グリーンサプライチェーンは、2026年時点でグローバル市場への参入資格そのものとなりつつあるとして注目を集めています。
この記事では、グリーンサプライチェーンに関する主要ガイドラインと要求水準や、Scope 3削減に向けた5つの実行プロセス、そして先行企業の成功事例を詳しく解説します。
五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」は、サプライチェーン全体の可視化と、実効性のある資源循環スキームの構築を強固に支援します。サプライチェーン管理を持続可能な競争優位の拠点へと転換したい場合には、ぜひご相談ください。
1.グリーンサプライチェーンの定義と適用範囲

(1)グリーンサプライチェーンの定義
グリーンサプライチェーンとは、原材料の調達から製造、物流、販売、さらに製品の消費・廃棄に至るサプライチェーンの全工程において、温室効果ガス排出量や環境負荷を最小化することを目指す経営フレームワークです。
環境省の検討会資料においても、バリューチェーン全体の脱炭素化には以下の3点が不可欠であると指摘されています。
| データの共有・連携 | 自社単独ではなく、サプライヤーとの強固な信頼関係に基づく排出量データの連携 |
|---|---|
| Scope 1・2・3の可視化 | 上流から下流まで、漏れのない環境負荷の把握 |
| 仕組みの浸透 | 脱炭素投資や調達基準の変更を、取引先選定の意思決定プロセスへ組み込むこと |
これらは機関投資家からの評価や、欧州を中心としたグローバル市場における参入障壁を突破するための武器として位置付けられています。
参考:https://www.env.go.jp/content/000339458.pdf
参考:グリーン・バリューチェーンプラットフォーム|環境省
(2)従来のサプライチェーンマネジメントとの構造的な違い
従来のサプライチェーンマネジメントは、品質・コスト・納期の最適化を中心に、企業間の取引効率を高める仕組みとして発展してきました。
これに対し、グリーンサプライチェーンでは温室効果ガス排出量をはじめとする環境影響が管理の中核に位置付けられ、企業活動は環境価値の創出を同時に達成することが前提となります。
| グリーンサプライチェーン | 従来のサプライチェーンマネジメント | |
|---|---|---|
| 主要KPI(評価指標) | 炭素効率、再エネ比率、資源循環率 | 利益率、在庫回転率、納期遵守率 |
| 管理・責任範囲 | 原材料調達から廃棄・リサイクルまで(Scope 3) | 自社から直接取引先(ティア1)まで |
| サプライヤーとの関係 | 脱炭素に向けた共創と実測データ共有 | コスト削減を目的とした価格交渉 |
| 意思決定の優先順位 | 環境価値と経済価値の同時最適化(QCDE) | 経済的効率性(品質・コスト・納期) |
この変化により、排出削減への寄与度や情報開示への対応力が企業評価を左右する要素となりました。
さらに、従来は個社単位で完結していた最適化の考え方が、調達方針、物流設計、製品仕様の決定に至るまで、環境負荷の低減を織り込んだ意思決定が前提となり、経営戦略とサプライチェーン運営がより強く結びつく構造へと変化しています。
参考:サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルに向けた カーボンフットプリントを巡る動向|経済産業省
(3)企業が管理対象とすべき排出領域
グリーンサプライチェーンの議論において中心となるのは、取引関係を通じて発生する間接的な排出(Scope3)をどこまで管理対象に含めるかという点です。Scope3は自社が物理的に統制できない領域を含みますが、総排出量の大半を占めることが多く、企業価値評価や取引条件に直接影響します。
| 排出区分 | 概要 |
|---|---|
| Scope 1 | 自社が所有・管理する設備(工場、社用車など)からの燃料燃焼 |
| Scope 2 | 自社が購入した電力、熱、蒸気の使用に伴う排出 |
| Scope 3 | 原材料調達、物流、製品の使用・廃棄など供給網全体 |
排出量の実態把握は、サプライヤー選定、製品設計、投資配分を左右する経営情報へと位置付けが変化しています。
管理対象の設定は、どのリスクを自社が引き受けるかを定義する行為でもあり、その範囲が限定的であるほど市場や投資家からの信頼確保は難しくなります。
したがって企業には、自社単体の効率改善にとどまらず、サプライチェーン全体へどのように影響力を及ぼすかという観点から排出領域を再設計する視点が求められます。
2.サプライチェーン排出量の把握と削減に向けた5つの実行プロセス

サプライチェーン全体の排出量管理は、把握から削減、評価、改善までを一連のプロセスとして設計し、組織的に継続できる状態を構築することが前提となります。
ここでは、排出量を経営情報として扱い、投資判断や取引方針へ接続させるために必要となる主要な実行プロセスを整理します。
(1)境界設定とカテゴリーの優先順位付け
サプライチェーン排出量の算定において、まず取り組むべきは算定対象とする組織の境界を確定させ、全体像を鳥瞰することです。
環境省のガイドラインでは、自社が提供する製品・サービスに関連する温室効果ガス排出量をライフサイクル全体で捉え、その後、具体的なサプライチェーン区分(カテゴリ)を抽出するフローを推奨しています。
実務においては、排出規模の大きさ、削減のポテンシャル、データ取得の難易度、さらには投資家や主要顧客といったステークホルダーからの要請を総合的に踏まえ、取り組むべき優先順位を設定することが戦略の要となります。
この優先順位付けこそが、限られたリソースを最も削減効果の高い領域へ集中させるための意思決定を支えます。
| 評価軸 | 具体的な判断基準 |
|---|---|
| 排出規模の大きさ | Scope3全体に対し大きな割合を占めているか |
| 削減のポテンシャル | 技術革新や取引条件の変更により削減余地があるか |
| データ取得の容易性 | 一次データや信頼できる活動量を把握できるか |
| ステークホルダーの関心 | 投資家や顧客から強い開示・削減要請があるか |
境界設定と優先順位付けは、企業がどの領域でサプライチェーンに対する影響力を行使し、どこから具体的な削減を加速させるかという、脱炭素経営における戦略的基盤を構築するプロセスそのものとなります。
参考:https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/estimate_04.html
参考:https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/Supply-chain_A4_04_02.pdf
(2)二次データから一次データへの移行
一次データへの移行は段階的に進められ、主要なサプライヤーに対するデータ提供要請や、ITシステムを活用した収集体制の整備が実務上の出発点となります。
一次データとは、サプライヤーや自社拠点から直接取得した活動量やエネルギー使用量などの実測値を基に算出される排出量を指します。これに対し、二次データは統計値や業界平均値などを用いた推計であり、迅速に算定を開始できる一方、実態との乖離が生じる可能性があります。
最終的には、この透明性がステークホルダーに対する説明責任を支え、2026年以降本格化する炭素関連規制への対応力を左右する基盤となります。
参考:https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_footprint/pdf/20230526_3.pdf

(3)算定結果の可視化と重点領域の特定
算定によって得られた膨大な排出量データは、適切に可視化され、経営戦略上の重点領域が特定されて初めて価値を持ちます。特に大企業においては、パレート分析などを用いて、排出量の8割を占める上位2割の要因を特定することが定石です。
| 分析のステップ | 具体的な実施内容 |
|---|---|
| 全体俯瞰・グラフ化 | Scope 1〜3および全15カテゴリの排出寄与度を可視化 |
| パレート分析の実施 | 排出量の80%を占める上位20%の要因(品目・拠点)を特定 |
| 財務インパクト試算 | 炭素価格(ICP)を用いた、将来的な炭素税支払額のシミュレーション |
| 時系列比較と進捗管理 | 基準年度からの削減推移をダッシュボードでモニタリング |
例えば、多くの企業で大きな割合を占める Scope 3 の購入した製品・サービスや製品の使用などは、優先的に分析・対策検討が行われます。これらのプロセスは削減計画の効率化に資するだけでなく、TCFDやISSBなどの開示基準に沿ったステークホルダーへの説明責任を果たすための強固な基盤となります。
参考:https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/guide/VC_guide.pdf

(4)サプライヤーとのグリーン契約への改定
環境省のガイドラインでは、排出量の算定基盤を整備すると同時に、サプライヤーとの間で環境情報の透明性を確保し、具体的な削減アクションにつながる契約条件を設けることが推奨されています。
グリーン契約とは、排出データの提供要請や、省エネルギー設備の導入、再生可能エネルギーの利用拡大といった環境パフォーマンスに関する成果目標を契約条項に組み込んだ取引条件を指します。これにより、サプライヤーは、排出削減という共通の目標に沿った行動義務を担うことになります。
以下のように、排出量管理や削減プロセスをサプライチェーン全体で機能させるための基盤整備として位置づけられます。
| データ開示の義務化 | Scope 1・2・3の一次データ項目、報告頻度、共通フォーマットを定義し、契約条項に明記することで算定の信頼性を担保する |
|---|---|
| インセンティブ設計 | 排出実績の大幅な改善に対する価格優遇や、長期的な優先取引権の付与など、サプライヤーが能動的に動く仕組みを構築する |
| 共通基準の策定 | 排出量データの整合性を確保するため、測定・算定方法を統一し、相互理解に基づいたコミュニケーションルールを確立する |
| 是正措置の定義 | 目標未達時の改善計画の提出や、必要に応じた技術支援体制をあらかじめ合意し、パートナーシップとしての実行力を高める |
特に2026年以降は、こうした契約が選ばれるサプライヤーと淘汰されるサプライヤーを分ける明確な基準となっていくでしょう。
参考:https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/guide/VC_guide.pdf
(5)ライフサイクルアセスメントの実施
ライフサイクルアセスメントとは、原材料の採掘から製造、輸送、使用、そして廃棄・リサイクルに至る全工程における環境影響を評価する手法です。
これにより、製品単位のカーボンフットプリントを算出することが可能となり、競合他社との差別化や、環境価値の価格転嫁に向けた客観的な根拠となります。
| ライフサイクルアセスメント実施の主要ステップ | 具体的なアクション |
|---|---|
| 目的・調査範囲の設定 | 評価対象とする製品と、算定範囲(境界)を定義する |
| インベントリ分析 | 各プロセスでの資源投入量や排出データを収集・集計する |
| 影響評価 | 収集したデータを地球温暖化などの環境影響カテゴリーに換算 |
| 結果の解釈と改善提案 | 評価結果を製品設計や調達方針の改善にフィードバックする |
欧州市場で導入が進むデジタル製品パスポートへの対応においても、ライフサイクルアセスメントに基づく精緻なデータ管理はもはや必須の参入条件です。
経営層にとっては、ライフサイクルアセスメントを通じて製品設計段階からの低炭素化を推進することが、長期的な炭素コストの削減と市場シェア拡大に直結する戦略的な意思決定となります。
3.グリーンサプライチェーンに関する主要ガイドラインと要求水準について

グリーンサプライチェーンに関連する国内外のガイドラインは、グローバル市場への参入資格へとその性質を劇的に変えています。ここでは、主要な5つの枠組みと、現在求められている要求水準を整理します。
(1)GHGプロトコル|世界標準の算定・報告ルール
GHGプロトコルは、温室効果ガス排出量の算定・報告における世界共通言語と位置付けられます。
ISSBなどの国際的な開示基準においても、本プロトコルとの整合が参照される場面が増えており、準拠状況が企業評価に影響する可能性があります。
| 主要な構成要素 | 2026年時点の要求水準 |
|---|---|
| コーポレート・スタンダード | 実測値に基づく管理(例:燃料燃焼や製造プロセスからの排出を誤差なく把握するなど) |
| スコープ2ガイダンス | 1時間単位での算定 (証書による相殺だけでなく、電力消費の実態に即した報告が推奨され始めている) |
| スコープ3基準 | 全15カテゴリの俯瞰と、重要項目の特定 |
| 算定テクニカルガイダンス | 一次データへの移行戦略サプライヤー提供の実測値をどう取り込み、精度を高めるかのプロセス定義 |
近年の開示基準や規制対応においても、GHGプロトコル準拠が前提となるケースが増えており、これに則った正確なデータ整備が国内外のステークホルダーに対する信頼性の基盤となります。
参考:https://www.env.go.jp/council/06earth/y061-11/ref04.pdf
参考:GHGプロトコルの改訂に係る論点の概要|経済産業省(みずほリサーチ&テクノロジーズ)
(2)ISO 20400|持続可能な調達に関する国際規格
ISO 20400は、組織が調達プロセスを通じて持続可能性を統合し、社会的責任を果たすための国際的なガイドラインです。従来の品質・コスト・納期に加え、環境・社会・経済的課題を調達方針に織り込むことで、会社業績とサステナビリティの両立を図ることがこの規格の核心です。
欧州のCSDDDなどの法規制に対応するための実務的フレームワークへと、その活用の広がりが見られます。
- 調達部門のKPIに排出削減や人権遵守を組み込み、経営戦略と完全に同期させているか
- バリューチェーン全体の潜在的な環境・社会リスクを特定し、その「是正プロセス」が機能しているか
- 廃棄に至るまでの全コストと環境負荷を評価しているか
- サプライヤーの能力構築(キャパシティ・ビルディング)を支援しているか
ISO 20400を活用することで、企業はサプライチェーンにおけるコンプライアンス対応を超え、持続可能な調達を実現し、新たな競争力の向上につながる可能性があります。
参考:https://www.juse-iso.jp/kikaku/iso20400/
(3)グリーン価値チェーンプラットフォーム|環境省による国内基準
グリーン価値チェーンプラットフォームは、GHGプロトコル等の国際基準と整合しつつ、日本国内のビジネス慣行や法制度に即した具体的な算定手法、排出原単位データベース、取組事例などを提供しています。
温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)の改正やGX推進法の本格稼働に伴い、法的な排出量報告や製品単位の排出量管理を支える国内実務を支える基盤として活用が進んでいます。2026年時点の重点要求事項は、以下のとおりです。
- 改正された「サプライチェーン排出量算定基本ガイド」に基づき、最新の排出係数を用いて算定しているか
- 製品単位の排出量(カーボンフットプリント)を、国の統一ルールに則って算定・開示しているか
- 国内最大の公共データベースを活用し、算定の透明性と正確性を確保しているか
- プラットフォーム提供の診断ツールを用い、自社の取組が国内他社と比較してどの水準にあるか把握しているか
グリーン価値チェーンプラットフォームを活用することで、企業は複雑化する国内外の要求水準を効率的にクリアし、算定したデータを経営戦略や製品開発へと迅速にフィードバックすることが可能になります。
参考:https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/
(4)欧州規制(CBAM・CSDDD)|グローバル市場での参入障壁と義務
2026年1月からは、CBAMの証書購入義務が開始され、算定精度が将来的な財務負担や取引条件に影響する可能性があります。主要な欧州規制と2026年時点で重視されているポイントは、以下のとおりです。
| 規制名称 | 2026年時点の要求水準・義務内容 |
|---|---|
| CBAM(炭素国境調整措置) | 鉄鋼、アルミ、電力等の対象品目の輸入時に、排出量に応じた「CBAM証書」の購入が義務化 |
| CSDDD(企業サステナビリティDD指令) | サプライチェーン全体における深刻な環境破壊や人権侵害の特定・予防・反映が法的義務に |
| CSRD(企業サステナビリティ報告指令) | 2025年度の実績分から、第三者保証(監査)を伴う詳細な情報公開を開始 |
| デジタル製品パスポート(DPP) | バッテリー等の特定品目を皮切りに、LCAデータやリサイクル情報をデジタル上で追跡・開示 |
日本企業にとっては、サプライヤーから高精度な一次データを早期に回収し、規制当局が求める厳格な形式で証明できる体制を構築することが、欧州ビジネスを継続するための重要な経営課題として位置付けられます。
参考:https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/cbam/cbam.html
参考:https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/12/1873de464ec37cfb.html
(5)GX推進法|国内における排出量取引の本格稼働と義務化
GX推進法(脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律)は、日本の産業競争力強化と脱炭素の両立を目指す国家戦略の法的根拠です。これにより、一定規模以上の企業に対して、制度的な対応が求められる枠組みが整備されています。2026年時点で重視されているポイントは、以下のとおりです。
- 排出量取引(GX-ETS)の義務化
- 排出削減目標の策定・公表
- 第三者検証の厳格化
- 化石燃料賦課金への準備
特にGX-ETSの義務化対象となる企業にとっては、排出削減の成否が排出量管理が財務影響に結び付く構造が明確になりつつあります。
参考:https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/index.html
4.グリーンサプライチェーンの実践事例
(1)Apple|排出量の可視化とデジタル化
Appleの環境ウェブページでは、2015年基準から全体の温室効果ガス排出量を60%以上削減したことや、2030年のカーボンニュートラル実現に向けた具体的なロードマップが公開されています。さらに、排出に影響する要素をデータとして分解し、投資家・規制当局・取引先が参照できる状態にしている点も特徴です。
- 素材調達、電力構成、輸送、梱包など排出源を構造化して開示
- 半導体やディスプレイ工程におけるF-GHG削減の進捗をサプライヤーと共有
- Scope1〜3の算定結果を年次レポートで継続的に公開し、一次データに基づく実績管理へ移行
このように、サプライヤー管理、技術転換、外部説明に接続する運用基盤として機能させている点に特徴があります。
(2)ソニーグループ|世界初の再生プラスチック・サプライチェーン・アライアンス

ソニー株式会社は、2026年2月6日に三菱商事、三井化学、出光興産、東レなど計14社と共同で、高機能製品向けのリニューアブルプラスチック(バイオマス由来プラスチック)を対象としたグローバルサプライチェーンを構築したと発表しました。これは原料から製品仕上げまでを一元的に可視化し、量産規模で再生可能原料を供給できる体制を整えた世界初の取り組みです。このアライアンスでは、以下のような特徴があります。
- 原材料段階から再生可能原料を活用
- マスバランス方式による品質確保と環境価値の繋ぎ込み
- サプライチェーン全体の可視化による排出量把握の強化
この取り組みは、サプライチェーンを横断したデータ連携・可視化の仕組みづくりにも踏み込んでいます。
(3)ファーストリテイリング|RE.UNIQLO
RE.UNIQLO(リユニクロ)は、サプライチェーン全体で製品ライフサイクルに着目し、リユース・リサイクルを促進する取り組みです。製品をできるだけ長く循環させることを主軸としており、店舗回収から始まり、顧客にとって利便性の高い形での循環の仕組み化と、そこで得られるデータの蓄積・可視化を行っています。
| 店舗回収とリユース促進 | 不要になった衣料を回収し、再販売・リサイクル原料化のルートへつなげる仕組みを整備 |
|---|---|
| 循環データによる可視化 | 回収・再販売・リサイクルに至るプロセスごとにデータを収集 |
| 循環型材料の活用 | 回収衣料を原料とした素材を新製品へ再投入する |
製品クラスを横断した実運用データの収集・可視化を通じて、サプライチェーン全体の環境負荷を評価可能にしている点が特徴です。その結果、再利用・再投入に伴う削減効果が具体的な数値として把握され、排出削減戦略の策定に反映されています。
5.まとめ
グリーンサプライチェーンの構築は、単に環境負荷を低減するだけでなく、企業価値向上に不可欠な戦略となりつつあります。本稿で紹介した定義、算定プロセス、主要ガイドライン、そして先進的な実践事例は、企業が持続可能なサプライチェーンへと転換するための羅針盤となるでしょう。排出量算定の範囲を正確に把握し、サプライヤーとの連携を強化することで、グローバルな競争環境において優位性を確立することが可能となります。
五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」は、現状の資源流・排出データの精密な分析に基づき、サプライヤーを巻き込んだ資源回収・再資源化の構造変革を強固に支援します。サプライチェーンを次世代の循環型経営の核へと進化させたい場合には、ぜひご相談ください。


