倉庫解体費用の相場|構造別の目安、内訳、費用を抑える方法

倉庫の解体費用は、構造によって坪単価が2倍前後変わります。ただし、総額を左右するのは構造だけではありません

倉庫解体に特有の論点が、屋根と外壁のスレートです。工場や倉庫の屋根材として広く使われてきた波形スレートは、2004年以前に製造されたものにアスベストが含まれます。飛散性の高い吹付け材と比べれば扱いは軽いものの、倉庫は屋根面積が広いため、面積ベースで費用に効いてきます

一方で、倉庫は鉄骨量の多い建物でもあります。解体で発生する鉄骨は金属くずとして資源価値を持ち、その扱い方によって総額が変わります。

本記事では、構造別の費用相場、費用の内訳、解体前に必要な手続き、費用を左右する要因、そして鉄骨の資源循環による費用抑制の考え方を整理します。

五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」は、倉庫解体で発生する鉄骨・金属くずの回収から、国内製鉄所等への還流によるクローズドループの構築までを支援します。解体工事で発生する鉄の資源価値を工事費と合わせて整理することで、総額の適正化を図ります。倉庫の解体・建て替えを検討している場合は、お気軽にご相談ください。

目次

1.倉庫解体費用の相場|構造別の目安

解体費用は、構造ごとの坪単価を基準に積算されるのが一般的です。

構造坪単価の目安
木造3万〜5万円
軽量鉄骨造5万〜7万円
重量鉄骨造6万〜8万円
RC造(鉄筋コンクリート造)7万〜10万円

これらは事業者が公表している目安であり、地域、規模、立地条件、業者によって変動します。また、建物本体の解体工事費のみの水準であり、付帯工事費や諸経費は別途発生します。

(1)鉄骨造(軽量・重量)

倉庫でもっとも多い構造が、鉄骨造です。

柱や梁に鋼材を用いるため、解体には油圧カッターやガス切断機で鉄骨を切断し、大型重機で部材を吊り上げて撤去する工程が必要になります。木造より重い機械設備と手間を要するぶん、坪単価も高めに設定されます。

軽量鉄骨造は鋼材が比較的薄く軽いため、鉄骨造のなかでは単価が低めです。一方、重量鉄骨造はH形鋼など厚みのある鋼材を使用しており、切断・搬出に時間と重機が必要になります。

ただし、鉄骨造は解体で発生する鋼材の量が多い構造でもあります。この鋼材の扱い方が総額に影響する点は、第5章で整理します。

(2)RC造(鉄筋コンクリート造)

RC造は、構造のなかで最も費用が高くなります

コンクリートと鉄筋を分別しながら解体する必要があるため工期が長くなり、その分の人件費と重機リース代が加算されます。加えて、コンクリートガラは重量物であり、処分費が総額を押し上げる要因になります。

倉庫では、RC造の建物本体だけでなく、土間コンクリートや基礎の撤去範囲が費用を左右します。跡地の利用計画によって、どこまで撤去するかを決める必要があります。

(3)木造・プレハブ造

木造は、構造のなかで最も坪単価が低くなります。

ただし、倉庫の場合は屋根材や外壁材によって条件が変わります。重量のある屋根材が使われている、がれきの量が多い、重機が進入できず手壊し作業の割合が増えるといった条件では、坪単価が上振れします。

プレハブ造の倉庫は解体自体は比較的容易ですが、屋根・外壁のスレートにアスベストが含まれる可能性があり、その確認が費用の前提になります。

(4)規模と倉庫特有の条件による補正

坪単価は、規模が大きくなるほど下がる傾向があります。

面積が大きくなっても使用する重機や人件費の単価は変わらないため、大規模な建物ほど坪あたりの負担は割安になります。倉庫は住宅と比べて延床面積が大きいことが多く、この逓減が効きやすい建物です。

一方、倉庫特有の条件が費用を押し上げることもあります。大スパンで無柱空間を確保している構造では、鉄骨の部材が大型になり、切断と吊り上げに大型重機が必要です。天井高がある建物では高所作業が伴います。

あわせて、倉庫は建物本体以外の撤去範囲が広くなりがちです。荷役用のプラットフォーム、ドックレベラー、キャノピー(庇)、外構の土間コンクリート、構内舗装、フェンス、そして受変電設備や消火設備といった附帯設備が敷地内にあります。どこまでを解体工事の範囲に含めるかによって、同じ建物でも総額は変わります。

なお、附帯設備には別の法令が関わる場合があります。受変電設備(キュービクル)には、設置年次によってPCBを含有する機器が残っている可能性があり、通常の産業廃棄物とは異なる処理が必要です。解体計画の初期段階で附帯設備を棚卸ししておくと、工程と費用の前提を固められます。

「坪単価×坪数」で算出した金額はあくまで目安であり、現地調査を前提とした見積もりが不可欠です。

2.倉庫解体費用の内訳

解体費用は、主に以下の項目で構成されます。

費用項目内容
仮設工事費足場、養生シート、仮囲い
解体工事費重機の手配と稼働、作業員の人件費
廃棄物処理費がれき類、木くず、金属くず、混合廃棄物等の処理
アスベスト対策費事前調査、除去作業、専用の処理(該当する場合)
その他費用近隣対応、整地、届出関連、諸経費

(1)仮設工事費

解体作業に先立って、足場の設置と養生を行います。

粉じんの飛散と騒音を抑えるため、建物全体を養生シートで覆うのが基本です。倉庫は高さと面積があるため、住宅と比べて仮設の規模が大きくなります。前面道路との位置関係によっては、仮囲いや歩道の養生も必要です。

(2)解体工事費

工事費の中心となるのが、重機の稼働費と人件費です。

構造によって使用する重機が変わり、鉄骨造では切断用のアタッチメント、RC造では圧砕機が必要になります。重機が進入できない現場では手壊し作業の比率が上がり、工期と人件費が増加します。

倉庫では、本体の解体に先立つ工程が費用に加わる点にも注意が必要です。石綿含有建材が確認された場合は屋根・外壁の手ばらし撤去が先行し、附帯設備の撤去や内装の解体も本体解体の前工程になります。これらは重機による一括解体と比べて手間がかかるため、工期の見積もりに影響します。

国土交通省の公共工事設計労務単価(全国全職種・加重平均)は、平成24年の13,047円から令和8年3月適用の25,834円まで上昇し、直近では14年連続の上昇となっています。解体工事費の中心である人件費も固定値では捉えにくく、見積時点の単価確認が必要であることを裏付けます。ただし、これは公共工事51職種の全国平均で、倉庫解体の契約単価そのものではありません。地域、職種構成、工期、重機進入条件によって実額は変動します。

(3)廃棄物処理費

解体で発生する廃棄物の処理費です。

倉庫からは、がれき類(コンクリート塊)、金属くず(鉄骨・鋼材)、木くず、廃プラスチック類、混合廃棄物が発生します。このうち金属くずは資源価値を持つ一方、がれき類や混合廃棄物は処理費の対象です。

分別の精度が費用に直結する点は、解体工事全般に共通します。素材別の分別解体と有価回収の考え方については、「解体廃材はリサイクルできる?再資源化や買取活用で処分費用を削減」で詳しく解説しています。

(4)その他費用

見落とされやすいのが、工事に付随する費用です。

近隣への事前説明、粉じん・騒音対策、交通誘導員の配置、工事後の整地、各種届出の手続きなどが含まれます。跡地を売却または再利用する場合は、整地の仕上げ水準によって費用が変わります。

見積書で「諸経費一式」とだけ記載されている場合は、内訳の提示を依頼してください。

3.解体前に必要な法令上の手続き

倉庫の解体では、着工前に済ませておくべき手続きがあります。

(1)アスベスト事前調査|倉庫では屋根・外壁のスレートが焦点

解体工事では、規模にかかわらず着工前に石綿の事前調査を行う義務があります。調査は建築物石綿含有建材調査者等の有資格者が実施します。

倉庫で焦点になるのが、屋根と外壁の波形スレートです。大波スレート・小波スレートは耐用年数が長く工場や倉庫に広く使われてきましたが、2004年以前に製造されたものにはアスベストが含まれます。石綿を含む製品の製造・使用は2006年9月に全面禁止されており、それ以前に建てられた倉庫は調査対象と考えるべきです。

スレートは、飛散性の程度によるレベル分類ではレベル3(石綿含有成形板)に該当します。吹付け石綿(レベル1)や保温材(レベル2)と比べて発じん性は低く、破砕・切断を伴う場合は湿式作業を原則とする扱いです。ただし、経年劣化でひび割れや破損が生じていると飛散リスクが高まるため、状態の確認が必要になります。

廃棄物としての扱いも押さえておく必要があります。非飛散性アスベスト廃棄物は、がれき類(廃棄物処理法施行令第2条第9号)またはガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず(同第7号)に該当します。飛散性の高いレベル1・2が特別管理産業廃棄物(廃石綿等)となるのとは区分が異なります。

調査の進め方は、書面調査から始まります。竣工図、施工記録、改修履歴から建築年と使用建材を確認し、2006年9月1日以降に着工したことが確認できれば、石綿は使用されていないものとして扱えますそれ以前の建物や、図面が残っていない建物では、現地調査と分析調査に進みます。

倉庫では、確認対象が屋根・外壁だけにとどまらない点にも注意が必要です。事務所部分の内装ボード、天井材、床のPタイル、配管の保温材、防火区画の目地材など、用途の異なる部位ごとに建材が分かれているためです。建材の種類が多いほど分析の検体数が増え、調査費用に反映されます。

なお、一定規模以上の工事では事前調査結果の報告義務があります。建築物の解体工事では、解体作業の対象となる床面積の合計が80平方メートル以上が基準です。倉庫の解体はこの規模を超えることが多いため、報告を前提に計画してください。報告は原則として電子申請で行い、労働基準監督署と自治体への報告を同時に行えます。

参考:https://www.env.go.jp/recycle/waste/asbestos/index.html

(2)建設リサイクル法に基づく分別解体・届出

一定規模以上の解体工事は、建設リサイクル法に基づく分別解体と再資源化、事前の届出が義務づけられます。

建築物の解体工事では、床面積80平方メートル以上が対象規模です。倉庫の解体はほぼ該当すると考えてよい水準になります。届出は工事着手の7日前までに行い、原則として発注者が提出します。

再資源化の対象となる特定建設資材は、コンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリートの4品目です。金属類そのものは特定建設資材に含まれませんが、有価物として引き取られることで資源循環のルートに乗ります。

(3)産業廃棄物としてのマニフェスト管理

解体で発生した廃棄物は、産業廃棄物として適正に処理します。

解体工事に伴って生じる廃棄物の排出事業者は、原則として元請業者です。ただし、発注者としても委託先の許可、契約内容、マニフェストの運用状況を確認しておくことが実務上の対応になります。

区分ごとに委託先の許可品目が異なるため、がれき類、金属くず、木くず、廃プラスチック類、そして石綿含有産業廃棄物のうち該当するものが含まれているかを照合してください。

環境省資料では、電子マニフェストで把握する委託量は2008年度以降増加し、2024年度は約103,217千t、捕捉率は約64.5%です。第五次循環型社会推進基本計画は2030年に75%を目標としており、電子管理が産業廃棄物追跡の中核であることを示します。倉庫解体の発注者にとっては、元請業者が排出区分や処理終了報告を適切に登録・確認しているかを点検する根拠になります。ただし、値は全産業・全品目の委託量で、倉庫解体だけの利用率ではありません。紙マニフェストも制度上利用できます。

4.倉庫解体費用を左右する要因

見積額の差は、主に以下の要因から生じます。

(1)アスベストの有無と建材のレベル

費用の振れ幅が最も大きい要因が、アスベストです。

飛散性の高いレベル1・2では、作業場所の隔離、負圧集じん・排気装置の設置が必要になり、除去費用は1平方メートルあたり数万円規模になります。一方、倉庫で問題になりやすいレベル3では、事業者の公表目安として1平方メートルあたり3,000円程度(処分費込み)という水準が示されています。スレート板の処分費については、1立方メートルあたり30,000〜60,000円程度という目安もあります。

単価だけを見ればレベル3は低く見えますが、倉庫では屋根と外壁の面積が大きいため、総額では無視できない金額になります。屋根面積を把握したうえで、面積ベースで試算しておくことが重要です。

調査段階の費用も加わります。分析調査は検体ごとに発生するため、屋根材・外壁材・内装材と建材の種類が多いほど検体数が増えます

環境省資料に掲載された国土交通省推計では、吹付けアスベスト等を使用している可能性がある鉄骨造・鉄筋コンクリート造の民間建築物の解体件数は、2028年頃に約10万棟でピークを迎えるとされています。石綿関連の調査・除去需要が高い状態で続く可能性を示し、倉庫解体費用では事前調査と対策費を別建てで確認する必要性を裏付けます。ただし、これは2009年時点のストック推計で、戸建て・木造を除き、主にレベル1・2建材を対象とするため、波形スレートなどレベル3建材の件数や個別倉庫の含有率を示すものではありません。

(2)建物の規模・構造と鉄骨量

構造と規模については第1章のとおりですが、倉庫では鉄骨量が総額の両面に効きます

鉄骨が多いということは、切断・搬出の作業量が多いということです。同時に、金属くずとしての発生量も多いということでもあります。前者は費用を押し上げ、後者は費用を押し下げます。この差引をどう見積もりに反映するかが、倉庫解体の費用判断の核心になります。

(3)立地・搬出条件

現場条件は作業費に直接反映されます

重機を配置でき、前面道路から大型車両が進入できる立地であれば、標準的な工程で完了します。一方、進入路が狭い、隣接建物との距離が近い、市街地で交通規制が必要といった条件では、より小型の重機での作業や手壊しの比率増加につながります。

倉庫は敷地に余裕のある立地に建てられていることが多い一方、稼働中の工場敷地内にある場合は、他の建物や設備への配慮、作業時間帯の制限、動線の確保といった制約が加わります。

(4)廃棄物の種類と量

処理費は、発生する廃棄物の種類と量で決まります。

構造によって内訳が大きく変わる点が特徴です。RC造では重量物であるがれき類の比率が高く、処理費の中心になります。鉄骨造では金属くずの比率が高くなり、処理費と資源価値の両方に影響します。木造や内装のある倉庫では木くずが加わります。

費用面で注意が必要なのが、混合廃棄物です。分別せずに排出された廃棄物は混合廃棄物として扱われ、単一品目より処分単価が高くなります。加えて、有価物として売却できる金属まで混合分に含まれてしまうため、二重に不利になります。

倉庫の解体では、残置物の有無も確認事項です。保管していた資材、什器、廃棄されずに残った製品などが建物内にある場合、それらは解体廃棄物とは別に処理する必要があります。内容によっては産業廃棄物の区分が増え、委託先も分かれます。解体の見積もりを依頼する前に、建物内を空にできるかどうかを整理してください。

5.鉄骨・金属くずの資源循環による解体費用の抑制

倉庫は鉄骨量の多い建物であり、資源価値が総額に与える影響が比較的大きくなります。

(1)鉄骨は金属くずとして資源価値を持つ

倉庫の解体で発生する鉄骨、母屋、胴縁、折板屋根、鋼製建具は、いずれも金属資源です。

重量鉄骨造の倉庫では、H形鋼をはじめとする厚みのある鋼材がまとまった重量で発生します。RC造であっても、内部の鉄筋はコンクリートから分離して回収されます。

環境省の令和5年度実績では、産業廃棄物の再生利用率は金属くずが95.4%、木くずが84.4%と、いずれも高い水準にあります。倉庫の解体では金属くず、がれき類、木くずが同時に発生するため、分別の精度が資源化率と処理費の双方に影響します。なお、これらは全国の品目別集計であり、個別案件の資源化率を示すものではありません。実際の受入可否は、材質構成、付着物、分別の程度、受入業者の条件によって変わります。

(2)見積もりに資源価値が反映されているかを確認する

実務上の要点は、解体工事の見積もりに金属の資源価値が反映されているかです。

解体業者が金属を自社で処理する前提で見積もっている場合、その価値が発注者側に還元されているかは見積書からは読み取れないことがあります。一方、金属の売却分を明示して工事費から差し引く形で提示する業者もあります。

確認したいのは、発生する金属の想定量、その扱い(処分か売却か)、売却の場合の相殺条件が見積書に記載されているかです。記載がなければ、内訳の提示を依頼したうえで比較してください。

経済産業省・環境省作成の推移図では、鉄スクラップ価格は平成13年6月の6,200円/tから平成20年7月に68,100円/tへ上昇した後、同年11月には13,000円/tまで下落し、令和3年2月は40,500円/tでした。資源価値は解体費と相殺し得る一方、見積時点で大きく変動するため、想定量・基準価格・相殺条件の明記が重要であることを裏付けます。ただし、この系列は使用済自動車制度の検討資料で用いた鉄スクラップ指標です。倉庫由来鋼材の実際の売却額は、品位、付着物、荷姿、地域需給、運搬費で変わります。

回収された鉄が再び鋼材の原料として循環する仕組みについては、以下の「鉄のサーキュラーエコノミー|事例や鉄鋼製品一覧、リサイクル性も」の記事をご覧ください。

6.解体業者選定のポイント

倉庫解体では、アスベスト対応力と資源化への対応が業者選定の分かれ目になります。

(1)アスベスト調査・除去への対応力を確認する

まず確認したいのが、石綿事前調査に対応できる有資格者を確保できるかです。

建築物である倉庫の調査には、建築物石綿含有建材調査者等の資格が必要です。自社で有資格者を擁しているのか、外部の調査会社と連携するのかを確認してください。

あわせて、レベル3建材の除去実績も確認項目になります。倉庫では波形スレートが広範囲に使われていることが多く、湿式作業や手ばらしによる撤去の経験が工期と安全性に影響します。石綿が確認された場合の除去工事に対応できるか、対応できない場合の連携先があるかも確認してください。

(2)許可の内容と資源化への対応を確認する

産業廃棄物として処理を委託する部分については、収集運搬業許可・処分業許可の内容確認が前提になります。

許可証の写しを取得し、有効期限、許可区域、そして許可品目にがれき類、金属くず、木くず、廃プラスチック類など該当する品目が含まれているかを照合します。石綿含有産業廃棄物の受け入れ可否も確認対象です。

そのうえで、金属スクラップの回収・売却まで対応できるかを確認してください。処分のみを行う事業者に依頼すると、有価売却できる鋼材も処分費の対象として見積もられます。材質別に切り分けた条件を提示できる事業者であれば、総額を抑えられる可能性があります。

見積書については、構造別の解体工事費、仮設工事費、廃棄物処理費、アスベスト対策費、金属売却の相殺分が費目ごとに分かれているかを確認し、同じ工事範囲を前提として複数社を比較してください。

環境省の令和5年度実績では、許可取消処分は合計315件で、前年度の219件から増加しています。内訳は、産業廃棄物処理業296件、特別管理産業廃棄物処理業13件、産業廃棄物処理施設6件です。許可は取得済みという説明だけでなく、見積・契約時点の有効性、許可区域、許可品目を原本や自治体情報で照合する必要性を裏付けます。ただし、これは全国・全業種の取消件数で、個別業者の適否を直接示すものではありません。取消理由や事業者数とも一致しないため、件数だけで業者の管理水準を判断できません。

7.まとめ

倉庫の解体費用は、構造によって坪単価がおおむね2倍前後の幅で変動します。木造で3万〜5万円、軽量鉄骨造で5万〜7万円、重量鉄骨造で6万〜8万円、RC造で7万〜10万円が目安ですが、規模が大きくなるほど坪単価は下がる傾向があります。

倉庫固有の論点が、屋根・外壁の波形スレートです。2004年以前に製造されたスレートにはアスベストが含まれ、レベル3の石綿含有成形板として扱われます。単価はレベル1・2より低いものの、倉庫は屋根面積が広いため面積ベースで総額に効いてきます。屋根面積を把握したうえで試算し、事前調査を着工前に完了させてください。

費用を抑える観点では、発生する鉄骨・金属くずの資源価値が見積もりに反映されているかが要点です。倉庫は鉄骨量が多く、資源価値が総額を押し下げる効果も相対的に大きくなります。工事範囲と前提条件を揃えたうえで、内訳付きの見積もりを複数社から取得してください。

五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」は、倉庫解体で発生する鉄骨・金属くずの回収から、国内製鉄所等への還流によるクローズドループの構築までを支援します。解体工事に伴う金属資源の活用と処分コストの適正化をご検討の際は、ぜひご相談ください。

監修

早稲田大学法学部卒業後、金融機関での法人営業を経て、中小企業向け専門紙の編集記者として神奈川県内の企業・大学・研究機関を取材。
2013年から2020年にかけては、企業のサステナビリティレポートの企画・編集・ライティングを担当。2025年4月よりフリーランスとして独立。
企業活動と社会課題の接点に関する実務経験が豊富で、サステナビリティ分野での実践的な視点に基づく発信を強みとしている。