を分ける運用が、そのまま単価条件につながります。

3.鋳物スクラップの発生源・具体例

鋳物スクラップは、製造工程と使用後の双方から発生します。

(1)鋳物工場・鋳造メーカー

鋳造の工程そのものが、鋳物スクラップの主要な発生源です。

鋳造では、製品部分以外に湯道(ランナー)、押湯(せき)、堰といった部分が必ず発生します。これらは製品を取り出した後に切り離され、スクラップになります。加えて、寸法不良や鋳巣などの内部欠陥による不良品も発生します。

これらは材質が明確で、他材料の混入がないという特性があります。ただし、鋳型に使用した砂が付着している場合があり、除去の程度が評価に影響します。

(2)工作機械・産業機械

鋳鉄は振動吸収性に優れるため、工作機械のベッドやフレームに広く使われています。

旋盤、フライス盤、マシニングセンタなどのベース部分は鋳物製であることが多く、設備更新や工場閉鎖の際にまとまった量が発生します。1台あたりの重量が大きいため、数量としては相当量になります。

なお、工作機械全体としての処分では、鋳物部分だけでなく鋼材や電装品も含まれます。設備単位での処分の考え方については、別途整理が必要です。

経済産業省「生産動態統計」に基づく図では、2021年8月の銑鉄鋳物生産量は、産業機械器具用が3万2,231トン、金属工作・加工機械用が7,441トンです。2011年上期平均はそれぞれ4万5,723トン、1万888トンで、長期的な変動を伴いながら一定規模の生産が続いています。この継続生産が、設備部品や加工工程から鋳物スクラップが発生する背景を補足します。ただし、生産量は廃棄量ではなく、設備更新時期や製品寿命によってスクラップ化する時期と数量は変わります。

(3)自動車部品

自動車には、エンジンブロック、ブレーキドラム、ブレーキディスク、各種ハウジングなど多くの鋳物部品が使われています。

整備工場での部品交換や、使用済自動車の解体に伴って発生します。ブレーキ部品は摩耗により定期的に交換されるため、整備工場では継続的に発生する品目です。

ただし、他部品と一体になったまま排出されると混合金属くずとして扱われます。取り外した部品を材質ごとにまとめることが条件を整える前提になります。

経済産業省「生産動態統計」によると、2021年8月の自動車用銑鉄鋳物生産量は14万1,085トンで、前月比26.1%減、前年同月比9.3%増でした。2007年平均を100とした指数は63.5ですが、他用途と比べても大きな生産規模が確認できます。これは、エンジンやブレーキなど自動車部品が鋳物スクラップの主要な発生源になり得ることを補足します。ただし、生産統計であって、整備工場や使用済自動車から同じ月に発生するスクラップ量を示すものではありません。

(4)インフラ・建築設備

公共インフラや建物設備にも、鋳物は多く使われています。

代表的なのが、マンホール蓋、上下水道用のダクタイル鋳鉄管、各種バルブ、ポンプのケーシングです。これらは強度と耐久性が求められる用途であり、FCD材が使われることが多い領域です。

道路工事や配管更新工事に伴って発生しますが、土砂やコンクリート、塗装が付着していることが多く、除去の程度が評価に影響します。

4.鋳物スクラップの処理方法

鋳物スクラップは、再溶解によって繰り返し利用できる素材です。

(1)リサイクル処理(回収・再溶解)

鋳物スクラップの基本的な処理は、再溶解による原料化です。

回収された鋳物スクラップは、選別・加工を経てキュポラや電気炉で溶解され、再び鋳物の原料になります。成分調整を行うことで、必要な材質の鋳物として再生されます。鉄という素材の特性上、品質を大きく落とさずに循環させられる点は鋼材と共通です。

環境省の令和5年度実績では、産業廃棄物の再生利用率は金属くずが95.4%と、産業廃棄物全体のなかでも高い水準にあります。鋳物スクラップも金属くずとして高い再資源化可能性を持ちますが、砂や切削油、他金属が混入した状態では、このルートに乗せられません。なお、この数値は全国の金属くず全体の実績であり、鋳物単体の再生率を示すものではありません。実際の受入可否は、形状、付着物、分別の程度、受入業者の条件によって変わります。

鋳物も鋼材も、再溶解を経て繰り返し製品に戻せる点は共通しています。鉄鋼製品ごとのリサイクル性や、素材を循環させる取り組みの事例については、「鉄のサーキュラーエコノミー|事例や鉄鋼製品一覧、リサイクル性も」で解説しています。

(2)産業廃棄物として処理が必要なケース

有価売却が成立しない場合は、産業廃棄物として処理します。

該当するのは、鋳型の砂が大量に付着しているもの、切削油や薬品による汚染があるもの、樹脂やゴムと一体化して分離が困難なもの、そして少量かつ遠隔地で逆有償になるものです。

産業廃棄物として委託する場合は、産業廃棄物収集運搬業許可と処分業許可を持つ業者と書面で契約を締結し、品目に金属くずを明記したうえでマニフェストを交付します。切削油が別に発生する場合は、廃油としての区分も必要になります。

5.鋳物スクラップの買取・価格相場

鋳物スクラップの価格は、形状と混入状況、そして市況で決まります。

(1)価格相場の目安

鋳物スクラップの単価は、鉄系スクラップのなかでも低めの水準に設定されるのが一般的です。

参考として、2026年7月時点である買取事業者が公表していた価格を並べると、水準の関係が確認できます。

品目単価の目安
敷鉄板59.5円/kg
ギロチン材C51.5円/kg
ガス切材47円/kg
鉄ダライ粉25.5円/kg
鋳物ダライ粉21.5円/kg

同じダライ粉でも、鋳物は鉄より低い水準であることがわかります。塊状の鋳物くずについては事業者ごとに別品目として設定されるため、対象物の形状を伝えたうえで確認してください。

なお、これらは特定の事業者が特定時点で公表していた値であり、地域、数量、持ち込みか引き取りかによって条件が異なります。鉄スクラップ相場は日々変動するため、売却判断にあたっては複数社から直近の条件を取得してください。

図では、鉄スクラップ価格が2008年に1トン7万円を超える水準まで上昇した後、同年後半には1万円前後まで急落し、その後再び上昇しています。短期間でも数万円単位で変動し得ることから、鋳物スクラップの有価売却と逆有償の境界が市況によって変わるという本節の説明を補強します。ただし、対象は2005~2010年の一般的な鉄スクラップ価格であり、鋳物・鋳物ダライ粉の単価や現在価格を直接示すものではありません。地域、品位、数量、運搬条件も実際の査定額に影響します。

(2)価格を左右する要因

鋳物スクラップの価格は、以下の要素で決まります。

  • 形状:塊状かダライ粉か。ダライ粉は嵩張るため単価が下がる
  • 異物の混入:鋼くず、非鉄金属、樹脂、ゴムの混入
  • 付着物:鋳型の砂、切削油、塗装、土砂、コンクリート
  • 数量:まとまるほど運搬効率が上がり条件が整う
  • 市況:鉄スクラップ相場の変動

このうち、排出側で改善できるのは混入と付着物の管理です。とくに鋳物は単価が低いため、混入によって減額されると有価成立の境界を割り込みやすくなります。

(3)買取不可・減額となるケース

以下に該当する場合、買取が難しくなるか、大幅な減額の対象となります。

  • 鋳物以外の金属が混入しているもの
  • 鋳型の砂が大量に付着したままのもの
  • 切削油が多量に残留しているダライ粉
  • 樹脂やゴム、ベアリングなどと一体化しているもの
  • 土砂やコンクリートが固着したもの

買取事業者のなかには、鋳物以外のものが混入している場合は買い取れないと明示しているところもあります。鋼くずとの混載は、鋳物側の評価を下げるだけでなく、受け入れ自体を断られる要因になります。

6.鋳物スクラップの処理・売却時の注意点

継続的に発生する事業所ほど、運用の設計が条件を左右します。

(1)委託先の許可確認とマニフェスト

産業廃棄物として処理を委託する場合は、委託先の許可確認が前提になります。

産業廃棄物収集運搬業許可・処分業許可について、有効期限、許可区域、許可品目に金属くずが含まれているかを照合してください。切削油を含む場合は廃油も確認対象です。無許可業者への委託は、委託した排出事業者側も責任を問われます。

一方、有価物として直接売却が成立する場合は、マニフェストの交付は不要です。ただし、運搬途中までは産業廃棄物として扱い、到着後に有価物として買い取る形態では、収集運搬の段階でマニフェストが必要になります。鋳物は逆有償に転じやすい品目であるため、契約形態を書面で確認しておいてください。

(2)分別精度が価格と環境面の双方に効く

鋳物スクラップにおいて、分別精度は売却額に直結する管理項目です。

前章までのとおり、鋳物は鋼くずと混ざれば双方の評価が下がり、砂や油が付着すれば減額されます。単価水準が低い品目であるだけに、減額の影響が相対的に大きくなります。

実務としては、加工機ごと・材質ごとに回収容器を分ける、鋳物とダライ粉を分ける、切削油の切り方を工程に組み込む、屋内で保管するといった運用が有効です。継続的に発生する鋳物工場や機械加工工場では、こうした運用を定着させることで取引条件が安定します。

分別精度の向上は、環境面でも意味を持ちます。材質が明確で異物の少ないスクラップは、そのまま鋳物原料として再生できるため、資源としての価値が保たれます。品目別の売却量と処分量を記録しておくと、社内報告や取引先からの照会にも対応しやすくなります。

7.まとめ

鋳物スクラップは、炭素を多く含む鋳鉄から発生する金属くずであり、鋼くずとは性質も取引区分も異なります。買取事業者の品目表でも「鋳物」「鋳鉄」「鋳物ダライ粉」として鋼系とは別に設定されており、混ぜて排出すると双方の評価が下がります。

素材としては、片状黒鉛のFC材(ねずみ鋳鉄)と球状黒鉛のFCD材(球状黒鉛鋳鉄)に大別され、強度・用途とも大きく異なります。ただし、スクラップの買取実務では鋼種別に単価が設定されることは一般的ではありません。検収が化学成分ではなく形状や異物の混入状況で行われるためです。排出側が意識すべきは鋼種の分別ではなく、形状別・材質別の分別になります。

価格水準は鉄系スクラップのなかでも低めに設定される傾向があり、鋳物ダライ粉は鉄のダライ粉を下回ります。単価が低い分、混入や付着物による減額の影響が相対的に大きく、逆有償の境界も近くなります。回収容器を材質ごとに分け、切削油や砂の管理を工程に組み込むことが、そのまま条件の維持につながります。

サーキュラーエコノミーへの移行を進める上では、自社の資源循環の実態を把握し、具体的なスキームを設計することが重要です。鋳物をはじめとする鉄を主原料とする製品・設備の廃棄や資源循環にお困りの場合は、五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」にご相談ください。

監修

早稲田大学法学部卒業後、金融機関での法人営業を経て、中小企業向け専門紙の編集記者として神奈川県内の企業・大学・研究機関を取材。
2013年から2020年にかけては、企業のサステナビリティレポートの企画・編集・ライティングを担当。2025年4月よりフリーランスとして独立。
企業活動と社会課題の接点に関する実務経験が豊富で、サステナビリティ分野での実践的な視点に基づく発信を強みとしている。