カゴ台車の処分方法|買取とスクラップの違い、費用相場

不要になったカゴ台車(ロールボックスパレット)をスクラップに出すか、買取に出すか。この判断だけで、1台あたり数千円の差が生まれます。

標準的なカゴ台車の自重は45kg前後です。鉄スクラップとして評価した場合、1台あたりの金額は数千円以内にとどまります。一方、中古市場では状態のよいカゴ台車が1万円台で取引されており、買取事業者のなかには1台9,000円の買取実績を公表しているところもあります。同じ1台でも、素材として売るか製品として売るかで金額の桁が変わるということです。

本記事では、カゴ台車の構造と廃棄物区分、買取・スクラップ・廃棄・レンタル切替という4つのルート、査定を左右する仕様と状態、そして処分の手順を整理します。

五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」は、カゴ台車を含む鉄を主原料とする物流機器の廃棄から、金属スクラップとしての回収、国内製鉄所等への還流までを支援します。売却が難しい機器についても、回収した鉄を資源として循環させることで、処分コストの削減と資源循環の両立を図ります。倉庫や店舗の機器入れ替えに伴う処分ルートを検討している場合は、お気軽にご相談ください。

目次

1.カゴ台車を処分する前に確認すること

カゴ台車は単一素材の資材ではありません。処分方法を決める前に、構造と仕様を把握しておく必要があります。

(1)構造と材質を確認する

カゴ台車は、複数の材質が組み合わされた機器です。

主な構成は、スチール製の枠(フレーム)と側面のメッシュパネル、荷物を載せる底板、そして走行のためのキャスターです。このうち底板には樹脂製・鉄製・アルミ製の3種類があり、キャスターにはゴム車輪や樹脂車輪が使われます。

廃棄物としての区分は、この構成に沿って分かれます。フレームとメッシュパネルは金属くず、樹脂製の底板や車輪の樹脂部分は廃プラスチック類、ゴム車輪は素材によって区分が変わります。フレームだけを見て「金属くず」と一括りにできない点が、処分方法を検討するうえでの出発点になります。

なお、カゴ台車には「カゴ車」「カーゴ車」「ロールボックスパレット」「コンビテナー」など複数の呼称があります。見積もり依頼や検索の際に呼称が異なることがあるため、あわせて押さえておいてください。

(2)規格・仕様を確認する

査定に直結するのが、サイズと仕様の情報です。

カゴ台車には広く流通している標準規格があり、W1100×D800×H1700mmとW850×D650×H1700mmが代表的です。積載荷重は400〜500kg前後の製品が多く、自重は樹脂底で45kg前後、鉄板底では65kg程度になります。

確認しておきたい仕様は以下のとおりです。

確認項目内容
外寸W1100×D800×H1700が標準的。ロータイプ(H1500)などの派生もある
底板の材質樹脂製・鉄製・アルミ製
キャスター4輪自在/自在2輪+ストッパー2輪など。車輪径はφ150mmが一般的
折りたたみL字に折りたためるタイプは保管・輸送効率が高い
メーカーヤマトインダストリー、ワコー、マキテックなど

標準規格から外れたサイズは再販先が限られるため、買取の対象になりにくくなります。逆に、標準サイズで状態がよいものは中古市場での需要が安定しています。処分対象を整理する際は、この仕様を台数とあわせて一覧化してください。

(3)廃棄物区分と有価物の分かれ目

事業で使用したカゴ台車を廃棄する場合、産業廃棄物として処理します。

倉庫、物流センター、店舗などで使用していた機器は事業系の廃棄物であり、自治体の一般ごみや粗大ごみとして出すことはできません。フレームは金属くず、樹脂部分は廃プラスチック類として、それぞれ許可を持つ業者に委託します。

一方、買取が成立して有価物として取引される場合は、廃棄物には該当しません。買取額が運搬費などを上回るかどうかが判断の分かれ目です。

物流機器全般の廃棄物としての位置づけ、委託契約とマニフェストの運用、処分ルートごとの依頼先の選び方については、「物流機器の処分はどこに依頼する?倉庫設備・事業用家電の処分方法を解説」で詳しく解説しています。

2.カゴ台車の処分ルートの選択肢

カゴ台車の処分には、廃棄以外に3つの選択肢があります。

選択肢成立しやすい条件留意事項
買取(リユース・再販)標準サイズで、大きな歪みやサビがなく、キャスターが機能する再販が難しいサイズ・状態は対象外になる
スクラップ売却買取対象外でも鋼材としての重量がある1台あたりの金額は買取に比べて大幅に低い
廃棄(産業廃棄物処理)状態を問わず処分を完結できる処理費が発生。委託契約とマニフェストが必要
レンタルへの切替使用量に季節変動がある、拠点を再編する予定がある継続利用が前提。長期利用では購入が有利な場合も

確認の順序は、買取、スクラップ売却、廃棄です。あわせて、入れ替えのタイミングであれば、次に購入すべきかレンタルにすべきかも検討の余地があります。

(1)買取:リユース・再販に向く条件

状態のよいカゴ台車は、中古物流機器として買取の対象になります。

カゴ台車は規格が標準化されており、構造も単純で耐久性が高いため、中古市場での流通量が多い機器です。買取事業者は、修理や整備を行ったうえで製品として再流通させることを前提に査定するため、素材価格とは別の基準で値付けされます。

買取が成立しやすいのは、標準サイズであること、フレームに大きな歪みやへこみがないこと、著しいサビがないこと、キャスターが正常に回転しストッパーが機能することです。逆に、再販が難しいサイズ、傷やサビ、歪みやへこみがある個体は、通常の買取価格が付かないと明示している事業者もあります。

査定を依頼する際は、メーカー名、外寸、底板の材質、キャスターの仕様、台数、そして状態がわかる写真を用意してください。台数がまとまるほど条件が整いやすい傾向があります。

環境省調査で使用済製品をリユース品として引き渡した経験のある125者に理由を尋ねたところ、「買取による収入が得られた」が31%、「不法投棄等の心配がなかった」と「社内での手間が少なかった」が各30%、「購入時にリユース目的で引き取ってもらえた」が29%でした。売却額だけでなく、管理リスクや社内工数もリユース選択の判断材料になることを示し、廃棄前に買取可否を確認する主旨につながります。ただし、対象はオフィス家具・OA機器等、調査は2015年度で、カゴ台車の買取条件や金額を示すものではありません。複数回答である点にも留意が必要です。

買取対象から外れた個体も、鉄スクラップとして回収されれば再び鋼材に戻ります。鉄鋼製品ごとのリサイクル性や、素材を循環させる取り組みの事例については、「鉄のサーキュラーエコノミー|事例や鉄鋼製品一覧、リサイクル性も」で解説しています。

(2)スクラップ売却:買取対象外でも資源価値はある

買取の条件を満たさないカゴ台車でも、鋼材としての価値は残ります

フレームとメッシュパネルはスチール製であり、鉄スクラップとして評価の対象になります。鉄板底のタイプであれば、さらに重量が加わります。

ただし、条件があります。樹脂製の底板やゴム・樹脂のキャスターが付いたままでは、金属くずとしての受け入れ条件を満たしません。これらを取り外して分別する作業が前提になり、その手間を自社で負うか業者に依頼するかで手取りが変わります。台数がまとまる場合は、分別込みの条件を確認してください。

(3)廃棄:産業廃棄物処理業者への委託

売却も資源化も見込めない場合は、産業廃棄物として処分します。

該当するのは、フレームが大きく変形しているもの、腐食が進んで強度が保てないもの、荷物の残渣や油汚れが著しいものです。委託にあたっては、産業廃棄物収集運搬業許可と処分業許可を持つ業者と書面で契約を締結し、金属くずと廃プラスチック類の両方が許可品目に含まれているかを確認します。

処分費の設定は事業者によって異なり、1台あたり1,000円程度の処分費を提示している例もあります。全量を廃棄前提で見積もる前に、買取可能な分を切り分けることで総額が変わります。

(4)レンタルへの切替という選択肢

機器を入れ替えるタイミングでは、購入せずレンタルに切り替えるという判断もあります。

カゴ台車のレンタルは法人向けサービスとして一般的に提供されており、料金の例としては、10日間で1台2,750円程度、10台以上・10日以上の長期契約では1台あたり1日90円程度といった水準が公表されています。短期利用向けには、5日以内3,400〜4,200円といった設定もあります。

判断材料は使用期間です。繁忙期だけ台数が増える、拠点の再編を控えている、一時的な保管需要があるといった場合は、購入して将来的に処分費を負担するより総額が抑えられる可能性があります。一方、通年で安定して使用する場合は、購入のほうが有利になる計算です。

新品の購入価格は標準サイズで2万円台、中古であれば1万円台が目安です。購入価格、レンタル料金、将来の処分費または売却額を並べて比較すると、判断の材料が揃います。

総務省・経済産業省の統計を整理した図表では、産業用機械器具賃貸業の年間売上高は2010年の2兆7,609億円から2020年の3兆8,666億円へ40.0%増加し、事業所数も6,746所から8,051所へ19.3%増えています。法人向け機器レンタルが一定の市場基盤を持つことは、繁忙期や拠点再編時に購入以外の調達方法を比較する根拠になります。ただし、カゴ台車単独の統計ではなく、掲載値も2020年までです。実際の選択では利用期間、台数、運搬費、将来の売却・処分額を個別に比較する必要があります。

3.買取とスクラップで金額はどれだけ違うか

カゴ台車の処分で最も金額差が出るのが、買取とスクラップの選択です。

(1)自重から見たスクラップ価値の概算

まず、スクラップとしての金額の目安を押さえます。

標準的なカゴ台車の自重は、樹脂底で45kg前後、鉄板底で65kg程度です。鉄スクラップの相場が1kgあたり50円前後の水準であることを踏まえると、1台あたりの計算は次のようになります。

底板の種類自重の目安スクラップ価値の概算
樹脂底約45kg2,000円台
鉄板底約65kg3,000円台

これはあくまで単純計算です。実際には、樹脂底やキャスターを取り外した後の金属重量で評価されるため、樹脂底タイプの手取りはさらに下がります。分別作業を業者に依頼すればその費用も差し引かれます。鉄スクラップ相場自体も変動するため、時期によって水準は変わります。

鉄スクラップ価格は、2001年6月の6,200円/tから2008年7月に68,100円/tまで上昇した後、同年11月には13,000円/tまで下落し、2021年5月には48,500円/tとなっています。短期間でも大きく変動し得るため、カゴ台車のスクラップ価値を固定単価で見込めないことを裏付ける図表です。ただし、自動車リサイクル制度の検討資料に掲載された歴史的推移であり、カゴ台車の受入価格そのものではありません。地域、等級、異物、運搬費、計量時点により手取りは変わります。

(2)中古市場での取引水準と買取実績

これに対し、製品として流通した場合の水準は大きく異なります。

中古のカゴ台車は、標準サイズ・4輪自在・ストッパー付きの個体が11,000〜15,500円(税抜)程度で販売されています。新品は19,500〜27,500円程度です。買取側でも、1台9,000円という買取実績が公表されており、買取とスクラップでは1台あたり6,000円以上の差が生まれることもあるとされています。

前項の概算と突き合わせると、この差は妥当な水準です。スクラップ価値が2,000〜3,000円台であるのに対し、買取が9,000円であれば、差額は6,000円前後になります。

100台であれば60万円規模の差になる計算です。倉庫の統廃合や機器の一括入れ替えでは、この差が総額に直結します。なお、これらは特定時点の事業者公表値であり、状態、台数、地域、市況によって変動します。実際の判断にあたっては、複数社から直近の条件を取得してください。

(3)買取価格を左右する要因

買取査定に影響するのは、主に以下の要素です。

  • サイズ:標準規格から外れると再販先が限られる
  • フレームの状態:歪み、へこみ、サビの程度
  • キャスター:回転の状態、ストッパーの機能、欠品の有無
  • 底板:破損や変形の有無、材質
  • メーカー:主要メーカー品は再販しやすい
  • 台数:まとまるほど条件が整いやすい

このうち、キャスターは見落とされやすい査定項目です。フレームが健全でもキャスターが破損していれば、そのままでは製品として再流通できません。修理可能な範囲であれば買取対象になることもあるため、状態を正確に伝えたうえで査定を受けてください。

4.カゴ台車を処分する手順

ここでは、仕分けから搬出までの流れを整理します。

(1)台数と状態を確認して仕分ける

最初に行うのが、仕様と状態による仕分けです。

第1章で整理した項目に沿って、サイズ、底板の材質、キャスターの仕様、メーカー、台数を一覧化します。そのうえで、買取対象、スクラップ対象、廃棄対象に分類します。

判断に迷う個体は、自己判断で廃棄側に寄せないことが要点です。多少のサビや汚れがあっても、修理を前提とした買取の対象になることがあります。写真を撮って査定に含めてもらうほうが、結果的に有利になります。

環境省が事業者・官公庁等を対象に行った調査では、使用済製品をリユース品として引き渡したことがない回答者504者のうち、51%が「そもそも検討したことがない」、29%が品質上の理由で価値がないと判断し、21%はリユース事業者の情報がなかったと回答しています。自己判断で廃棄対象に寄せず、写真と仕様を添えて査定に回す手順の必要性を示すデータです。ただし、調査対象はオフィス家具・OA機器等で、2015年度調査です。カゴ台車の買取可否を直接示す統計ではありません。

(2)区分ごとに見積もりを依頼する

仕分けが済んだら、区分ごとに見積もりを取得します。

中古買取は物流機器の買取事業者へ、スクラップ売却は金属スクラップ業者へ、廃棄は産業廃棄物処理業者へ依頼するのが基本です。ただし、これらを一括で扱える事業者もあります。

提示する情報は、仕様別の台数、状態の概要、保管場所と搬出経路です。買取額、スクラップ売却額、処分費が分けて記載されているかを確認してください。相殺後の正味額のみでは、複数社の比較ができません。

産業廃棄物として委託する分については、許可証の写しを取得し、有効期限、許可区域、許可品目(金属くず・廃プラスチック類)を照合します。

(3)搬出と書類の確認を行う

搬出時は、仕分けた区分どおりに引き渡されているかを確認します。

カゴ台車はL字に折りたためるタイプであれば積載効率が上がります。折りたたんだ状態でまとめておくと、運搬車両の台数を抑えられ、収集運搬費の条件が変わる場合があります。

産業廃棄物として委託した分については、マニフェストを交付し、運搬終了・処分終了・最終処分終了の各段階の返送を確認します。紙マニフェストの返送期限は交付日から90日以内、最終処分終了については180日以内で、保存期間は5年間です。委託契約書は契約終了後5年間の保存が必要になります。有価物として売却した分は、計量伝票や売買記録が確認資料になります。

JWセンターの図では、電子マニフェストの加入者数と年間登録件数が2008年度から2023年度まで一貫して増加しています。本文には、2025年度末に加入者33.7万者、年間登録4,530万件を見込むと記載されています。産業廃棄物として処分する個体について、電子的な委託・処理管理が広く定着していることを補足し、搬出後の終了確認を含む書類管理の重要性につながる図表です。ただし、数値は全産業・全廃棄物の合計で、カゴ台車や特定業種の利用率ではありません。法定期限や保存方法は別途最新制度を確認する必要があります。

5.カゴ台車の買取・処分業者の選び方

カゴ台車の処分では、買取と処分の両方を視野に入れた業者選定が総額に影響します。

(1)買取と処分を分けて見積もれるか

倉庫や店舗から発生するカゴ台車は、状態のよいものと悪いものが混在しているのが通常です。

買取のみを行う事業者では、条件を満たさない個体が手元に残ります。逆に、処分のみを行う事業者に一括で依頼すると、再販できる個体まで処分費の対象になります。

確認するのは、買取対象と処分対象を分けて見積もれるか、仕分けの基準が示されるか、現物確認の結果で区分が変わる場合の取り扱いが明記されているかです。なお、中古品の買取には古物商の許可、廃棄物の処理には産業廃棄物処理業の許可が必要で、これらは別の許可です。同一事業者が両方を担う場合は、それぞれの許可範囲を確認してください。

(2)現場での仕分けと搬出に対応できるか

カゴ台車は1台あたり45〜65kg程度で、台数がまとまると相当な重量と容積になります。

100台単位で発生する現場では、仕分け、折りたたみ、積み込みに人手と時間がかかります。この作業を排出側で行うのか、業者が対応するのかによって、社内の負担と費用条件が変わります。

確認しておきたいのは、現地での仕分けに対応できるか、樹脂底やキャスターの分別をどちらが行うか、車両が進入できない場所からの搬出に対応できるか、そして対応エリアです。

6.まとめ

カゴ台車の処分は、仕様と状態の確認から始まります。標準サイズかどうか、フレームに歪みやサビがないか、キャスターが機能するか。この3点が、買取の対象になるかどうかを左右します。

金額の差は小さくありません。標準的なカゴ台車の自重は45〜65kg程度で、鉄スクラップとして評価した場合の金額は1台2,000〜3,000円台にとどまります。これに対し、中古買取では1台9,000円という実績も公表されており、差額は6,000円前後になります。100台規模の入れ替えであれば、総額で数十万円の違いになる計算です。廃棄やスクラップを前提に見積もる前に、買取の可否を確認する手順を挟んでください

機器を入れ替えるタイミングであれば、次はレンタルに切り替えるという選択肢もあります。購入価格、レンタル料金、将来の処分費または売却額を並べて比較すると、使用実態に合った判断ができます。

五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」は、カゴ台車を含む鉄系物流機器の廃棄から、国内製鉄所等への還流によるクローズドループの構築までを支援します。倉庫や店舗の機器入れ替えに伴う適正処分と、鉄をはじめとする素材の資源化をご検討の際は、ぜひご相談ください。

監修

早稲田大学法学部卒業後、金融機関での法人営業を経て、中小企業向け専門紙の編集記者として神奈川県内の企業・大学・研究機関を取材。
2013年から2020年にかけては、企業のサステナビリティレポートの企画・編集・ライティングを担当。2025年4月よりフリーランスとして独立。
企業活動と社会課題の接点に関する実務経験が豊富で、サステナビリティ分野での実践的な視点に基づく発信を強みとしている。