

2008年2月より活動を開始した長期経営目標策定プロジェクト。本年5月の拠点社員総会、6月5日のグループ社員総会でその全容が発表され、いよいよ実際の推進段階に入りました。その名は「Will-Navi~大志が拓く世界~」。ビジョナリーカンパニーに向けた決意・意欲・望みなどの意味を「Will」に込め、ビジョン実現への進路を方向付ける「Navi」として機能させていきます。
年度目標・中期目標(3年)スパンで目標を描き、実現に向けた必要なプロセスを創っていくことは既に行なっていますが、なぜ今10年という長期スパンでビジョンを描くことが必要だったのでしょうか…。プロジェクトリーダーの鈴木副社長に聞きました。

2000年に「21世紀委員会」が発足し、21世紀ビジョンを答申しました。その答申をもとに策定された「21世紀・経営整合性モデル」によって、私たちは経営を行っています。発表後7年が経ち、その内容については着実に達成されつつありますが、世の中の環境、価値観なども大きく変化しています。そこで、もう一度長期的視野に立ち、「21世紀・経営整合性モデル」を読み換えながら、新たに進化したグループ目標を策定する必要があると思いました。
策定するに当たり、一番大切にしたことは、次世代の人たち、つまり10年後に責任を持てる人が中心となって策定する、ということでした。そして、国内に留まらず「世界に通用する企業」としての方向性が見える企業像を描くことに重点を置きました。
言葉だけでなく、本当に「未来を切り拓くことに挑戦」することを全社員に期待しています。
10年後、とはいってもどのような社会になっているのか、特にこの激変する環境下で自分たちのあり姿をイメージすることは非常に難しい仕事です。実際に策定にあたったプロジェクトメンバーには、どのような悩みや気づきがあったのでしょうか。

まず、将来的な社会・経済環境の変化を外部のシンクタンクのリサーチ結果も踏まえて予測し、五十鈴グループとしての次なる10年の位置づけを考えました。現在も進行中でますます必要性が高まるグローバル化から、個人の価値観・ライフスタイルの変化、会社経営のあり方まで議論は多岐に亘りました。

PHASE1では10年後の社会や経済の変化を分析し、株主の方向性を踏まえながら五十鈴グループの方向性やイメージを明確にすることを目的として活動してきました。
一番の苦労は、感覚やひらめきではない、なおかつ客観的なデータに頼り過ぎない経営・環境分析でした。シンクタンクの力も借りながら、時間をかけて悩み抜いた結果、自分たちの意志や思いを反映した変化予測を立てられたと確信しています。
このプロセスを通したからこそ、10年後の具体的なイメージが明確になったと思います。現実論ばかりで議論するのではなく、今までの思考プロセスに留まらない大きな仮説を策定することの大切さを感じました。
PHASE1で設定した五十鈴の方向性に基づき、ブランド価値や事業領域を明らかにしました。これまでの「いつでも・どこでも・あたらしい」というブランドはそのままに、これからの五十鈴に合わせて意味合いを再定義しました。あわせて事業領域をこれまでの「スチールサービス」に留まらず、拡大していくことを宣言しました。

未来の五十鈴ブランドを再定義していく中で、どうしても現在の延長線上での思考から離れられない自分がいて、自身の思考の進化が追いつかない焦燥感に襲われ、プロジェクトでの思考回路がフリーズしました。
今から振り返れば「これまで見たこともない立派なものを描かなければならない」という使命感が先に立っていたのだと思います。それが、メンバーと議論していく中で「グローバルブランド」「創発ネットワーク」などのキーワードが生まれ、自分自身が10年後の五十鈴グループの姿を楽しみにしつつ、ワクワク感や期待感を覚えるようになり、そのことをキッカケに将来のブランドイメージが想像できるようになってきました。
ビジョンを実現していく大前提として、私たちが抱いたのと同じ将来へのポジティブな期待感を全社員にもってもらうことが重要だと感じています。
次に、10年後のあらたな価値に向けてどのようなミッションや目標、価値観を掲げ、実現していくのかを明らかにしていきました。基本方針として「グローバル・ブランドへの進化」、キャッチフレーズとして「グローバル・バリュー50」が掲げられ、 「新規部門の利益比率50%」 「外国人社員比率50%」などサービスや人財の多様性を表す指標が掲げられました。

大きな目標を実現していくためのミッションとして「Willマーケット」や「トップレーサー」など、社員の創造が膨らみ「挑戦したい!」と思ってもらえるようなキーワードを選びました。あわせて今回はしっかりと検証ができ、達成の実感が持てるよう定量目標にもこだわりました。
「世界と協生・協栄」していくのですから、創業者精神は前提にしながらも、多様な人々と自分たちの価値観を押し付けず共感してもらうマネジメント、挑戦する意欲を高めるマネジメントを実践していくことの必要性をひしひしと感じています。
2001年に打ち出した「21世紀・経営整合性モデル」が8割方実現できた成功体験が私たちにはあります。全社員が自分たちの意志・挑戦意欲をとどめることなく、目標からぶれずに取り組んでいけば達成できると信じています。
様々な悩みを乗り越え、策定メンバーの思いが詰まった長期経営目標は、今年度の社員総会で晴れてお披露目となりました。まずは実際に推進していく主体者となる全社員が、目標自体の策定背景から、意図・意義を自分のこととして受けとめるが大切です。そのため共有は、拠点ごとの社員総会とグループ全体での社員総会の2段階の機会を活用して行いました。
まず、拠点の社員総会では、各拠点のプロジェクトメンバーが丁寧に各ステップで策定された五十鈴の方向性やミッション・ステートメント、価値観などを説明し、はじめて聞く社員は質疑応答で理解を深めました。
グループ社員総会の場は、全社員でビジョンの内容・思いを改めて共有し、そこから客席にいる多くの社員がビジョンへの思いや決意・意見を熱く語り、10年後の五十鈴を皆で語り合うスタイルとしました。
(会場の社員の声は下記参照)



全社員で10年後の五十鈴のビジョンを共有した今、いよいよ実現に向けて行動していく時です。今後はこの「Will-Navi」をベースにグループで推進していくプロセスに入ります。実際に目標を実現していくのは私たち社員一人ひとりの手に懸かっています。
今回のグループ社員総会では階層や性別・年齢も関係なく、様々なバックグラウンドを持った社員が自らの思い・考えを発信し、共有しました。これからの五十鈴グループの未来に向けた価値づくりも同じ。今後の五十鈴ではより一層、あらゆるところを起点に発信がなされ、グループ社員間だけでなく、お客さま・ステークホルダーの皆さまと「創発的な進化」を実践し、想像を超えた価値を生み出していきます。