五十鈴グループビジョナリーレポート2024

事業を通じた社会課題の解決に向けた4つの取り組み 鉄鋼流通 価値向上 流通の最適化、高付加価値化、 CO2削減等に取り組む SOCIAL INITIATIVES 全体の価値向上に取り組んでいます。自 動車のEV化、デジタル化、人口減少等 によって日本国内の鉄鋼需要が減少傾向 にあるなか、日本の製造業のグローバル 競争力を維持しながら、CO2削減という 地球全体の目標を実現するために、鉄鋼 流通のサプライチェーン全体を変革して いく必要があると考えています。 そこで私たちが今取り組んでいるのが、 鉄鋼流通最適化の推進です。 鉄鋼業界は近年、鉄鋼メーカーを中心に 業界再編が進んでいますが、薄板等の加 工・輸送においては中小企業が多く、効 率化がそれほど進んでいません。そこで 当社が中心となり、これまでの枠組みを 超えた協業を進め、システムの連携と情 報の共有化を行い、ムリ、ムダ、ムラを 減らし、エリアの鉄鋼流通の最適化を進 めています。 そうしたサプライチェーン全体の効率化 を進めることにより、加工、輸送、保管 等にかかるコストを下げるとともに、 OEMや3R(リデュース・リユース・ リサイクル)を推進し、流通全体での CO2削減も行います。 また五十鈴グループでは、鉄鋼産業その ものの付加価値をより高いものにするた めに、超ハイテン材など機能性の高いマ テリアルの取り扱いを拡大しています。 当社が小ロットの製品やサンプルを取り 扱うことでお客さまが試作や試験を行い やすくし、高付加価値の商品開発をサポ ートします。 それにより、当社が競争力を持つことは もちろん、当社のクライアントや提携先、 日本の製造業全体が競争力を持つことに もつながると考えています。 当グループで働く人々が永続的に心地よ く安心して働けるよう、コンプライアン スの強化や、人材育成、評価・人事シス テムの刷新、働き方改革、働きやすい職 場環境づくりなど、サステナブル投資を 強化しています。 鉄鋼流通企業のさまざまな価値向上モデ ルを作り、業界全体に広げていきたいと 考えています。 IOC活動で50年以来の 加工賃アップを達成 五十鈴グループでは、IOC(五十鈴組織変革)活動という全 員参画の小集団活動を行っており、半年ごとに活動成果発 表会を行なっています。2023年度下期は、五十鈴東海の安 城サービスセンター内のデロリアンチームが表彰されまし た。同チームは、鉄鋼メーカー、商社と協業し、最終クライ アントである自動車メーカー及びTier1とのリレーション を拡充。50年ほぼ上昇していなかったベース加工賃の交渉 を行い、インフレーションを反映させた賃上げを達成する など、大きな成果を上げました。 TOPICS 1 十鈴グループは、鉄鋼流通のリー ディングカンパニーとして、産業 五 鋼板流通のDXシステムai-Link Xbで 在庫・工数を削減 五十鈴グループでは、鉄鋼メーカー・商社・ユーザーとの 協働によって鉄鋼流通全体の最適化を目指し、2023年から 8つの機能を持った鋼板流通のDXシステム「i-Link X」を 開発しました。常にアップデートされたユーザー情報を鉄 鋼メーカーと共有。鋼材生産、製品加工、物流までを一貫 で調整することで流通全体を最適化し、無駄な生産、在庫 をすることなく、ユーザーに製品を納品します。日本製鉄 株式会社様の鹿島・君津・名古屋製鉄所では、「在庫を減ら す」「工数を減らす」活動を進めており、導入前に比べて工 数4割の削減を目指しています。 TOPICS 2 OUTPUT 1 10

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