事業を通じた社会課題の解決 TOPIC TOPIC TOPIC スチック部材など他の素材に関しても水平リサイクルによる再資源 化などを実現させてきました。グループ全体のCO2の削減量は年々 増え、2024年度の削減率は、2020年度比で−2.5%となっています。 もっとも、こうした環境負荷への施策に加えて、2024年度に注 力したのは、「働きやすい職場づくり」です。 少子高齢化によって人手不足が加速する中、労働環境が良好で なければ、いくら環境負荷が低くともサステナブルなファクトリー の維持はできません。 工場では「暑さ対策」に焦点をしぼり、約10億円をかけて、全国 の工場の屋根に遮熱シートを貼り、新型の空調設備を導入しまし た。これにより、工場内の気温は約3度まで低下し、体感温度もさ らに下がるなど、環境は大幅に改善されました。 この取り組みは、工場社員の離職率や応募動機にも一定の効果 をもたらしています。離職率の低下には人事制度改革の効果が大 きい一方で、暑さ対策も重要な要因の一つと考えられます。また、 夏場のキャリア採用応募者の中には「工場が涼しいと聞いて応募し た」と語る方も見受けられました。 こうした環境施策とあわせて、働きやすい職場づくりへの取り組 みが、人材不足に悩む業界全体の課題解決にもつながることを期 待しています。 最後が「拠点間シナジーの活性化」です。 冒頭にあげた業界をとりまく環境変化の影響で、ビジネススピード は加速度的に早まるばかりです。また日本国内でも地域によって需 給バランスのグラデーションが色濃く変わり、不安定にもなりました。 経営の意思決定には正確さと共に早さが求められ、各地に分散 する現場社員の知見やノウハウも、効率的に瞬発力をもって活か すスキームが求められます。 そこでデジタル化・DX化をグループ全体で推進。スチールサー ビス部門の各事業における戦略会議から細かな戦術まで、全国の 拠点の各チームが、常にチャットツールとオンラインMTGでつな がって推進する体制をつくり上げています。 これまでそれぞれの現場でしか発揮できなかった暗黙知や経験 値が、デジタルによって全拠点で共有できるようになりました。私 たちが培ってきたアナログ的な感性が、デジタルによって埋もれる ことなく存分に力を発揮してくれるようになったとも言えるでしょう。 こうしたデジタルツールの活用も、中央集権的に情報システム 部署(ベル・インフォ・テック)が統括するのではなく、各拠点にいる 現場のデジタルに強い従業員を担当としてデジタルチームのメン バーに任命。それぞれの現場の声を反映しながらRPAにより自動 化の推進や、デジタルプラットフォームを活用したシステム開発を 進めています。 また新たなRPAシナリオやシステム開発が動き出したタイミン グで、全拠点でも情報共有して、場合によっては同時並行で横展 開できるような環境づくりも進めています。RPAに関しては、すで に70シナリオがこのチームから生まれ、各拠点で生かされています。 2025年度からは、これまでどおり総合的な経営力をスローダウ ンさせることなく進めていく所存です。 パラダイムシフトは今後も続き、近い将来、業界は再編を余儀 なくされるはずです。しかし、時代がどう変われども、私たちはアジ リティ(俊敏性)とレジリエンス(弾力性)を発揮し続け、業界の中心 で輝けるよう、凡事徹底を貫きたいと考えています。 戦略商品サンプルバンクを サービスセンターでショールーム化 お客さまや株主の「戦略商品サンプルバンク」として、日本 製鉄が開発したデザイン性の高い鋼板「FeLuce」や「黒 ZAM」などを事務所やオフィスで展示し、ご紹介しています。 富士SCでは、オフィスの柱に実際に「FeLuce」を使用し、 その効果性をリアルに来社される方々に伝えています。 CO2排出量算定で第三者保証取得 2022年度より五十鈴グループで構築してきたCO2排出量 算定ロジックを外部に出しても妥当性・納得性があるものに すべく、JICQAによる外部審査を実施し、算定ロジックのブラッ シュアップを図りました。また環境ダッシュボードとして Zeroboardをグループで導入し、JICQAから認証された算定 ロジックから算出したCO2排出量の見える化も実現しました。 業界の最適化をリードし続けるために。 サステナブルファクトリーで 工場の暑さ対策 昨今の温暖化による酷暑は工場で働く従業員にとっては、 モチベーション、体調、効率などすべての面で大きな課題。 五十鈴では屋根に貼る遮熱シート・空調設備の導入で屋 外より気温が低い建屋内の環境を実現している。 09
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