2024年問題を契機にトラックドライバー不足は慢性化しており、運送会社から選ばれない荷主は機会損失に直結するリスクを抱えることになります。本記事では、運送会社から選ばれ続けるために荷主企業が取るべき5つの改善策と、物流品質を向上させるための実務ステップを具体的に解説します。
五十鈴株式会社の「次世代運行管理システムAIR」は、鋼材・重量物輸送の現場実績を持ち、自動配車・動態管理・自動日報・勤怠・請求のワンストップカバーにより、荷待ち時間の削減や配車の安定化、運送会社との情報共有体制の整備を通じて、選ばれる荷主企業に求められる物流体制の構築を支援します。セミオーダー型カスタマイズで自社の中長期戦略に合わせた導入が可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。
1.選ばれる荷主企業とは?条件と背景

物流業界の構造変化により、荷主企業のあり方が根本から問い直されています。まずは「なぜ今、荷主が選ばれる時代になったのか」という背景と選ばれる荷主企業の本質的な定義を整理します。
(1)物流業界で荷主が選ばれる時代になった背景
国土交通省の試算によると、荷待ち時間削減などの対策が進まなかった場合、2030年度にはトラック輸送能力が34.1%不足する可能性があるとされています。この数字が示すとおり、ドライバー不足はすでに特定業種や地域の問題ではなく、日本の物流インフラ全体を揺るがす構造的な課題です。
この課題の解決に向けて重要なのは、発荷主・着荷主を含めたサプライチェーン全体での対応が不可欠という点です。
荷待ち時間の削減、荷役作業の効率化、納品回数の見直し、リードタイムの適正確保といった改善項目は、いずれも荷主企業の協力なしには実現できません。物流事業者側の努力だけでは解決できない構造的な問題が、荷主側の行動変容を必然的に求めています。
こうした状況を背景に、物流改善は物流担当部門単独の課題ではなく、営業・製造・調達など複数部門が連携し、経営層が主導して取り組む経営課題として位置付けられています。物流をコストとして圧縮するだけの発想では、安定的な輸送能力の確保は困難です。
参考:https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001626756.pdf
(2)選ばれる荷主企業とは
選ばれる荷主企業とは、物流改善に向けて協力・連携できる企業を指します。荷待ち時間を削減するためのバース予約システムの導入、パレット化による機械荷役への切り替え、配送先ごとの事前仕分け、納品時間の平準化といった取り組みは、いずれも荷主企業と運送会社が連携することで初めて実現できるものです。
待機時間料・積込料・取卸料・附帯業務料などを運賃と明確に切り分けて、運送サービスに対して適正な対価を支払う姿勢も持続的な事業運営を支える取引環境の構築につながります。これらを備える荷主企業こそが、運送会社から優先的に配車を確保できるパートナーとなる存在であり続けます。
2.選ばれる荷主企業に共通する3つの条件

運送会社との長期的な信頼関係を築いている荷主企業には、共通する特徴があります。
これらの3つの条件は、配車確保の安定化と物流品質の向上に直接結びつく要素としても重要視されています。
(1)荷待ち時間・荷役時間の削減
ドライバーが荷主施設で荷待ちや荷役に費やす時間は、運送会社にとって収益を生まないコストです。この時間が長くなるほど1日あたりの配送件数は減少し、運送会社の収益性と労働環境を同時に悪化させます。
これは荷主側の課題として認識されにくく、荷主施設での待機や荷役に要する時間が改善対象として挙がりにくい構造があります。しかし実態としては、荷待ち・荷役時間はドライバーの総拘束時間の中で大きな割合を占めており、荷主側の対応なしには解決できません。
改善に向けた具体的な施策としては、以下が挙げられます。
| 改善施策 | 内容 |
|---|---|
| バース予約システムの導入 | 入場車両を分散し、荷待ち時間を削減する |
| 出荷量の平準化 | 特定時間帯への車両集中を回避する |
| パレット化・モジュール化 | 機械荷役を導入し、荷役作業時間を短縮する |
国土交通省の2024年度調査によると、荷待ちが発生した運行では1運行あたりの荷待ち・荷役時間の合計が3時間超に達しており、2020年度調査と比較しても横ばいの状態が続いています。この時間はドライバーの拘束時間にカウントされる一方、運送会社の収益には直結しないため、取引継続・配車優先度の判断に影響を与える要因となっています。
荷待ち・荷役時間が削減されれば、運賃水準が変わらない場合でも運送会社の実質的な収益性は改善されます。その結果、繁忙期や需給逼迫時にも配車を優先してもらえる取引関係の構築につながります。
参考:https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001854525.pdf
(2)標準的な運賃の浸透と付帯業務の別料金化
標準的な運賃は、ドライバーの適正な賃金水準を確保するために国土交通省が公示しているものです。この運賃水準を適切に支払うことは、荷主企業としての基本的な責任であり、優良な運送会社と継続取引するための前提条件となっています。また、附帯作業(仕分け、梱包、棚入れなど)が「運賃に含まれて当然」とされてきた慣行を見直し、付帯業務を明確に別料金化することも重要です。
国土交通省の令和4年度実態調査では、現行の運賃が標準的運賃と同等水準に達しているトラック事業者は約11%にとどまり、標準的運賃を提示して交渉した事業者のうち「交渉自体に応じてもらえなかった」との回答が69%に上っています。まずは自社の現行運賃を告示運賃と照合し、乖離がある場合はその是正に向けた交渉の場を設けることが出発点となります。
附帯業務については、「何をどの料金で委託しているか」を書面で明確にすることが実務上の第一歩です。口頭慣行で運賃に含まれていた作業を洗い出し、見積書・契約書に個別記載する形に切り替えることで、運送会社との認識齟齬を防ぎ、長期的な信頼関係の構築につながります。
参考:https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001745402.pdf
参考:https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001732626.pdf
(3)運送会社とのリアルタイムな情報共有体制
物流現場では、到着予定時刻や積載内容、車両台数などの情報が共有されていないことで、荷受け準備の遅れや荷待ち時間の発生につながるケースがあります。
| 情報共有の手法 | 共有する主な情報 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| 受発注システムと配車システムの連携 | 受注情報、配車情報、納品情報、到着予定時刻 | 荷積み・荷卸し計画を最適化し、荷待ち時間を削減する |
| EDI(電子データ交換) | 受発注データ、納品情報、運行情報 | 関係者間の情報伝達を効率化し、手作業を削減する |
| GPSによる車両位置情報の共有 | 現在位置、到着予定時刻、運行状況 | 着荷主が荷受け準備を行いやすくなる |
| 配送情報の事前通知 | 台数、積載内容、到着予定時間 | 作業員や荷捌きスペースを事前確保できる |
| 荷待ち・荷役データの共有 | 荷待ち時間、荷役作業時間、構内滞留時間 | 物流課題を可視化し改善活動につなげる |
なお国土交通省の事例では、発荷主が着荷主に対して事前に配送情報(台数・積載内容・到着予定時間)を共有することで、荷受け側が作業員や荷捌きスペースを確保できるようになり、荷待ち時間や荷役作業時間の削減につながった事例※ が紹介されています。
実務上は、荷主側が出荷量や到着予定時刻の情報を十分に開示していないことが、荷待ち発生の大きな要因となっています。情報を積極的に共有する姿勢そのものが、運送会社からの信頼獲得につながります。
※出典:https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001411958.pdf
3.配車確保と物流品質向上につながる5つの改善アクション

ここでは、実際に取り組むべき改善アクションを具体的に解説します。
それぞれのアクションは独立したものではなく、連携して機能することで最大の効果を発揮します。
(1)積込・荷降ろし業務の効率化
積込・荷降ろし業務の非効率を解消するには、現状の業務フローを可視化し、どの工程でどれだけの時間がかかっているかを把握することから始めます。積込・荷降ろし業務の効率化の基本はパレット化とモジュール化です。
| 手法 | 概要 | 主な効果 |
|---|---|---|
| パレット化 | 荷物をパレット単位で集約し、フォークリフトなどによる機械荷役を行う | 荷役時間の短縮、手荷役の削減、ドライバー負担の軽減 |
| モジュール化 | 荷物のサイズや荷姿を標準化し、保管・積載・荷役しやすい形に統一する | 積載率向上、荷役効率向上、納品回数削減 |
さらに、商品の段ボールサイズを標準化し、積み付けパターンを事前に設定することで、現場での判断工数を削減できます。荷役作業を運送会社に委託している場合は、荷主側のスタッフによる荷役支援や、作業手順の明文化も有効な取り組みです。
(2)配送計画・出荷体制の見直し
配送計画の精度を上げることは、ドライバーの無駄な走行を減らし、積載効率を高めることに直結します。見直しにあたっては、物流部門単独での対応には限界があります。
出荷量の平準化には販売部門との調整が、生産計画との連携には製造部門の関与が不可欠です。経営層の主導のもとで部門横断的に取り組むことが、実効性のある改善につながります。
具体的な施策と期待される効果は以下のとおりです。
| 見直し施策 | 内容 | 主な効果 |
|---|---|---|
| 出荷量の平準化 | 特定の曜日や時間帯に出荷が集中しないよう調整する | 車両手配の安定化、荷待ち時間の削減 |
| 発注量の平準化 | 日単位・週単位で発注量のばらつきを抑える | 積載率向上、配車効率向上 |
| 納品リードタイムの見直し | 受注から納品までの期間に余裕を持たせる | 効率的な配車計画の立案 |
| 納品回数・納品場所の集約 | 少量多頻度配送を見直し、配送先や納品回数を集約する | 走行距離削減、輸送効率向上 |
| 生産計画と出荷計画の連携 | 生産状況と配送計画を共有し、出荷準備の遅延を防ぐ | 荷待ち時間削減、欠車リスク低減 |
翌日配送や時間指定配送を当然の前提とする取引慣行を見直すことは、短期的には顧客調整を要しますが、ドライバーの深夜・早朝労働の常態化を防ぎ、持続可能な物流体制の構築に直結します。
(3)予約受付システムの導入と運用最適化
バース予約システムとは、荷主施設への入場・荷卸し時間をあらかじめ確保する仕組みです。予約枠を設けることで特定の時間帯への車両集中を防ぎ、構内混雑と荷待ち時間を構造的に削減できます。
場当たり的な到着管理から計画的なバース運用へ移行することで、ドライバーの拘束時間短縮と施設側の荷役効率向上を同時に実現できます。
具体的な運用手段と期待される効果は以下のとおりです。
| 運用手段 | 主な効果 |
|---|---|
| 着荷主が荷卸し時間枠をあらかじめ確保する | 車両集中の回避、荷待ち時間削減 |
| 電話・FAX・システムで荷卸し時間を事前予約できるようにする | バース利用の最適化、構内混雑の緩和 |
| 特定の運送会社向けに専用の荷卸し時間枠を設ける | 荷卸しの円滑化、バース回転率向上 |
| 時間帯別の荷待ち時間情報を運送会社と共有する | 混雑時間帯を避けた運行計画の立案 |
| 荷受け対応時間を広げ、到着を分散させる | 車両の時間分散、荷待ち時間削減 |
スマートフォンから予約・変更ができるシンプルな仕様を優先し、対応ルールや予約枠の管理方針をあらかじめ運送会社と合意しておくことで、実効性のある運用が定着します。

(4)データ連携によるサプライチェーンの可視化
在庫情報、受注情報、出荷実績をリアルタイムで連携させることで、運送会社が先手を打った配車計画を立てられる環境を整備します。EDIやAPIを活用したシステム連携が理想的ですが、まずはExcelや共有クラウドツールを使った情報共有から始めることも現実的な選択肢です。
サプライチェーン可視化の手法は以下のとおりです。
| データ連携の手法 | 共有する情報 | 主な効果 |
|---|---|---|
| EDI(電子データ交換) | 受発注情報、納品情報、出荷情報 | 手作業入力の削減、情報伝達の迅速化 |
| API連携 | 在庫情報、受注情報、配送情報 | システム間のリアルタイム連携 |
| 受発注システムと配車システムの連携 | 受注情報、配車計画、到着予定時刻 | 配車最適化、荷待ち時間削減 |
| GPS・動態管理システム | 車両位置情報、到着見込み時刻 | 運行状況の可視化、荷受け準備の効率化 |
| クラウド型情報共有ツール | 出荷予定、在庫状況、配送計画 | 関係者間での情報共有の円滑化 |
データ連携によって受注から出荷、配送までの情報を一元管理できれば、運送会社はより精度の高い配車計画を立案できます。受発注システムと配車システムの連携やGPSによる運行状況の共有は、荷待ち時間の削減や輸送効率の向上に寄与します。
まずはクラウドツールによる情報共有から始め、段階的にEDIやAPI連携へ発展させることも有効です。
(5)運送会社とのパートナーシップの構築
物流現場の課題は日々変化するため、一度改善策を導入しただけで解決できるものではなく、荷主と運送会社が継続的に対話しながら改善を進めることが重要です。
そのためには、担当者間で出荷計画や繁忙期の見込み、運用変更などの情報を継続的に共有し、配車計画の精度向上やトラブル防止につなげる必要があります。
| パートナーシップ強化施策 | 内容 | 主な効果 |
|---|---|---|
| 定期協議会の実施 | 月次・四半期ごとに物流課題や改善状況を共有する | 課題の早期発見・早期対応 |
| 担当者間の情報共有 | 出荷計画や繁忙期情報、運用変更事項を継続的に共有する | 配車計画の精度向上、トラブル防止 |
| 現場視察の相互実施 | 荷主と運送会社が互いの現場を確認する | 現場課題への理解促進、改善策の具体化 |
| 改善活動の共同推進 | 荷待ち時間削減や荷役効率化に共同で取り組む | 物流品質向上、生産性向上 |
| 優先パートナー制度の構築 | 継続的な取引や安定した輸送量を確保する | 安定した輸送力の確保、長期的な協力関係の構築 |
実務上の観点から補足すると、荷主企業と運送会社の関係は単なる「発注者と受注者」ではなく、物流効率化法の枠組みのもとでは荷主側にも改善の義務と説明責任が生じる関係へと変化しています。定期的な協議の場を持ち、記録として残しておくことは、法令対応の証跡としても機能します。
運送会社を単なる委託先としてではなく、物流課題を共に解決するパートナーとして位置付けることが、長期的な輸送力確保と物流品質向上につながります。
4.【2026年版】荷主企業に義務付けられている主な法対応

物流に関する法制度は大きな転換期を迎えており、荷主企業には具体的な義務が課されるようになっています。ここでは2026年時点で荷主企業に義務付けられる法対応についてご紹介します。
(1)物流流通効率化法・貨物自動車運送事業法改正の本格運用
2025年から2026年にかけて、物流流通効率化法(物流効率化法)と貨物自動車運送事業法の改正内容が段階的に施行され、荷主企業にも物流効率化に向けた対応が求められるようになりました。
| 時期 | 荷主企業に求められる対応 |
|---|---|
| 2025年4月 | ・物流効率化への取組が努力義務化・国による指導・助言・調査等の開始 |
| 2026年4月 | ・特定荷主制度の開始・中長期計画の提出義務化・定期報告の義務化・物流統括管理者(CLO)の選任義務化 |
特定荷主制度の対象となるのは、年間の貨物の輸送量が一定規模以上の荷主企業です。具体的には、取扱貨物の重量が年間9万トン以上の荷主(第一種・第二種荷主、上位3,200社程度が対象見込み)が特定荷主として指定対象となります。
ただし、制度の詳細・最新の指定基準は告示・省令で随時更新されるため、必ず最新の公示内容をご確認ください。
また、貨物自動車運送事業法では、荷主に対する配慮義務や勧告制度が強化されています。荷待ち時間の恒常的な発生や非合理な到着時刻指定など、運送事業者の法令遵守を妨げる行為が認められた場合には、国による働きかけや要請、勧告・公表の対象となる可能性があります。
参考:https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_mn4_000014.html
参考:https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/content/000345218.pdf
(2)中長期計画の作成と物流統括管理者の選任義務
一定規模以上の荷主企業として特定荷主に指定された事業者には、中長期計画の作成・提出と物流統括管理者の選任が義務付けられています。中長期計画では、積載効率の向上や荷待ち時間・荷役時間の削減など、物流効率化に向けた取り組み方針や目標、実施内容を整理し、継続的な改善計画として国へ提出する必要があります。
この計画の作成は形式的なものではなく、自社の物流課題を把握し、改善活動を計画的に進めるための仕組みとして位置付けられています。物流統括管理者は、事業運営上の重要な決定に参画する管理的地位にある者から選任する必要があり、経営幹部や役員クラスが想定されています。主な役割は、中長期計画の作成、物流効率化に関する方針策定、社内体制の整備、物流改善施策の統括管理などです。
参考:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001992615.pdf
参考:https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_mn4_000014.html
(3)持続可能な物流(GX・配送効率化)に向けた取り組み
物流効率化法においても、荷主企業や物流事業者に対し、積載効率の向上や荷待ち時間・荷役時間の短縮などを通じて物流の生産性向上を図ることが求められています。
荷主企業にとって持続可能な物流への取り組みは、法対応の一環であると同時に、サプライチェーン全体の競争力向上につながる重要な経営課題となっています。
以下に持続可能な物流に向けた取り組みをまとめました。
| 主な取り組み | 目的 |
|---|---|
| 積載効率の向上 | 輸送回数を削減し、輸送力不足やCO₂排出量削減につなげる |
| 荷待ち時間・荷役時間の短縮 | ドライバー拘束時間を削減し、物流生産性を向上させる |
| 出荷量の平準化 | 特定時間帯への配送集中を防ぎ、車両運用を最適化する |
| 共同配送・共同輸送 | 車両や輸送網を共同利用し、輸送効率を高める |
| 荷姿・データ仕様の標準化 | 荷役作業や情報連携を効率化する |
| モーダルシフトの推進 | 環境負荷の低い輸送手段の活用を進める |
なおこれらは、すべての荷主に課される努力義務です。努力義務そのものに直ちに罰則はありません。しかし、一定規模以上の特定荷主については取組状況が著しく不十分な場合に勧告・公表・命令の対象となる場合があります。
参考:https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/seisakutokatsu_freight_mn1_000034.html
5.今後の物流市場で生き残る荷主企業のあり方

法対応や個別の改善アクションにとどまらず、物流を経営の視点で捉え直すことが、今後の競争優位性を左右します。
ここでは、今後の物流市場で生き残る荷主企業のあり方について解説します。
(1)物流コスト最優先からの完全なる脱却
コスト削減を最優先にした結果、運送会社との関係が悪化し、品質の低下や配車確保の困難に直面している荷主企業は少なくありません。物流に適切な対価を支払うことは、欠品・遅延・クレーム対応コストや緊急対応の割増費用といった見えないコストの削減につながります。
表面上の物流費だけでなく、トータルコストで評価することで、適正運賃の支払いが長期的に合理的な経営判断であることが分かります。
(2)運送会社との共創
運送会社の現場ドライバーやスタッフが感じている課題を積極的に吸い上げ、改善施策に反映させることで、双方にとって価値ある取引関係が生まれます。共創の具体的な形としては、合同での業務改善プロジェクト、現場視察の相互実施、KPIの共同設定と進捗管理などが挙げられます。
また、運送会社に対して適切な情報開示を行い、将来の事業計画や物量見通しを共有することで、運送会社側も長期的な視点で投資(ドライバー採用、車両増強など)の判断が行いやすくなります。
(3)物流を経営課題として捉える
物流コスト、品質、法対応、環境負荷は、いずれも経営の持続可能性に直結するテーマです。経営トップが物流の現状を正確に把握し、投資判断と意思決定を行う体制を整えることが求められます。
物流統括管理者の設置は法的な義務でもありますが、それ以上に「物流を経営の言葉で語る」カルチャーを社内に根付かせることが、長期的な競争力の源泉となります。物流KPIとして、積載率・荷待ち時間・欠車率・CO₂排出量などを月次で可視化し、経営会議でレビューする仕組みを持つ企業も増えています。
6.まとめ
荷待ち・荷役時間の削減、適正運賃の支払い、情報共有の体制整備、ドライバーファーストな受入環境、データに基づく継続的改善。これらを組み合わせ、運送会社とのパートナーシップを深めていくことが、配車確保と物流品質の向上を同時に実現する道筋となります。
五十鈴株式会社の「次世代運行管理システムAIR」は、自動配車・動態管理・自動日報・勤怠・請求を一元化し、荷待ち時間の削減や配車の安定化、運送会社との情報共有体制の整備を支援します。選ばれる荷主企業に向けた物流体制の見直しをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。


