企業の地域貢献とは?導入メリットと具体例をわかりやすく解説

地域貢献は、企業が地域と良好な関係を築き、持続的な事業運営を実現するうえで重要性が高まっています。本記事では、企業が地域貢献に取り組む目的や位置付けを整理したうえで、代表的な具体例、中小企業・大企業の実践事例、継続に向けたポイントを体系的に解説します。

地域に根ざした資源循環と経済価値の創出を、実務面から強力に支援するのが、五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」です。廃棄物を地域内で再価値化(アップサイクル)する仕組みづくりや、自治体・他企業を巻き込んだエコシステムの構築を強固に支援します。地域課題を「成長のチャンス」と捉え、次世代の循環型経営を地域と共に実現したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

目次

1.企業の地域貢献とは?目的や位置付けをわかりやすく解説

地域貢献はボランティア的な活動に留まらず、事業活動と結びつけて社会的責任(CSR)やESGの観点から評価される取り組みへと位置付けが変化しています。

まずは、企業の地域貢献の目的と範囲、CSR・ESGとの関係、取り組みが求められる背景、そして企業側にとっての主なメリットを整理します。

(1)企業の地域貢献とは?目的と範囲を簡潔に整理

企業の地域貢献とは、事業の存在基盤である地域社会に対し、企業が主体的に価値や利益を還元する取り組みを指します。目的は、地域課題の解決や生活環境の向上に寄与しながら、企業と地域の信頼関係を築くことにあります。

取り組みの範囲は、清掃活動やイベント協力などの参加型のものから、教育支援、災害時協力、地域産業との連携、本業の技術・サービスを活かした支援まで多岐にわたります。地域に根差した活動を継続することで、企業価値の向上や地域との共存につながる点が特徴です。

参考:企業は地域貢献を行うべき?重要性からメリット、事例まで解説|丹青社

(2)CSRとESGの中で地域貢献が占める位置づけ

地域貢献は、CSR(企業の社会的責任)の中でも、企業が社会と直接関わりながら価値を生み出す代表的な領域として位置付けられています。

CSRでは「法令遵守」や「環境配慮」など複数の側面が含まれますが、地域社会への貢献は企業の活動が社会にどう影響するかを示す重要な要素です。地域との協働によって得られる信頼や評価は、事業の安定性にも直結します。

さらに近年は、ESG投資の広がりにより、非財務情報としての活動が注目され、地域との関わり方が「S(Social:社会)」の評価項目として扱われるようになっています。地域の安全、教育、生活環境、産業支援などに取り組む企業は、社会全体に与える影響が可視化され、長期的な企業価値の向上につながると評価されています。

参考:ESGの「S」とは?企業の「ソーシャル(社会)」への関わり方と貢献活動事例|リコー

(3)企業が地域貢献を求められる背景

企業に地域貢献が求められる背景には、社会構造の変化と事業環境の多様化があります。
人口減少や少子高齢化が進む地域では、行政だけでは対応しきれない課題が増えており、企業の資源やノウハウを活かした協力が期待されています。

また、企業活動が地域社会に与える影響は大きく、雇用や経済循環の面でも企業は地域の基盤を支える存在です。
こうした状況から、地域との良好な関係づくりは事業継続性の確保にも関わる要素とみなされるようになりました。

参考:企業が社会貢献を行う理由とその効果とは?|丹青社

(4)企業が地域貢献に取り組むメリット

企業が地域貢献に取り組むことは、社会的責任の履行にとどまらず、事業面にも多様なプラス効果をもたらします。
こうしたメリットを整理すると、以下のようにまとめられます。

観点内容具体的な効果
ブランド力・信頼性の向上地域社会との関係が深まり、企業評価が高まる顧客・住民からの支持獲得/トラブル時の協力体制が築きやすい
採用・人材定着社会性のある企業として認識されやすく、求職者からの評価が向上働きがいの向上/従業員のモチベーション・エンゲージメント強化
自治体・地元企業との協働機会地域課題に取り組む過程で新たなネットワークが形成される防災協定・産業支援・教育連携などの拡大/本業発展や新規事業の可能性

つまり、本業の技術や資源を通じて地域に貢献する企業は、地域にとって不可欠な存在として評価され、中長期的な企業価値の向上にもつながります。

参考:企業が地域貢献に取り組む意義とは。活動を通じてもたらされる5つのメリット|福岡ソフトバンクホークス

2.企業の地域貢献の具体例

企業が取り組める地域貢献には、業種や規模を問わず実施しやすいものから、本業の特性を活かすものまで多様な種類があります。ここでは、代表的な取り組み内容を整理し、企業が地域社会とどのように関わることができるかを具体的に示します。

(1)地域イベント・地域清掃への参加

地域イベントや清掃活動への参加は、企業が特に取り組みやすく、自治体や商工会、地域のNPOが主催する活動への参加や企業が社員ボランティアとして自主的に参加枠を設ける方法もあります。

必要な準備は比較的少なく、企画・運営を担うわけではないため、初めて地域貢献に取り組む場合でも負担が少ない点が特徴です。

具体的には、地域祭りの運営補助、ゴミ拾い、緑化活動、地域行事の受付補助など、企業規模に関わらず参加できる活動が多くあります。従業員が地域住民と直接交流する機会が生まれるため、企業の認知向上地域への信頼形成にも効果的です。また、社内での参加者募集や活動レポートの共有を行うことで、従業員のエンゲージメント向上や社内コミュニケーションの活性化にもつながります。

参考:地域清掃活動への参加|井村屋グループ

(2)災害時支援・地域インフラへの協力

平時から自治体や防災団体と協定を結び、災害発生時に物資の提供、避難場所としての施設開放、社員の専門スキルを活かした支援を行うケースが増えています。自治体が公募する「災害協力企業制度」に登録することで、企業側の負担を抑えつつ具体的な役割分担を明確化できる点も利点です。
たとえば、物流会社なら輸送支援や在庫管理、建設会社であれば倒壊箇所の応急対応、IT企業なら情報システムの復旧支援など、本業と直結する内容で地域に貢献できます。

物資提供や簡易トイレ・発電機の貸出といった比較的負担の小さい協力でも、地域の防災力向上に寄与できます。
平時からの準備や連携体制づくりによって、災害時のスムーズな支援を実現し、企業の社会的価値を高める取り組みとして位置付けられています。

【事例】災害時を見据えた地域インフラへの貢献|森ビル
森ビル株式会社は、巨大地震などの大規模災害発生時における地域社会の機能維持と早期復旧に重点を置いた取り組みを推進しています。
特に、都心部の複合施設やオフィスビルでは、帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設の確保や、備蓄品の充実を図っています。さらに、災害対応の迅速化を図るため、事業エリアから2.5km圏内に防災要員用の社宅を設置し、初期対応体制を強化。これは、社員の安全確保と同時に、地域インフラを支える役割を果たす専門職がすぐに現場に駆けつけられるようにするための、独自のインフラ協力策です。平時から自治体や地域と連携を深め、都心部の防災力向上と継続的な都市機能の維持に貢献しています。
参考:地域・社会への貢献|森ビル

(3)学校・教育機関との連携

キャリア教育や探究学習が重視される現在、企業による出前授業、職場見学、インターン受け入れなど、地域の教育活動に企業が参画する機会が拡大しています。
企業側が関われる形としては、社員が業務内容や働き方を紹介するキャリア講話、製造現場やオフィスの見学対応、専門分野の知識を活かしたワークショップの実施などがあります。

教育施設との調整さえ整えば短時間でも実施することが可能です。こうした教育連携は、地域の若者に企業を知ってもらう機会となり、将来的な採用活動にも好影響を与えます。さらに、従業員にとっても社会貢献を実感しやすい活動であり、社内のモチベーション向上や企業文化の醸成にもつながります。

【事例】キャリア教育アワード大賞受賞プログラム|パナソニック
パナソニック ホールディングスは、2011年度から中学校向けに提供してきたキャリア教育プログラム「私の行き方発見プログラム」により、第14回キャリア教育アワードで大賞(経済産業大臣賞)を受賞しました。このプログラムは、次世代を担う子どもたちが、世の中に存在する多種多様な働き方や役割を学ぶことを通じて、自分らしい「行き方」、すなわち将来のキャリアと生き方を深く考えるきっかけを提供することを目指しています。
具体的な取り組みとして、学校の先生が授業ですぐに活用できるよう汎用性の高い教材を開発・提供しているほか、グループ社員が講師となり、自身の経験や仕事の意義などを伝える出前授業を全国で実施しています。約10年間にわたる継続的な支援と、教育現場のニーズに合わせた中長期的なプログラムの改善(PDCAサイクル)を繰り返してきた点が特に高く評価されました。
さらに、この活動は、講師を務める社員自身のキャリアを見つめ直す機会にもなっており、企業の人材育成にも貢献する相乗効果を生んでいます。
参考:私の行き方発見プログラムが経済産業省主催「キャリア教育アワード大賞」を受賞|パナソニック
参考:第 14 回キャリア教育アワード 受賞企業・団体事例|経済産業省

(4)地元事業者とのコラボレーション

製品開発、イベント共催、サービス連携などの地元事業者とのコラボレーションは、製品開発、イベント共催、サービス連携など、互いの強みを掛け合わせて新たな付加価値を生み出せる点が特徴です。
行政や商工会議所が連携支援を行うケースも多いため、企業単独では実現しにくい取り組みも、地域全体のネットワークを活用することで推進しやすくなります。たとえば、以下のような多様な協業が挙げられます。

  • 地元の食品事業者と共同で新商品の企画を行う
  • 小売店と協力して地域イベントの販促を行う
  • 観光業者と連携して体験コンテンツを開発する

継続的なコラボレーションを通じて信頼関係が深まると、地域経済の安定化や新規プロジェクトの誘発につながり、地域全体の活性化に寄与します。自社単独では生み出せない価値を地域企業と共創することで、双方にメリットのある地域連携の基盤を築くことができます。

【事例】地域資源を活かした共創の取り組み|星野リゾート
星野リゾートは、「地域共存」を経営の重要な柱の一つとして位置づけ、 宿泊施設が立地する地域の文化や自然を深く掘り下げ、 それを魅力的な体験としてお客様に提供する「地域と一体となった事業運営」を推進しています。具体的には、地域の農家や漁業協同組合といった生産者、 そして伝統工芸の職人や文化団体と連携し、 その土地ならではの食文化や工芸を活かしたアクティビティやサービスを共同開発しています。 これにより、お客様に深い地域体験を提供するとともに、 地元事業者の販路拡大や収益向上に貢献し、地域経済の活性化を促しています。
同社は、地域資産の保全と活用を通じて、持続可能な観光の実現を目指しており、 単なる経済効果に留まらない、地域への誇りを育む活動を重視している点が特徴です。
参考:勝手にSDGs 持続可能な ホテル経営のために|星野リゾート

(5)技術・製品・サービス提供などの本業を活かした貢献

自社の製品、技術、サービス、ノウハウを地域課題の解決に応用することで、企業としての専門性を直接的に地域へ還元できます。取り組み例として、次のようなものがあります。

  • 製造業が自社の加工技術を地域学校の特別授業や工房体験に提供する
  • IT企業が地域団体の業務効率化やデジタル化を支援する
  • 建設・インフラ関連企業が空き家対策や地域防災に協力する

本業と地域課題がうまく結びつくと、新たな事業機会や共同プロジェクトが生まれることもあります。自治体・学校・地元企業との関係強化につながり、結果としてブランド向上や地域での存在感向上にも寄与します。

【事例】建設技術を活かした地域課題解決|大和ハウス工業
大和ハウス工業株式会社は、建設・住宅事業で培った専門知識とノウハウを地域社会の喫緊の課題解決に直接活用しています。特に、全国的な課題である空き家問題に対して、自治体と積極的に連携し、 その活用や対策に関する住民向けセミナーの開催や専門的な相談窓口の支援を実施しています。 これは、住まいのプロフェッショナルとしての立場から、地域の環境維持と資産活用をサポートするものです。
さらに、地域防災の面では、災害時における応急仮設住宅の建設に関する災害協定を多数の自治体と締結しており、 有事の際には迅速かつ安定的に住まいのインフラを提供できる体制を整えています。
また、本業である建設技術や資材供給のネットワークを活かし、 地域の安全なまちづくりや持続可能な社会基盤の整備に貢献することで、 企業としての社会的責任を果たし、地域での信頼と存在感を高めています。
参考:戦略的な地域活性化の取り組み(4)官民連携で空き家問題を解決|大和ハウス工業

3.中小企業の地域貢献の事例

(1)地域資源を活かした観光振興と雇用創出の取り組み

引用:https://oz-group.jp/about_company/

三重県鳥羽市に拠点を置く有限会社オズ(海島遊民くらぶ)は、「観光から感幸へ」というミッションのもと、地域資源を活用した参加型・体験型エコツーリズムを通じて地域活性化と雇用創出の両立に取り組んでいます。同社の主な活動には、無人島・磯場での体験ツアー、海ほたる観察とワインを組み合わせた大人向けプログラム、子どもガイド育成などが挙げられ、すべて「今だけ・ここだけ・あなただけ」という“ならでは”の体験価値を重視しています。

また、地域の漁協・民宿と連携して、食材を地元産に限定するなどの域内循環モデルを構築しており、地域内でのモノ・カネ・仕事の流れを強化することで、地域の雇用機会拡大と観光収益の地域定着を図っています。
こうした体制を通じて、地域観光が一過性の消費ではなく、地域コミュニティの再生・維持に資するビジネスモデルとして展開されている点が特徴です。

参考:https://shokosoken.or.jp/chousa/youshi/23nen/23-2.pdf

(2)伝統技術の継承と地域コミュニティ支援に向けた住環境づくり

引用:https://jisya.jp/

株式会社中島工務店は、地元の森林資源を活用し、木材の加工や住宅建築の現場を顧客や地域住民に公開・見学してもらうことで、ものづくりの過程や素材の価値を理解してもらう活動を行っています。

さらに同社は、地域の農業法人が運営する産直市場および花卉販売所への支援も行っており、これは住宅建築という自社の枠を超えて、地域の産業・生活基盤の維持にも貢献するものです。こうした住環境支援・地域産業支援の組み合わせにより、建築を通じて地域の暮らしとコミュニティを支えるという視点が鮮明になっています。

参考:https://shokosoken.or.jp/chousa/youshi/23nen/23-2.pdf

4.大企業の社会貢献活動

(1)ESG(環境・社会・ガバナンス)に基づく取り組み

引用:https://global.toyota/jp/sustainability/esg/social-contribution/

トヨタ自動車は、「幸せの量産」や「誰一人取り残さない社会」の実現をビジョンに掲げ、社会貢献活動を「文化・芸術」「交通安全」「自然環境」「災害支援」の4分野に整理しています。

具体的な取組例として、「トヨタ・マスター・プレイヤーズ ウィーン」「トヨタコミュニティコンサート」といった文化・芸術領域の活動や、「トヨタの森」「トヨタ白川郷自然學校」など自然環境との共生をテーマとしたプログラムが挙げられます。その他にも、被災地支援や車中泊避難支援など、災害支援の分野でも活動を展開しています。

(2)次世代育成を軸とする取り組み

引用:https://www.kao.com/jp/sustainability/society/

花王株式会社は、未来の「豊かな共生世界の実現」に向けて、教育・学術を重要な社会的基盤と位置付け、次世代育成を軸に据えた社会貢献活動を展開しています。
具体的には、小学生から高校生・高専生を対象に、次のようなプログラムを提供しています。

  • 社員による出張授業を通して、科学技術への興味を喚起し、企業の研究・商品開発の現場を学ぶ機会を提供
  • 高校生・高専生対象の「科学技術チャレンジ(JSEC)」を支援し、優秀な研究者育成を促進
  • 授業教材の無償提供や企業施設の見学プログラムなどを通じて、理科・環境・清潔衛生の教育を幅広い層に展開

これらの取り組みによって、企業が保有する技術・知見を地域教育に還元し、将来を担う人材の育成を図ると同時に、自社ブランドの認知・信頼向上を目的としています。

5.企業の地域貢献を継続させるポイント

地域貢献は、企業の価値向上や地域との信頼関係構築につながる「長期的な活動」として設計することが重要です。ここでは、地域貢献を持続的に推進するための具体的な視点を解説します。

(1)本業と関連付ける

本業と関連した地域貢献は、企業にとって無理のない範囲で実施できるうえ、従業員も活動の意義を感じやすく、長期的に続けやすいという特徴があります。

たとえば、製造業であれば加工技術を活かしたワークショップや地元学校での特別授業、IT企業であれば地域団体のデジタル化支援、建設会社であれば防災・住環境に関する講座や空き家対策への協力など、企業の強みや専門性を地域ニーズに合わせて提供することが可能です。本業起点であれば、活動自体が企業のブランド価値向上や人材育成にもつながり、地域側にも持続的なメリットを生み出します。

【事例】プラットフォームを活かした地域貢献|LINEヤフー
LINEヤフー株式会社は、LINEやYahoo! JAPANが持つ強力な情報プラットフォームとデジタル技術を、地域社会の課題解決に活用しています。
特に、災害時の迅速な情報発信は主要な貢献の一つであり、自治体と連携し、 住民が必要とする避難情報や生活情報をLINE公式アカウントやYahoo!マップを通じてリアルタイムで提供しています。 これにより、地域の防災インフラとしての役割を担い、住民の安全確保を支援しています。
また、本業のデータ解析技術を応用し、地域限定の観光動態データや消費行動データを提供することで、 地方自治体や地元企業が行う観光振興や地域マーケティングを支援。 デジタル化支援を通じて、地域経済の活性化と効率的な行政運営に貢献しています。
同社は、日常的な情報インフラとしての役割と、有事の際のライフラインとしての機能を両立させることで、地域での信頼性の向上と持続的な社会貢献を追求しています。
参考:サステナビリティ|LINEヤフー

(2)従業員参加型で推進する

活動を一部の担当部署だけに任せるのではなく、社員が参加しやすい環境を整えることで社内の一体感が生まれ、企業文化として地域貢献を根付かせやすくなります。

具体的には、地域清掃・イベント運営支援・学校でのキャリア講話など、短時間で参加できる取り組みを組み合わせる方法が挙げられます。また、部署ごとにチームを編成したり、社内ボランティア制度や参加者表彰制度を導入したりすることで、社員の意欲向上にもつながります。従業員が得意分野を活かせる活動を選べるようにすることも、参加率を高めるポイントです。

活動の意義や成果を社内で共有する仕組みをつくることで、参加者の満足度が高まり、継続的な地域貢献のサイクルを構築することができます。

【事例】多様なスキルを活かした従業員参加型貢献|資生堂
株式会社資生堂は、地域社会への貢献を推進するため、社員が積極的に参加できる環境整備に注力しています。同社は、事業所周辺の美化活動や地域イベントの運営支援に加え、 社員が持つ専門スキルやノウハウを活かせるよう活動内容を多様化しています。
特に、美容のプロとしての知識を応用し、病気や災害で心を痛めた方々に対して、 メイクやスキンケアを通じてQOL(生活の質)向上を支援する「ビューティーボランティア」活動を展開。
これにより、社員は本業との関連性の高い活動を通じて社会貢献を実感できます。 また、社員の参加を奨励するため、社会貢献活動特別休暇などの制度を整備し、 短時間でも参加しやすい柔軟な仕組みを導入することで、従業員一人ひとりの自発的な地域貢献を後押ししています。
参考:社会貢献活動|資生堂

(3)自治体・地元団体と連携する

企業単独の取り組みでは対応できない地域課題も多く、行政や地域組織と協働することで活動の継続性・安全性・効果を高めることができます。自治体は地域ニーズの把握に強く、企業は技術・設備・人材といったリソースを提供できるため、それぞれの強みを活かすパートナーシップが重要になります。

具体的には、自治体が設ける「地域貢献企業制度」「災害協力企業制度」への登録、商工会議所を通じた企業同士の協働プロジェクト、NPOとの共同イベント運営などが挙げられます。また、自治体側が課題として認識している分野(防災、環境、美化活動、子育て支援、観光など)と自社の強みを照らし合わせて協働テーマを定めることで、企業側の負担を抑えつつ効果的な活動が可能になります。

【事例】店舗ネットワークを活かした地域連携|セブン-イレブン・ジャパン
株式会社セブン-イレブン・ジャパンは、全国に広がる店舗ネットワークと、24時間営業という特性を活かし、広範な地域課題の解決に貢献しています。
同社は、全国各地の自治体と地域見守り活動に関する協定を積極的に締結しており、 日常の店舗業務や配送業務を通じて、高齢者などの異変を察知し、自治体へ連絡する体制を構築しています。
また、災害が発生した際には、店舗が物資供給や情報発信の拠点となるよう自治体と協力協定を結び、 地域の生活インフラとしての重要な役割を果たしています。
その他にも、店舗での地産地消の推進や、公共料金の収納代行といったサービスを通じて、 地域住民の利便性向上と安心・安全な生活環境の維持に貢献しています。
参考:地域社会との連携|セブン-イレブン・ジャパン
参考:セブン-イレブンが描く「地域との共生」とは|セブン-イレブン・ジャパン

(4)CSR報告書との連動を重視する

活動を可視化し、社内外に共有する仕組みを整えることで、地域貢献が単発の善意ではなく、企業の戦略的な取り組みとして位置付けられるようになります。また、報告書に記録することで成果が蓄積され、活動の継続性を支える根拠にもなります。

具体的には、地域貢献活動の目的、年間の実施内容、参加人数、地域との協働状況、得られた成果などを定期的に整理し、レポートの該当項目(社会・コミュニティ領域)と紐づけてまとめます。これにより、経営層やステークホルダーが活動の意義を把握しやすくなり、次年度以降の予算確保・社内理解の促進にもつながります。

6.まとめ

企業の地域貢献は、CSR・ESGの観点から重要性が高まっており、地域との信頼関係構築やブランド価値向上につながる取り組みです。地域イベントへの参加や教育支援、災害協力、地元事業者とのコラボレーション、本業を活かした支援など、企業規模を問わず実施できる領域は広く、初めて取り組む場合でも着手しやすい活動が多くあります。

地域社会とともに成長できる仕組みを作ることは、企業の持続的な発展にも直結します。自社に適した地域貢献の形から一歩踏み出し、長期的な信頼と価値を育む活動へつなげていきましょう。

こうした地域に根ざした資源循環と共創モデルの構築を、実務面から強力に支援するのが、五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」です。自治体や地元企業を巻き込んだ「ローカル・エコシステム」の構築を強固に支援します。地域貢献を来への投資」と捉え、次世代の循環型経営を地域と共に実現したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

監修

早稲田大学法学部卒業後、金融機関での法人営業を経て、中小企業向け専門紙の編集記者として神奈川県内の企業・大学・研究機関を取材。
2013年から2020年にかけては、企業のサステナビリティレポートの企画・編集・ライティングを担当。2025年4月よりフリーランスとして独立。
企業活動と社会課題の接点に関する実務経験が豊富で、サステナビリティ分野での実践的な視点に基づく発信を強みとしている。