サステナブル・フードは、気候変動による原材料の調達不安や、グローバルな環境規制、さらには消費者のエシカル志向の高まりを受け、企業にとってはブランド価値の強化のみならず、経営基盤の強靭化に直結する重要テーマとなっています。本記事では、サステナブル・フードの基本概念を整理したうえで、国内の代表的なヒット事例も詳しく紹介します。
こうした食の持続可能性を、資源循環の仕組みによって実務面から支援するのが、五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」です。廃棄物削減や未利用資源の再価値化(アップサイクル)を起点に、環境負荷を抑えつつ経済価値を最大化する商品開発や、構造的な企業変革を強固に支援します。社会的ニーズを確かな収益へと変換し、次世代の循環型経営を構築したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
1.サステナブル・フードとは?企業が取り組むべき理由

まずは、サステナブル・フードとは何かという基礎的な定義と英語表現を整理し、SDGsとの関係、そして注目を集める理由を順に解説します。
(1)サステナブル・フードの定義と英語表現
サステナブル・フード(Sustainable Food)とは、環境・社会・経済のバランスを保ちながら、生産から消費までを持続可能に設計した食の仕組みを指します。
生産・流通・消費・廃棄に至るすべての過程で環境負荷を抑え、社会的公正を担保しながら継続可能な仕組みを指します。つまり、将来世代にも安定して食を提供できる構造を支えることが目的です。環境省では、サステナブルで健康な食生活について以下のような要素が強調されています。
| 重点項目 | 概要 |
|---|---|
| 地産地消・旬産旬消の推進 | 輸送距離を短縮し、エネルギー消費やCO₂排出を削減。地域産品の利用で地元経済の循環を促進。 |
| 食品ロスの削減 | 日本では年間約600万トンの食品ロスが発生。廃棄量削減により温室効果ガス排出を抑制。 |
| カーボンニュートラル・循環型社会への貢献 | 食生活を通じてカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、生物多様性保全に寄与。 |
| 国内農業と食料自給率の強化 | 日本の食料自給率の低さを背景に、地産地消や国産原料の利用を推進。 |
また英語表現としては、以下のような区分が実務的によく使われます。
| 表現 | 用途・意味 |
|---|---|
| Sustainable Food | 個別の商品、食材、あるいは消費行動レベルでの持続可能性を示す表現 |
| Sustainable Food Systems | 生産・流通・消費・廃棄を含む食全体の仕組みを指す総体的概念 |
企業においては、これらの考え方を自社のサプライチェーンや商品開発に取り入れることで、環境に優しい企業から社会価値を創出するブランドへと進化する契機となります。
参考:余った食品を寄付。取り組み広がるフードドライブ|環境省
(2)SDGsとの関係と日本の動向
サステナブル・フードは、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の中でも、以下の3つと特に深い関係があります。
| SDGs目標 | 概要 | サステナブル・フードとの関係 |
|---|---|---|
| 目標2:飢餓をゼロに | すべての人に食料安全保障と栄養を確保 | 持続可能な農業・漁業を通じて安定した食料供給を確立し、地域格差を是正。 |
| 目標12:つくる責任・つかう責任 | 持続可能な生産と消費の実現 | フードロス削減、リサイクル素材の活用、再エネ導入などで資源循環を促進。 |
| 目標13:気候変動に具体的な対策を | 気候変動とその影響への緊急対策 | 農業・畜産・食品製造におけるCO₂排出削減、再生可能エネルギー利用を推進。 |
また、環境省の報告によれば日本ではこれらの目標に基づき、食生活を通じた脱炭素ライフスタイルの実現が重点テーマとされています。これには、再生素材包装やプラントベース食品、FSC/MSC認証の取得拡大のほか、地産地消・学校給食など地域単位での持続可能な食モデルの推進も該当します。
(3)サスティナブル・フードが注目を集める理由
①人口増加と食料需要の急拡大

世界の穀物生産量は2000年度の18億トンから2024年度には約28億トンに増加しましたが、消費量も同水準で推移しており、需給バランスは逼迫傾向にあります。
国連は2050年に人口が約97億人へ達すると予測しており、限られた農地・水資源の中で「持続可能な食料供給」を実現することが世界共通の課題となっています。
参考:フードテックビジネスの実証事例|パソナ農援隊、農林水産省
参考:フードテックとは?食料問題を解決する企業の事例や今後の課題を解説!|ヤンマー
②気候変動による生産リスクの増大
気温上昇や異常気象がこれまでの予測よりも低い温度上昇段階で重大な影響を及ぼす可能性が示されています。干ばつや洪水、熱波の頻発により主要穀物(小麦・トウモロコシ・コメなど)の収穫量は減少傾向にあり、食料価格の高騰や供給リスクの拡大が懸念されています。
こうした変化は、食料の安定供給のみならず、サプライチェーン全体の持続性にも直接的な影響を与えています。
参考:農林水産分野における気候変動への適応に関する取組|農林水産省
③食品ロス・廃棄問題の深刻化

日本の令和3年度の統計によると、年間約523万トンもの食品ロスが発生しており、そのうち家庭系が約244万トン(46.7%)・事業系が約279万トン(53.3%)を占めています。
世界全体でも生産された食料の約3分の1が廃棄されているとされ、これらの焼却の過程で多量の温室効果ガスが排出されています。
つまり食品ロスの削減は、限りある資源を有効活用するだけでなく、企業のコスト削減やESG経営の実践にも直結する重要な課題と位置付けられています。
参考:家庭系食品ロス削減の取組事例|環境省
参考:事業系食品ロス削減取組事例集|愛知県
参考:地方公共団体の食品ロス削減の取組事例|消費者庁

2.日本におけるサステナブル・フードの代表事例

(1)日清食品のフードテック戦略

日清食品グループは、社は「Human Well-being(人々の健康と幸福)」と「Planetary Health(地球環境の健全性)」の両立を目指し、即席麺で培ってきた技術を応用して、環境負荷を抑えつつ栄養バランスを最適化した「完全メシ」シリーズや、動物性原料を使わない「プラントベースうなぎ」のような、味や見た目を従来の食材に近づけた製品を開発しています。
完全メシは、33種類の栄養素をバランスよく含むよう設計されており、健康性と利便性を両立させた食の選択肢として消費者に訴求しています。
また、食料の安定供給と持続可能なタンパク質源の確保を見据え、培養肉技術にも着手しており、東京大学との共同研究で牛由来筋細胞を使った人工肉の試作に成功しています。
このような取り組みは、味・栄養・素材・見た目・技術という多面的要素を統合し、企業として「選ばれる食」を構築しています。
(2)オーサワジャパンのマクロビオティック思想を軸にした有機食品展開

オーサワジャパンは、創業以来「マクロビオティック」の思想を軸に、有機・自然農法・海の生態系に配慮した原料を原則とした商品展開を続けています。
公式サイトでは、化学肥料不使用・伝統製法・旬や地域性を重視することで、環境保全や食品ロス削減への貢献を明示しています。
また、商品実績として北海道産特別栽培小豆、車麩、有機乾燥玄米こうじ、ヴィーガンプロテインバーなどが公開されており、健康性・環境性・地域性を統合したブランドとして機能しています。
これらの商品を展開することで、環境性と地域性という多角的な価値を統合したブランドとして機能しており、持続的な食の未来に貢献しています。
(3)キユーピーの食品ロスを価値に変える資源循環
キユーピーグループは、環境配慮型経営の柱のひとつとして「資源の有効活用・循環」に取り組んでおり、その中核施策のひとつが食品ロス削減・有効活用が挙げられています。
具体的には、代表商品・マヨネーズの製造工程における効率化・AIなども活用した在庫最適化を図る分析体制の構築、商品の賞味期間延長・期限表示を「日まで」ではなく「年月」までの表記に順次切り替える取り組みを進め、家庭内での食品ロス削減にも貢献しています。さらには野菜の未利用部(外葉・芯・皮)を堆肥・飼料に再活用、卵殻を肥料やカルシウム素材として再利用するなど、バリューチェーン全体で「食品ロスを価値に変える」資源循環戦略を実践しています。
(4)キッコーマンの包装・容器設計による環境配慮型フード戦略

キッコーマンでは、しょうゆ・豆乳などの製品において、容器包装指針を2008年に制定し、軽量化、リターナブル容器(回収・再使用可能な容器)の導入、素材の選定、再利用性・分別性の設計までを含めた包括的な方針を定めています。
たとえば、しょうゆ1リットルボトルは従来比で重量を約10%削減し、年間80トンのプラスチック削減と124トンのCO₂排出削減を見込む設計変更を行っています。
また、ソイフーズ製品の紙容器には持続可能な森林管理を証明するFSC認証紙を使用し、豆乳パックのストローも植物由来プラスチックに切り替えるなど、素材変更により環境配慮と使用性の両立を図っています。
(5)ユーグレナの微細藻類食品の応用

ユーグレナは食品・サプリメント用途だけでなく、バイオ燃料、飼料、バイオマスプラスチックといった複数の領域での活用が進められており、サステナブル・フードを起点とする企業にとって、一つのプラットフォーム素材としての可能性を示す先進例となっています。
ユーグレナ(ミドリムシ)1gあたりには59種類もの栄養素(ビタミン・ミネラル・アミノ酸など)が含まれ、その消化率も約93%という高い利用効率を実現しており、増大する世界の食料需要や栄養不足の解決に貢献する可能性を秘めています。
また、培養土が不要で食糧生産に必要な土地の競合も少なく、残渣(培養後の副産物)まで肥料や培養土として再活用される点から、資源の循環利用という観点でもサステナブル性が高いとされています。バイオ燃料、飼料、そして環境に配慮したバイオマスプラスチックといった複数の領域でその応用が進められています。

3.日本におけるサステナブルなお菓子の事例

(1)森林アロエヨーグルト|原料調達から環境配慮を追求

森永乳業グループが展開するアロエヨーグルトは、主要なサプライヤーであるタイのSAV社では、工場屋根に太陽光パネルを設置し、年間電力使用量の約40%を再生可能エネルギーでまかなっています。
また、排水処理設備や雨水貯水池の整備により、水資源の効率利用と洪水リスク低減も図っており、工場敷地内外の水管理にも配慮しています。
さらに、同社は製品のサプライチェーン全体における社会的側面の責任も重視しており、第三者による評価や現地での労働実態の把握、従業員へのインタビューなどを通じたデュー・デリジェンス(人権リスクの確認)を実施することで、人権尊重と安全な労働環境の確保に努めています。
(2)遊べる!学べる!サステナブルきのこの山|カカオハスク活用のバイオプラスチックトレー導入
明治は、チョコレート菓子「きのこの山」の50周年記念商品として、カカオハスク由来のバイオプラスチック素材を95%使用したトレー(ハスクトレー) を採用した「遊べる!学べる!サステナブルきのこの山」を2025年7月に期間限定で発売しました。
このハスクトレーは、植物由来の素材を主成分としつつ、JORA認定のバイオマスマーク95を取得しており、環境配慮性を可視化しています。
開発には、カカオ生産過程で捨てられる「種皮(ハスク)」を原料にする技術革新を活用し、商品トレーとしての薄型化・成形品としての採用を実現しています。この取り組みは、食品ロス・廃棄物の削減とプラスチック使用量の削減を両立させています。
また、商品パッケージには「お勉強ガイド」を付属し、子どもと一緒に環境学習を促す演出を取り入れています。明治はこの取り組みを通じ、2030年までに石油由来プラスチックの新規使用量を2017年度比で半減する目標を掲げています。
参考:レジ用プラスチック製袋(95%表記)|日本有機資源協会
(3)Jagabee(じゃがビー)|Jagabee Green Project による森林保全と包装改革
カルビーはスナックブランド「Jagabee」において、Green Projectを通じて売上の一部を森林保全に寄付する仕組みを導入しています。対象商品のJagabee1個ごとに0.3円を熱帯雨林保全団体へ寄付しており、これまでに累計で4,165,172円を寄付し、インドネシアのボルネオ島に「カルビーの森」を創設するなど森林保全という地球規模の課題に対し、目に見える成果を出しています。
さらに、パッケージにはFSC認証紙を使用し、印刷工程ではCO₂排出量を約30%削減する「エコラスター®」を採用しています。RSPO認証パーム油も導入し、調達段階から持続可能性に配慮しています。
(4)ポッキー、プリッツ|資源効率化を軸とする包装改革
江崎グリコは、ポッキーやプリッツなどの主力商品の包装・資源活用において、製品包装の薄肉化、省資源化、リサイクル材の採用、リユース容器の導入、そして分別しやすい素材選定を一体で進めています。
たとえば、製品包装材料を軽量化しながらも品質保持性を確保する設計を行い、複合材料の見直しによりラミフィルムの剥がしやすさや分別性を高める改良を重ねています。
さらに、再生プラスチックやバイオマス原料への切り替えも検討・試験導入を行っており、包装設計と資源循環の両立を追求する姿勢を打ち出しています。
(5)ミルキー|不二家のSDGs

不二家は、SDGsへの取り組みを「不二家のSDGs」として公開しており、製菓企業として包装・原料・廃棄物の観点から具体施策を進めています。「108gミルキー袋」など一部袋包装を2020年から紙包材方式に切り替え、プラスチック使用を削減しています。
また、製造工程で発生した廃棄物は飼料や肥料、燃料等として再利用する取り組みを行っており、2030年度には食品リサイクル率95%を目標に掲げています。
さらに、不二家は持続可能な原材料調達にも注力し、チョコレート分野では WCF(World Cocoa Foundation) に加盟しており、サステナブルカカオの購入を進める方針を打ち出しています。
参考:WCF(World Cocoa Foundation) (英語)
4.サステナブル・フードのメリットとビジネス効果

サステナブル・フードの導入は、環境配慮にとどまらず、企業価値・ブランド戦略・組織文化にまで広く波及する取り組みです。ここでは、サステナブル・フードが企業経営にもたらす3つの主要な効果を解説します。
(1)ブランド価値の向上と顧客ロイヤルティ
環境配慮や社会的責任への姿勢を具体的な商品として発信することで、消費者に“共感されるブランド”として認識されやすくなります。
とくにZ世代やミレニアル世代は、価格よりも企業の価値観や透明性を重視する傾向があり、持続可能性を軸にした商品選びが日常化しています。
継続的に環境・社会貢献を発信する企業は、単発的な話題性ではなく長期的なロイヤルティ形成にもつながります。
(2)サプライチェーンの安定化とコスト最適化
気候変動や国際情勢の影響で原材料価格が不安定化するなか、持続可能な調達体制を整えることは、企業にとって中長期的なリスク分散策となります。
たとえば、味の素グループのように生産地での技術支援を行い、農家と共に安定的な原料供給を実現するモデルは、現地雇用の創出と品質維持の両立を可能にしています。
初期段階ではコスト増が懸念される場合もありますが、長期的には資源価格の高騰やサプライチェーン断絶のリスクを抑えられるため、結果的に経営の安定化につながります。

(3)従業員・社会へのポジティブインパクト
環境配慮型の製品や地域との協働プロジェクトを推進する企業では、社員が自社の活動に誇りを持ちやすくなり、モチベーションや定着率の向上につながっています。
たとえば、カルビーの森林保全寄付活動「Jagabee Green Project」は、社会貢献を共に体験できる仕組みとして社員と顧客を巻き込みながら、企業価値の共有を促しています。
このような取り組みは、持続可能な経営基盤の一部として企業と社会を結ぶ好循環を生み出します。
5.サステナブル・フードのデメリットと導入時の課題

サステナブル・フードは、環境・社会・経済のバランスを重視した理想的な取り組みである一方、導入・運用の過程で具体的な課題やコスト負担が生じることも事実です。原料価格の変動や技術的制約、消費者の理解不足など、短期的には収益性に影響を及ぼす要素も少なくありません。
ここでは、企業がサステナブル・フードを推進するうえで直面しやすい3つの課題を整理し、それぞれの留意点を解説します。
(1)原材料コストと供給リスクの上昇
サステナブル・フードの多くは、環境負荷を抑えた農法やフェアトレード原料など、従来よりも生産コストが高い素材を使用しています。
たとえば、カカオやコーヒー豆などの主要原料は、豪雨や干ばつによって収穫量が減少するケースが増加しており、世界的な価格変動要因となっています。こうした背景から、企業は価格転嫁だけでなく、調達先の多様化や代替素材の研究開発によるリスク分散が求められます。
(2)消費者の理解不足・価格受容性
多くの生活者は「環境に優しい商品」という理念に共感しつつも、実際の購買時には価格・味・利便性を優先する傾向があります。そのため、主要ターゲット層によっては、サステナブル・フードを高価格帯のまま展開しても購買につながりにくいケースが見られます。
こうした状況を打破するには、企業が価値を“わかりやすく体験できる形”で伝える工夫が不可欠です。
たとえば、製品パッケージに再生素材の使用割合を明記したり、購入が社会貢献につながる仕組み(寄付・ポイント還元など)を設けたりすることで、消費者の納得感を高めることができます。
また、ストーリーテリングを活用して「なぜこの価格なのか」「どんな未来につながるのか」を伝えることも効果的です。
(3)グリーンウォッシュを避ける実務上の対策
サステナブル・フードを展開する際に最も注意すべき点の一つが、グリーンウォッシュ(見せかけの環境配慮)です。
環境や社会貢献を訴求するあまり、根拠が不十分な表現や誤解を招く広告を行ってしまうと、消費者からの信頼を大きく損なうリスクがあります。
近年は、環境表示に関するガイドライン整備や規制も強化されており、国内外で企業の説明責任が問われる傾向が強まっています。実務上の対策としては、以下の3点が重要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定量的な根拠の提示 | 「CO₂を削減」「環境に優しい」といった抽象的な表現ではなく、削減率・再生素材の使用割合・リサイクル率などを明示する。LCA(ライフサイクルアセスメント)や第三者データを活用して客観性を確保する。 |
| 第三者認証・外部評価の活用 | FSC(森林認証)、RSPO(持続可能なパーム油)、Rainforest Alliance(農業認証)などの国際認証を取得し、社外基準に基づくエビデンスを明示する。 |
| 訴求範囲と実態の整合性を取る | 環境配慮素材が一部に留まる場合は「一部に再生素材を使用」など正確な表現を用いる。全体訴求を行う際は、社内方針・調達ルール・サプライヤー管理など体制面の裏付けを整備する。 |
透明性の高い情報開示と、誠実な説明責任を果たすことが、結果的に長期的なブランド価値の保全につながります。
6.食品ロス削減とサステナブル・フードの相乗効果

食品業界において、サステナブル・フードと食品ロス削減は相互に補完し合う取り組みです。
ここでは、食品ロス削減とサステナブル・フードの相乗効果を生み出す3つの方向性を整理します。
(1)フードロス削減型ビジネスの拡大
賞味期限切れ前の商品を低価格で再流通させるプラットフォームや、規格外品を活用した加工食品ブランドなど、サステナブル・フードの理念を実益に変える動きが広がっています。
たとえば、フードシェアリングサービスや規格外野菜の宅配サービスなどが挙げられます。
食品ロス削減型のビジネスは、社会貢献としての意義を確立しながらも、コスト最適化・ブランド強化・新市場開拓を同時に実現できる成長戦略として位置づけられます。
(2)テクノロジー活用によるロス管理の最適化
フードロス削減の実効性を高めるために、AIやIoTを活用して在庫量・需要・消費期限をリアルタイムに把握し、廃棄リスクを最小限に抑える仕組みが普及しています。
たとえば、コンビニチェーンではAIによる需要予測を導入し、時間帯や天候、イベント情報などをもとに発注量を最適化しています。結果、廃棄コストを削減しつつ、販売機会の損失も防いでいます。
以下の報道動画では、未来のコンビニとしてAIやロボットを取り入れたコンビニ事例が紹介されています。
(3)消費者参加型の仕組みづくり
サステナブル・フードを社会に根づかせるには、購買や利用の段階で「環境に貢献できている」と実感できる体験を提供することで、リピート率やブランドへの愛着を高めることができます。
たとえば、「今年◯トン分の食品ロスを削減」「あなたの購入がCO₂削減に貢献しました」といったデータを可視化することで、参加意識と満足感を両立する顧客体験を生み出せます。
これらの施策を単発のキャンペーンに留めず、ロイヤルティプログラムやESGブランディングと一体化させることで、社会貢献と顧客維持を両立させるアプローチとなります。
7.まとめ
サステナブル・フードは、単なる環境配慮の枠を超え、企業の経営戦略そのものを進化させる取り組みへと変化しています。原材料の調達から製造、流通、販売、そして消費者の手に届くまでのすべてのプロセスで、環境負荷を抑えながら経済的価値を生み出すことが求められています。
社内外のパートナーと連携し、データ・テクノロジー・共感を軸にしたエコシステムを構築することで、環境と経済の両立を実現する“持続可能な食の未来”を形にできるでしょう。
こうした食品産業の構造変革を、資源循環の仕組みによって実務面から支援するのが、五十鈴株式会社の「icサーキュラーソリューション」です。製造工程で発生する未利用資源の再価値化(アップサイクル)や廃棄物削減を起点に、サステナブルな商品開発やサプライチェーンの透明化といった構造的な企業変革を一貫してプロデュースします。食の課題を「成長のチャンス」と捉え、次世代の循環型経営を実現したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。


