廃棄物の再利用は、環境対応にとどまらず、コスト削減や新たな事業機会につながる取り組みとして注目されています。この記事では、食品・衣類・プラスチック・金属といった業界別に、廃棄物を原料として実際に商品化されている事例を解説します。
こうした廃棄物の再資源化と収益化を、実務面から一貫してプロデュースするのが、五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」です。現場の廃棄物分析から、最適な再資源化ルートの構築、そして新たな価値を生む「商品化」への構造変革を強固に支援します。廃棄物を「処理費用」として払い続けるモデルから脱却し、次世代の循環型経営を構築したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
1.食品廃棄物の再利用例
(1)食品廃棄物からバイオ液肥・バイオ固形肥料を製造

株式会社東北バイオフードリサイクルは、スーパーやコンビニ、食品加工業者などから排出される食品廃棄物をメタン発酵し、発生したバイオガスを発電に利用しています。
発酵後に生じる液状の発酵残渣はバイオ液肥「伊達のしずく」として、さらに脱水処理した固形分は運搬・散布・保管性に優れたバイオ固形肥料「伊達のみのり」として製品化しています。
これらの肥料は、宮城県や山形県の農家で水稲や子実とうもろこしなどの栽培実証が進められており、慣行栽培と同程度の生育・収量が確認されています。
(2)食品廃棄物等から特殊肥料(堆肥)を製造

愛知県犬山市の竹練農産は、おからなどの食品廃棄物や食品残渣、もみ殻・米ぬかといった地域資源を活用し、特殊肥料(堆肥)を製造しています。
原料は水分量や成分を調整したうえで発酵・熟成工程を経て堆肥化され、「元気ゆうき君」「元気ゆうき君 プラス」として製品化されています。
完成した堆肥は露地野菜や水稲の栽培に利用され、土壌改良や地力の維持・向上に寄与しています。
これらの肥料は有機農産物JAS規格適合資材として評価されており、地域農業を中心に活用が進められています。
(3)食品廃棄物から完熟堆肥を製造

株式会社大栄工業および株式会社いがぐりは、県内外で発生する食品廃棄物と木質チップを原料とし、発酵・熟成工程を経て完熟有機堆肥を製造しています。
原料は水分量や異物を適切に管理しながら微生物発酵を進めることで、臭気や未分解物を抑えた安定品質を実現しています。製造された堆肥は露地野菜や水稲の栽培に利用され、土壌中の微生物活性を高めることで地力の回復や保水性の向上に寄与していることが確認されています。
(4)コーヒー豆かすから牛の飼料を製造

スターバックス コーヒー ジャパン株式会社と株式会社メニコンは、店舗で発生するコーヒー豆かすを回収し、牛用飼料として再利用する取り組みを行っています。
店舗で分別・脱水処理された豆かすは、チルド物流の戻り便で回収され、再生利用事業者により乳酸発酵させて飼料化されます。
この飼料を用いて育てられた乳牛のミルクは再び店舗のドリンクに使用され、食品リサイクルループを構築しています。飼料化により廃棄コストや環境負荷を低減するとともに、乳製品質向上も期待されています。
(5)茶殻から畳・ボールペン・封筒などを製造

株式会社伊藤園は、茶系飲料の製造過程で発生する茶殻を原料とし、畳やボールペン、封筒などの製品へ再利用する「茶殻リサイクルシステム」を展開しています。
茶殻にはカテキンやテアニンなどの有効成分が多く残り、抗菌性や消臭性といった機能性を有する点が特徴です。
これらの特性を活かして日用品や工業製品の素材として配合し、付加価値の高いアップサイクル製品を開発しています。大量に発生する茶殻を資源として循環させることで、廃棄物削減と環境負荷低減の両立を実現しています。
2.衣類・繊維廃棄物の再利用例
衣類・繊維廃棄物は、素材の多様性や混合構造により再利用が難しい分野とされてきましたが、近年は回収・分別・再生技術の進展により活用の幅が広がっています。ここでは、衣類や繊維を資源として循環させる代表的な再利用事例を解説します。
(1)羽毛布団から新たなダウン製品を製造

株式会社ナンガは、使用済みの羽毛布団を回収し、中材のダウンを洗浄・選別したうえで、新たなダウン製品として再生する取り組みを行っています。
羽毛は適切な再生処理を施すことで高い保温性や耐久性を維持できる素材であり、再利用に適しています。
廃棄されていた羽毛布団を原料として循環させることで、ダウン原料の新規調達に伴う環境負荷を抑制し、資源の有効活用につなげています。
(2)古着からバイオエタノールや再生ポリエステルを製造

日本環境設計株式会社(JEPLAN)は、使用済み衣類や古着を回収し、素材別に分別したうえでバイオエタノールや再生ポリエステル原料へ再資源化しています。
綿繊維は糖化・発酵工程を経て自動車燃料などに利用され、ポリエステル繊維は化学的処理により石油由来と同等品質の再生ポリエステルとして再生されます。全国の回収拠点を通じて消費者参加型の循環を構築し、「服から服へ」の資源循環を実現しています。
(3)廃棄衣料品から再生ポリエステル原料を製造

帝人フロンティア株式会社は、古着の回収・選別を行うファイバーシーディーエム株式会社と連携し、廃棄衣料品から再生ポリエステル原料を製造するリサイクルシステムの構築に取り組んでいます。
回収した衣料品の中からポリエステル素材を効率的に選別し、化学的分解・再生技術を用いて石油由来原料と同等品質の再生ポリエステルへと再資源化します。使用済み衣料を原料段階に戻すことで、石油資源の使用削減と繊維分野における循環型生産の実現を目指しています。
(4)古着を回収し、再販売・断熱材へのリサイクル

ユニクロは「RE.UNIQLO」の取り組みとして、使用済み衣料品や古着を回収し、状態に応じてリユースと素材リサイクルに振り分けています。
着用可能な衣類は再販売され、再利用が難しいものは裁断・反毛工程を経て、建物の断熱材や自動車用防音材として再資源化されます。Tシャツ約22枚分の古衣料が、自動車1台分の防音材として活用される事例もあります。
(5)衣料品の分別回収から衣類・自動車部品にリサイクル

イオンは店舗で回収した使用済み衣料品を素材別に分別し、衣類や自動車部品などへ再資源化する取り組みを進めています。
回収後は繊維や樹脂の種類ごとに選別され、再製品化が可能なものは衣料品として再利用されます。一方、衣類としての再利用が難しいものは加工工程を経て、自動車の内装材などの部品原料として活用されます。用途に応じた循環ルートを設けることで、衣料廃棄物の焼却・埋立処分を抑制し、資源の有効活用につなげています。
3.プラスチック廃棄物の再利用例
プラスチック廃棄物は用途や素材が多様である一方、再生技術の進展により高付加価値化が進んでいます。
ここでは、プラスチック廃棄物の代表的な再利用事例を解説します。

(1)使⽤済みプラスチックを回収し、ペレットを製造

株式会社近江物産は、使用済みプラスチックを回収し、選別・洗浄・粉砕などの工程を経て再生ペレットを製造する取り組みを行っています。
回収材の種類や用途に応じた分別と品質管理を徹底し、異物や汚れを除去したうえで、成形原料として再利用可能な粒状原料へ加工しています。
製造された再生ペレットは、容器包装や工業製品など幅広い用途に活用され、バージン材の使用量削減と資源循環型ものづくりの実現に寄与しています。
(2)廃家電のポリプロピレン樹脂を再生樹脂として再利用

大宝工業株式会社は、廃棄された家電製品からポリプロピレン(PP)樹脂を分離・回収し、再生樹脂として再利用するエコリサイクルシステムを構築しています。
回収したPPは、金属や異物の除去、食品衛生法基準を満たす洗浄、脱水・乾燥といった工程を経て、高品質な再生材料へ加工されます。
再生PPは家電部品や日用品などに活用され、バージン樹脂使用量の削減と廃棄物処理量の低減を両立する取り組みとして、資源循環型ものづくりに貢献しています。
(3)再⽣プラスチックで⽊材代替製品を製造

川瀬産業株式会社は、使用済みプラスチックを回収し、木材の代替となる再生プラスチック製品を製造しています。
回収したプラスチックは洗浄・粉砕後、添加材などと混合して成形し、木材と同等の強度や耐久性を持つ板材や建材、農業資材などに加工されます。腐食や劣化に強く、屋外利用にも適している点が特徴です。
(4)ペットボトルのリサイクル素材から眼鏡を製造

有限会社ウチダプラスチックは、使用済みペットボトルを回収し、洗浄・破砕・精製工程を経て再生したPET素材を用い、眼鏡フレームを製造しています。
回収PETは高度な精製処理により透明性や耐久性を確保し、眼鏡として求められる品質基準を満たす素材へと加工されます。
廃プラスチックを高付加価値製品へ転換することで、バージン素材への依存低減と資源循環の促進を両立する取り組みです。
(5)使用済みペットボトルから新品食品用ペットボトルを製造

サントリーグループは、使用済みペットボトルを回収し、再び飲料用ペットボトルへと再生する「ボトルtoボトル」水平リサイクルを推進しています。
回収したボトルは洗浄・粉砕後、高温・減圧下で不純物を除去し、食品容器として使用可能な再生PET樹脂へ加工されます。
石油由来のバージン原料使用量やCO2排出量を大幅に削減し、資源が循環し続ける容器製造を実現する取り組みです。
4.金属廃棄物の再利用例
金属廃棄物は、品質劣化が起こりにくく、繰り返し再生できる点で資源循環に適した素材です。
ここでは、金属廃棄物の代表的な再利用事例を解説します。

(1)鉄スクラップを建設用の鋼材として循環利用

株式会社大林組は、建設現場や解体工事で発生する鉄スクラップを回収し、再び建設用鋼材として循環利用する水平リサイクルに取り組んでいます。
回収された鉄スクラップは不純物を除去したうえで電炉で再溶解され、新築工事の構造材や部材として活用されます。
輸送ルートや事業者連携を最適化することで、鋼材製造時のCO2排出量を大幅に削減し、トレーサビリティの確保にも対応しています。
(2)鉄スクラップの再利用によりプリンティング製品を製造

キヤノン株式会社は、回収した鉄スクラップを原料とする再生鉄材料(電炉鋼板)を、プリンティング製品の部品や筐体に採用する取り組みを進めています。
使用済み複合機などから分別した鉄材料を再溶解・精製し、品質要件を満たす再生材として活用することで、鉄鉱石由来のバージン材使用量を抑制します。
あわせて、製造段階におけるCO2排出量の削減と資源循環の促進につなげています。
(3)ステンレス製ボトルの回収からステンレス原料とPP樹脂を製造

タイガー魔法瓶株式会社は、使用済みのステンレス製ボトルを回収し、本体に使われているステンレスと部品に使用されているPP樹脂を分離・再資源化する取り組みを行っています。
回収したボトルは解体・選別工程を経て、ステンレスは新たな金属原料として、PP樹脂は再生樹脂として再利用されます。製品を素材単位で循環させることで、原料採掘や樹脂製造に伴う環境負荷の低減につなげています。
(4)銅鉱石などから銅地金を製造

JX金属グループは、銅鉱石に加え、使用済み製品や製造工程で発生する銅スクラップを原料として、銅地金を製造する取り組みを行っています。
回収した原料は溶解・精製工程を経て高純度の銅地金として再生され、電線や電子部品、建材など幅広い用途に供給されています。銅は繰り返し再生しても性能が劣化しにくく、資源循環に適した金属である点が特徴です。
(5)使用済みアルミ缶からリサイクルアルミ素材100%の飲料用アルミ缶原料に

コカ・コーラ ボトラーズジャパンは、使用済みアルミ缶を回収し、溶解・再成形することで、リサイクルアルミ素材100%の飲料用アルミ缶原料を製造する取り組みを進めています。
回収されたアルミ缶は異物除去や洗浄を経て溶解され、純度の高いアルミ素材として再生されます。この素材は再び飲料用アルミ缶として成形され、アルミ資源の水平リサイクルを実現し、CO₂排出量の削減と資源循環の促進に貢献しています。
5.廃棄物の再利用を商品化につなげるポイント

廃棄物の再利用を一過性の取り組みで終わらせず、事業として成立させるには、技術面だけでなく設計・運用・市場の視点が欠かせません。ここでは、再利用を商品化につなげるために押さえておくべき実務上のポイントを解説します。
(1)素材特性と用途適正の見極め
廃棄物を商品化する際は、用途を先に決めるのではなく、素材が本来持つ特性から適用可能な製品領域を絞り込むことが重要です。用途ごとに求められる安全基準や表示区分への適合可否であり、これが設計自由度や市場投入の可否を左右します。
| 検討フェーズ | 確認のポイント |
|---|---|
| 初期評価 | 想定用途と規制要件の整合性 |
| 設計検討 | 加工難易度と量産適性 |
| 実証段階 | 品質安定性と供給継続性 |
また、量産時の品質ばらつきや安定供給の可否を見据え、評価・試作・実証のプロセスを段階的に進めることで、後工程での手戻りやコスト増を防ぐことができます。
(2)安定調達と加工コストの最適化
廃棄物の事業化では、継続的に原料を確保できる体制づくりが前提となります。
特に重要なのは、調達量の変動を前提にした事業設計と、工程全体を通じたコスト構造の可視化です。
| 観点 | 最適化の方向性 |
|---|---|
| 調達体制 | 複数ルート化と契約条件の平準化 |
| 加工工程 | 作業工程の定型化・自動化 |
| 物流設計 | 拠点集約と保管効率の向上 |
前処理や物流を含めて工程を分解し、どこでコストが発生しているのかを把握したうえで最適化を進めることで、価格競争力と収益性の両立が可能になります。
(3)安全性・法令・表示区分のクリア
廃棄物由来の原料を商品化する際は、技術面より先に法令適合と表示整理を行うことが重要です。
用途ごとに適用法令や業界基準は異なり、想定市場によって必要な検査・証明の範囲も変わります。
事前に規制条件を洗い出し、商品設計・販売方法に反映させることで、後工程での修正や販売停止リスクを回避できます。
| 確認項目 | 実務上の整理ポイント |
|---|---|
| 関連法令 | 用途別に適用範囲を明確化 |
| 安全性証明 | 第三者検査・分析体制の確保 |
| 表示設計 | 誤認を招かない用途・制限表記 |
法令順守を前提とした設計は、長期的な信頼確保と事業継続性の基盤となります。
(4)顧客価値の設計とブランドストーリーの構築
廃棄物由来の商品は、環境性を前面に出すだけでは選ばれにくく、顧客が得られる具体的な価値を設計する必要があります。
購入判断に直結する要素と、背景として伝える情報を整理し、納得感のある文脈をつくることが重要です。
価値訴求と情報開示を分けて設計することで、環境配慮が差別化要素として機能します。
| 設計観点 | 役割 |
|---|---|
| 機能・経済価値 | 選ばれる理由を明確化 |
| 環境背景情報 | 共感・信頼の補強 |
| 伝達方法 | 誤解なく理解される構造 |
顧客視点で整理された価値設計は、ブランドへの信頼と継続購買につながります。

(5)回収スキームとサプライチェーン整備
廃棄物を原料とする事業では、回収から製造までを一連の流れとして設計することが前提となります。
単発の回収や属人的な運用では継続性が担保できないため、関係主体ごとの役割整理と情報連携の仕組みづくりが重要です。供給変動を前提に、全体を管理可能な構造へ落とし込みます。
| 設計観点 | 目的 |
|---|---|
| 回収体制の設計 | 原料供給の安定化 |
| 物流・前処理 | コストと品質の管理 |
| 情報連携 | 需給変動への対応 |
回収と供給を一体で設計することで、事業としての持続性が高まります。
(6)商品性・市場性の検証と販路開拓
廃棄物由来の商品は、開発段階から商品性と市場性を切り分けて検証することが重要です。
試作や限定販売を通じて需要の有無を見極め、想定顧客や利用シーンを具体化したうえで、過度な在庫や価格ミスマッチを避ける設計が求められます。
| 検証項目 | 確認の観点 |
|---|---|
| 商品性 | 価格帯・品質水準・使用シーン |
| 市場性 | 競合状況・需要規模 |
| 販路 | BtoB/直販/EC/連携先 |
検証結果を踏まえて販路を段階的に広げることで、実行可能性の高い事業化につながります。
6.まとめ
廃棄物の再利用は、環境対応に加えてコスト削減や新たな事業機会を生み出す手法として広がっています。
共通するポイントは、素材特性の見極め、安定調達、法令順守、顧客価値設計、回収・供給体制、市場検証を段階的に行うことです。実務視点で設計することで、再利用は継続可能な事業へと発展します。
こうした廃棄物の再資源化スキームの構築と、商品化へのプロセスをトータルで支援するのが、五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」です。現場で発生する未利用資源のポテンシャルを最大限に引き出し、新たな収益源へと転換する構造的な企業変革を強固にサポートします。廃棄物を負債から資産へと変え、次世代の循環型経営を実現したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。


