スチールサービス部門が時代にあわせて、しなやかに形を変え る一方、それと同様、またはそれ以上の進化を果たしているのが、 ソリューション(SL)部門(IBS・IMS・BIT・ITC)です。 鉄鋼業界そのものが大きな変わり目を迎えたいま、SL部門は、 業界全体の効率化や収益力アップを果たすうえでも重大な役割を 担っています。 とくに2021年から走り始めた10年ビジョン「I-Society X」では、 ものづくりからことづくりを経て、さらに“未来社会づくり”まで挑 む企業になるビジョンを掲げてきました。SL部門も、これまでの個 社それぞれの売上利益や組織の成長だけに目を向けるのをやめ、 部門全体として、あるいは部門を横断して広範なお客さまや業界 全体の最適化を図っています。 そして直近の2年ほどは、3つの新たな成長戦略をかかげながら、 事業領域を前進させてきたのです。 3つの成長戦略の、まず1つ目は「複合型システム・ソリューショ ン」です。 これまで、我々は特定領域に特化したコンサルティング業務をメ インに展開していました。しかし、単なるコンサルではなく、システ ムとかけあわせた複合型のソリューション提案で、さらにお客さま の広範な課題を深く解決していく体制に変革させています。 そもそも、五十鈴グループ各社には、業界での流通ネットワーク、 製造ノウハウ、プロジェクトマネジメントの知見を活かした“知財” といえる優れたシステムを数多く保有しています。 これらシステムとソリューションを生産、営業、経理、財務など の領域を問わず、お客さまのビジネス全体をトータルに最適化し、 アップデートできるような、システム×コンサルの高度な提案をス タートさせています。各機能を持つ個社が連携し、フレキシブルに 各システムを取捨選択、最適なシステム×コンサル提案ができるよ うにしたのです。 2つ目の成長戦略は「重層的なグローバルコンサル」です。 かねてから、生産現場の効率化などのコンサル事業は、グルー プ企業のアイ・ティー・シーが手掛け、すでにグローバルでも高く 評価される実績を積んでいます。 ただし、生産現場のみに限られ、物流現場や事務所の業務コン サルなどには踏み出せないままでした。グローバルでもグループ全 体のリソースを集約。生産の最適化はもちろん、オフィス業務の DXから物流の流動化などまでを、トータルに手掛ける挑戦をはじ めました。すでに東南アジアの企業で、グループの営業メンバーや 事務系メンバーが業務診断を行い、最適化したソリューションを 企画、提案するプロジェクトが動き始めています。 そして、3つ目の戦略課題が「AI/データNEXT 知的財産開発」です。 この取り組みは、2025年度以降に本格的に強化していく予定で あり、現在はその基盤構築を進めている段階です。現時点では、 安全アンケートへのAIによる自動要約機能の搭載など、ビジネス パートナーと連携しながら、各分野でAI機能を段階的にアドオン する取り組みを行っています。さらに、生成AIを活用した新たなシ ステムの開発にも着手しており、大学などとの産学連携を通じた研 OUTPUT 2 未来社会づくりに向けた リアルコンサル集団を目指して SL事業は、五十鈴のもうひとつの柱 「システム×コンサル」で、トータルに、グローバルに 顧客の事業健全性向上 SXへの協創 OUTPUT 3 10
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